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第9章 忍び寄る妖しい気配

446★迷い込んだのは異世界の名残り?

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 微妙な沈黙が流れる中、和輝はおもむろに口を開く。

 「まっ…ぶっちゃけ…今、この現代世界にいる世界各地の人類だって
  祖を同じとする人種とは限らないからな

  まず、それぞれ、肌の色が違う、そして、共通言語ではない
  身長から始まって、身体能力もかなり違うからな

  一応、アフリカ起源説が一番強い説となっているけど
  与太話しには五色の人とかいうモンもあってさ

  赤い人だ青い人だなんてモンがあるしな
  肌色によって、寿命が100年とも500年言うのもあるだろ

  あと、最大の与太話しって言ったら、聖書ん中にあるだろ
  確か、アダムが930歳で、その子孫にあたるノアの箱舟のノアも
  確か950歳だったはずだから、この時期は寿命は約1000年

  まあ、その子供達になると急速に寿命が短くなっているけどな
  所説あるけど、放射能のセイで急速に減ったなんてのもあるしな

  だいたい、原人系との繋がりもミッシングリングになっているしな
  無理やり辻褄つじつまをあわせただっちゃーだけだろ

  そういうコトを諸々考えると、多重世界理論を信じている俺としては
  異世界人なんてのもありかな?って、思ってさ

  だいたい、今でさえ、日本人なんて妖精説があるくらいだからな
  国民すべてが、高い教養を身に付け、和を尊び、性善説を信じる

  まっ、純粋に、日本人だけの犯罪率とかを考えるとかなり低いしな
  とは言っても、戦後のどさくさに紛れて、他人の土地に棲みついて

  その土地や財産から、果てには、命を奪って、名前なんかまで奪った
  なんちゃって日本人というか、擬態している奴等なんかが

  国内での犯罪率を、滅茶苦茶上げているから
  他国との犯罪率の差異が少なく見えるだけでさ

  言いたかないけど、人種として日本人はかなり変なんだよな
  まぁ~自然災害が滅茶苦茶多い島国での、生き残り戦略として
  和を尊ぶコトを選択したんだろうけどな

  言っちゃなんだけど、紅夜達の言う隠れ里だって、下手したら
  ある種の異世界って可能性もあるんだしな」

 和輝の言葉に、紅夜は首を傾げて聞く。

 「俺達の里が、異世界?」

 ウニウニと首を傾げる紅夜に、和輝は肩を竦めて言う。

 「例えていうならば、空間の淘汰があって2つの世界が融合したとしよう
  そんな時に、ぴったりと重なるように融合したとしても、気泡のように
  僅かな、時空間のズレを持った空間が取り残されてもおかしくないだろ

  う~ん…例えば、このスマホな……画面を保護するシートを貼る時に
  ほんの小さなゴミや気泡がるできるだろ……そんな空間ってコトだ

  スマホ本体が、今のこの世界で、貼り付ける保護シートが異世界
  その間に、微妙な空気やゴミのように、別空間がある……かな?

  俺は、バミューダ海域なんかがそうじゃないかって思うんだよな
  世界には、そういう不可思議な場所がいくつもあるんじゃないかな?」

 和輝の言葉に、竜也も肩を竦めて言う。

 「まぁ…多重世界理論は、ボクも肯定派だからね
  確かに、日本神話にも不合理なところが結構あるよね

  天孫降臨なんて、その最たるモノだしね……国津神と天津神とかね
  考えてみたら、獣人話しなんかもよくあるもんね

  人狼もさることながら、多いのは狐かな?
  葛葉狐とか、9尾の狐とか、小物だと管狐かな?

  今この時だって、この世界と別の世界が融合していてもおかしくない
  って、考えるんなら、異種族が居ても変じゃないしね

  まぁ……過酷な環境による変異もありだと思うけどね
  人間って、わりと環境に適応しやすいようだからね」

 うんうんと頷く竜也に、竜姫はちょっと考えるそぶりをしてから言う。

 「まぁ…アタシとしては、何処から来たか?よりも、敵か味方かよね
  そう言う意味でいうなら、今のところ、真族は敵じゃないわね

  今の一番の敵はあの狂信者集団よ、それと〔バンパイア〕と〔グール〕
  人狼は、遭遇していないから、取り敢えず保留ね

  それよりも、今一番の興味は、真族の隠れ里かしらね
  和輝の推察が辺りだったら、其処って異世界の名残じゃない
  ちょっと、ロマンよねぇ~…………」

 そんな竜姫に、和輝はフッと笑って言う。

 「それを言うとな、俺達があの時に迷い込んだ神殿?つーか遺跡?
  アレも、そういう類いだったのかもなぁ~って、今更ながらに思う」

 竜也は、それに賛同する。

 「そうだね……そして、あの時に飲んだ、あの謎の美味しい水
  あれは、アムリタとかソーマとか、ゲームならエリクサーかな?

  そういう類いのモノを、ボク達は知らずに飲んだってコトなのかな?
  もう一度、むあそこに行けるなら、持ち帰りたいモノだね」

 そういう竜也に、和輝は首を振る。

 「竜也、あの場で飲まなければ、意味が無いのかもしれないぞ
  だから、神殿だったのかもしれないしな

  そういうモノだから、邪なモノは入れない、何らかの《結界》が
  張られていたって可能性があるからな

  その恩恵を受けたければ、あの場に行って、あの場で飲まなければ
  なんの効果も無い可能性もある

  あそこに行くなら、それ相応の装備が必要だけど
  できるなら、優奈と真奈と、乙姫と桜と輝虎は連れて行きたいな

  紅夜は、戦闘能力ありそうだから、必要ないかもだけど
  桜のコトを考えると、連れて行く方がゆうりだとは思うけどな」


  
 

  






  


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