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プロローグ
008★桜はお嬢様?
しおりを挟む桜の体重を聞いた和輝は、ちょっと溜め息を吐いた。
立てなくなった桜を抱き上げた時
随分と軽いなぁ~とは思ったけど
やっぱり…そんなモンしかないのかよ
身長も体重も、優奈や真奈と
あまり変わりないように見えたのは
どうやら正解だったな
いや、桜の方が身長が高いから
見掛け通りよりも、少し軽いな
「それじゃ、この2頭のボルゾイ
〈レイ〉と〈サラ〉の体重は
いったい何キロぐらいなんだ?
こいつらの体重、分かるか?」
桜は和輝の質問に、小首を愛らしく傾げてから答える。
「えぇ~とぉ……たぶん…
メスの〈サラ〉が42キロぐらい
だと思う、たぶん
もしかしたら、オスの〈レイ〉は
50キロ超えているかも知れない
だって、この子達の体重を測定したのは
もう半年ぐらい前だから………」
その答えに、和輝は思わずその場でしゃがみ込みたくなった。
完全に重量オーバーじゃねぇーかよ
無茶すんなよなぁ……まったく……
言っても無駄だろうけど………
注意だけはしておこう
しないよりは、マシだろう
「桜…自分の体重の約3倍……
1人で連れて歩くのは
無謀だと思わなかったのか?」
和輝の言葉に、桜は反論する。
うっ…和輝に言われるとは思ったけど
……でも、やっぱり反論しておこう
「何時もは、白夜兄ぃさまや
爺やと一緒に散歩していたの
でも、今回は白夜兄ぃ様は
仕事の都合で家に居ないし……
爺やはここしばらく忙しかったセイで
腰痛になってしまったから………
私1人で散歩に出たのよ
………それにぃ………」
と、言ってから途中で桜は言いよどむ。
うぅ~…アレを言ったら和輝も冷たく
桜とこの子達を見捨てるかなぁ……
でも、やっぱり…言っておこう
桜が悪いんじゃないモン
和輝は、言葉を途中で止めた桜を見て、その項垂れた様子に首を傾げる。
桜は、何か言いたくないコトでも
あるのかな?
つーか、お兄さんがいるんだ
それに、爺やねぇ……
桜ってば、お嬢様なのかな?
そう言えば、ボルゾイって犬種は
昔は、政治家や弁護士や医者
いわゆる高給取りの職業者が
ステータスに飼うような
高級犬だったっけ………
優奈と真奈が飼いたいなぁ~
って言って、図書館で借りてきた
犬カタログに載っていた値段見て
びっくりしたの思い出すわ
じゃなくて………
もう少し突っ込んで聞いても
良いものかどうか………
桜の私的な事情もあるかも
知れないけど………
一応は聞いておいた方が
良さそうだな
ちょっとだけ、促してみるか?
それでも続きを言わないようなら
きっと他人に言いたくないような
コトなんだろうから
それ以上追求しなきゃイイだけだし
だから、和輝は言葉を促す為に、桜の言葉を復唱して問う。
「それに………なんだ?」
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