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第9章 忍び寄る妖しい気配
441★まったりと散歩しながら………
しおりを挟む朝食を食べ、食後のお茶をゆっくりと飲んだ和輝達は、今、ボルゾイ3頭のお散歩として、ゆったりと高校までの道のりを歩いていた。
ただ歩くだけなのだが、紅夜を含んだ、みんなと一緒というコトが嬉しいらしく、桜はニコニコしながら歩いていた。
和輝は、桜の体調が落ち着いているコトを見て取り、内心でホッとしながら、隣りを歩く竜也と竜姫に言う。
「なぁ~…竜姫、竜也…おぼえてっかぁ~…あの南米でのコト………」
そう振ってみれば、竜姫がポンッと手を叩いて言う。
「あっ…もしかして、あの不思議な神殿?みたいなところのコト?」
竜姫が応じてくれたので、和輝は頷く。
「ああ、あそこのコトだ」
そう言うと、竜也も懐かしそうに言う。
「あの国境付近の遺跡?…というか、アレって真新しい神殿?だったよね
父さんが手を加えても、ボクってさ、物凄く身体が弱かったじゃない…
実はさ…あそこで、祭壇?に供えてあった?美味しいお水を飲んでから
なんか、身体が…物凄く……健康になったんだよね
もとがもとだから、輝虎くんみたいに頑健ってまではいかなかったけど
それでも、かなり、常人離れしたみたいでさ
本当に、あれからなんだよねぇ……
和輝や竜姫と同じぐらい行動できるようになったのって
怪我した時の傷の治りなんて、人の2倍以上…遅くて……
下手したら、人の三倍ぐらい遅かったのにさぁ~……
今じゃ、倍どころじゃなく治癒力が上がっているんだよね
その上で、意思の力で血止めまでできるようになった
それつて、あの神殿?の美味しいお水を飲んでからなんだよね
日本に帰って来てから、ボクの回復力が良くなったコトに気付いて
父さんが、物凄く喜んでくれたんだよね
勿論、日本で病院の切り盛りしていた母さんもね
なんせ『私も、竜司さんもこんなに健康体なのに……』って……
良く嘆いていたからさぁ………爺さんも喜んでくれたし………
で、あそこの神殿?がどうしたのかな?」
竜也の言葉に、和輝はちょっとだけ苦笑いしつつも言う。
「ああ、あの時、俺達を追い駆けて来た、アレはなんだったのかな?
って、今更ながらにおもったんだよなぁ……
今、白夜さんが、正確に何処にいるか知らないから何とも言えないけど
もしも、空港とかをあいつらに張られていて、搭乗できないようなら
逃げ場所としては、良いんじゃないかなって思ってさ
あの神殿?って、結構どころじゃなく、広かった気がするし
空港からの距離としては、ちょっと……いや、かなりキツイけど
もしもしのいざって言う時の避難所に良くねぇ?
俺達も、あの狂信者集団を釣る時に、あそこに避難しても良いかな?
って、思って…ほら、あいつらって馬鹿だから、絶対に食い付くだろ」
和輝の言葉に、竜姫が言う。
「だったら、桜ちゃんも連れて行く?
あそこの水を飲めば、かなり丈夫になるんじゃない?」
その言葉に、和輝はちょっと考えて、紅夜を振り返って聞く」
「なぁ~紅夜…紅夜も、転移とか使えるのかぁ?」
何でもないような感じで聞かれた紅夜は、ちょっと動揺したものの、肩を竦めて言う。
「無理……まだ、ソレは習ってないから……場があっても、使えなぁ~い
姉上や兄上は数人、一応使えるけど…もしかして、習った方が良い?」
紅夜は、内心ドキドキしながらも、なるべく自然な風に答えた。
和輝ぃ~……やめて…そういうきわどい質問してくるの………
兄上達が、転移で帰還していたの知っているのってお前だけだろぉ~…
などと思う紅夜をよそに、竜也が和輝に聞く。
「なに、白夜さんだっけ…転移できるの?…もしかして、蒼夜さんも?」
そんな竜也の言葉に、竜姫が笑って言う。
「あら、あの狂信者集団でもできるコトなのよぉ~…
そういう不思議な《能力》があってもおかしくないんじゃなぁ~い
つーか、あったら、海外とか行きたい放題じゃない?
日本の美味しいご飯を食べながら、世界を冒険……ロマンだわぁ~…
流石に、現地の料理で……は、キツイからねぇ~……
結構、ゲテモノ料理が多くて……味覚が死にそうだったし
ちなみに、アタシは、もう二度と虫食はごめんよ
あんなモン、人間の食べるモノじゃないわよ」
と、過去のつらい記憶を刺激されて、半泣きになりながら言う竜姫に、和輝も竜也も肩を竦めて頷き合う。
それを見た紅夜は、内心で嘆息する。
ふっ……心配して損した…結局、竜也も竜姫も…和輝と類ともなんだな
にしても、そんな遺跡してなつーか、不思議な神殿があるんだぁ~…
俺も、行ってみてぇ~なぁ~…できれば、桜と一緒にさ
できれば、和輝達と一緒で、美味しいご飯付きならなお嬉しいな
海外のメシって、美味しくないの多いから………
コレでこの金額ぅ~っていうばっかだし……
日本の和食をうたっていても、半島とかのひともどきが作った
なんちゃって、名前だけ和食もどきで、食えたモンじゃないし
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