お犬様のお世話係りになったはずなんだけど………

第２章 和輝ペットシッター？になる

047★どうやら合格のようです

　その言葉に、和輝はキョトンとする。

　えぇ～とぉ～……２頭とも
　嬉々として食べてましたけど…
　それを言えば良いかな？

　「おやつ程度で良いのでしたら
　　さっき、ミルクで作った
　　ババロアを食べさせましたが

　　あとは……チキンナゲットや
　　トリカラ…そう言えば………

　　コロッケやサンドイッチも
　　ちゃっかりとも食べてたな

　　２頭とも、喜んで食べてましたよ
　　好き嫌いは無さそうですし………

　　単に、今まで好みじゃないモノを
　　出されたから、食べなかった
　　だけじゃないでしょうか？」

　和輝なりに、丁寧な言葉を心がけ（ただし心がけだけ）ながら、電話向こうの白夜に報告する。

　『そうか、君が作った
　　手作りのモノを食べたか
　　なら、合格だ

　　２頭をよろしく頼むよ
　　あとの契約書のコトは
　　爺やと話して欲しい

　　世話の方法は、桜から
　　聞いてくれたまえ

　　残念ながら、スマホの
　　充電が切れそうなんでね

　　桜によろしく言って………』

　　と、途中で本人が言った通り、スマホは充電切れを起こして、プツンッという音を残して切れた。
　話しの最後の方で通信が切れてしまったスマホを見詰め、和輝は桜を振り返る。

　「桜、向こうの充電切れで
　　スマホの通信が切れちまった
　　けど……どうする？

　　それから、とりあえず
　　合格だってさ
　　これから、よろしくな

　　２頭の世話の仕方は、桜に
　　聞いてくれって言ってたから
　　あとで、きちんと教えてくれ」

　和輝の言葉に、桜は蕾みが開花したように笑う。

　「ほんとうか？　和輝
　　ペットシッターを
　　してくれるのか？」

　「ああ…契約の話しは
　　爺やさんとしろってさ」

　その言葉を合図に、爺やは持ってきたカバンから、契約金の１００万円と月給の５０万円をテーブルの上に無造作に置く。

　「それでは、神咲和輝様
　　１年間は何があっても
　　継続という条件で

　　契約金として１００万円を
　　用意いたしました

　　月々の給料として５０万円を
　　現金で支給します

　　よろしいですか？」

　確認を取る蓬莱家の爺やに、和輝は頷く。