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第9章 忍び寄る妖しい気配
443★担任の落合に、狂信者集団の情報を手渡す
しおりを挟む和輝の言葉に、落合はちょっと渋い顔をしてから頷く。
「まぁ…超常現象に弱い人間が担当だったらしょうがないか………
では、ありがたく、その映像のデーターはもらっておく
わざわざ、ここまで来たってコトは、通信システムだと
どこかで邪魔される可能性を考えてのコトだろう
そら……さっと、よこせ」
そう言いながら手を出す落合に、和輝はUSBのステックを手渡す。
「しっかし……《転移》かぁ~……現代のファンタジーだな
そんなモン見た日にゃぁ~頭の堅いヤツにはキツイだろうなぁ
自分がおかしくなったと思いたくなかったら、無かったコトにするな
なるほど、それで8年前、あの後、犯人達のその後とか事件の背後とか
もろもろ一切が、なんの報道もされなかったのか………
逃げられて、なぁ~んも判らなかったってコトだな
だが、そうか《転移》かぁ~……使っている奴等は最悪だが
まだまだ、私達が知らないような、未知のエネルギーがあるようだな」
落合の様子に、紅夜と桜は顔を見合わせ、共通の認識に頷き合う。
流石、和輝達の担任だけあるなぁ~……
超常現象も、そういう認識で終わりなのかぁ………
そんなコトを考えている紅夜と桜を他所に、和輝は落合と今後の話しをしていた。
「………ってコトで、学校の方の方針はどういうコトになってますか?」
和輝の問いに、落合は肩を竦めて首を振る。
「まだ決定してないんで、今日、これから、また職員会議だよ
本当は、休みのはずだったんだがなぁ………
高校から、こんな近くの屋敷で、ウチの生徒が襲われたんだからな
場合によっては、自宅待機というコトになるかもしれない
神咲(和輝)達が持って来た情報を精査して、各校に分配して
それで今後を決めるコトになるだろうな
取り敢えず、お前達は、狂信者集団に目を付けられているから
できるなら、できるだけ外出を控えておとなしくしていろ
そこの妹達や、お嬢さん達も、関係者ってコトで襲われる可能性がある
なるべく1人にはならないように、外出は必要最低限にしろ
何か決まったら、直ぐに連絡してやるから、ちゃんと連絡が付くように
かならず、スマホは持ち歩けよ
取り敢えず、かなり遅刻してしまったが、その分、良いモノをもらった
これから、職員会議するから、お前達は素直に家に帰れよ」
落合の言葉に、全員、見掛けだけ神妙に頷いて、取り敢えず蓬莱邸へと帰ることにした。
和輝達が背を向けたのを確認し、落合も職員室へと向かうのだった。
少し歩いてから振り返れば、落合が通用門を通って学園内に入る姿を見て、和輝は周囲を確認する。
「大丈夫、ボクも感じるモンないから、今のところ居ないようだね」
そう言う竜也に、竜姫も同意する。
「うん、アタシも何も感じないから、大丈夫じゃないかしら」
監視の目が無いコトを確認し、和輝は肩を竦める。
「ああ、へんに上空飛んでいる鳥も居ないから、大丈夫そうだな
はぁ~……思い出すなぁ~……あのピリピリした感覚……」
竜姫も頷いて言う。
「よねぇ~……でも、ここは見通しがちゃんと立つから………
ジャングルなんて……熱帯雨林地帯なんて、モロ最悪だったもの」
竜姫の言葉に、竜也はちょっと遠い目をして言う。
「うん、あれは最悪だよねぇ~……なぁ~んにもない砂漠もキツイけど
植物とかに同化して襲って来る毒蛇や毒持ちの昆虫は………」
そんな2人に、和輝はクスッと笑う。
「ほんと、あれはキツかったからなぁ……っと、さぁ~て俺達も帰ろうか
ゆっくりのお散歩だから、〈カオス〉達は直ぐにご飯あげられるしな
俺達もお茶して、今後の話しをしないか?
なんなら、明日は、動物園か植物園にでも遊びに行く前提で
桜と優奈と真奈と乙姫で、行きたいところのチョイスしてろよ
俺達は、また、狂信者集団が襲って来た時の準備するからよ
つーコトで、紅夜は俺達の方な」
紅夜は、和輝の言葉に嬉しそうにコクコクする。
「おう、俺も今回は参戦したい……昨日は、居なかったからさ」
そんなコトを話し合いながら、和輝達は何事もなく蓬莱邸へと帰還するのだった。
そして、そのままペットハウスへと移動し、ボルゾイ3頭の朝食を用意し、て食べさせる。
癒されるその姿を堪能した後、桜と乙姫は、優奈と真奈と一緒に、地図やらパンフレットなどを出して、ワイワイと楽しそうにしていた。
ちなみに、全部和輝がパソコンを使ってプリントアウトしたモノだったりする。
桜と出合う前、アルバイトにいそしみながら、金銭的な余裕が出来たら、そのうち、日帰りで遊びに行けそうなところに、優奈と真奈を連れて行ってやろうと思っていたところだったりする。
ここしばらく、真族への変化の為に、体調不良で外出もままならなかった桜は、和輝が出してくれたモノを嬉々として見て、乙姫や優奈や真奈と楽しそうにしていた。
それを横目に、和輝は広いリビングの一角で紅夜と軽く手合わせをしていた。
紅夜がどの程度戦えるか?どの程度の体術を身に付けているかを確認する為だったりする。
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