441 / 446
第9章 忍び寄る妖しい気配
441★まったりと散歩しながら………
しおりを挟む朝食を食べ、食後のお茶をゆっくりと飲んだ和輝達は、今、ボルゾイ3頭のお散歩として、ゆったりと高校までの道のりを歩いていた。
ただ歩くだけなのだが、紅夜を含んだ、みんなと一緒というコトが嬉しいらしく、桜はニコニコしながら歩いていた。
和輝は、桜の体調が落ち着いているコトを見て取り、内心でホッとしながら、隣りを歩く竜也と竜姫に言う。
「なぁ~…竜姫、竜也…おぼえてっかぁ~…あの南米でのコト………」
そう振ってみれば、竜姫がポンッと手を叩いて言う。
「あっ…もしかして、あの不思議な神殿?みたいなところのコト?」
竜姫が応じてくれたので、和輝は頷く。
「ああ、あそこのコトだ」
そう言うと、竜也も懐かしそうに言う。
「あの国境付近の遺跡?…というか、アレって真新しい神殿?だったよね
父さんが手を加えても、ボクってさ、物凄く身体が弱かったじゃない…
実はさ…あそこで、祭壇?に供えてあった?美味しいお水を飲んでから
なんか、身体が…物凄く……健康になったんだよね
もとがもとだから、輝虎くんみたいに頑健ってまではいかなかったけど
それでも、かなり、常人離れしたみたいでさ
本当に、あれからなんだよねぇ……
和輝や竜姫と同じぐらい行動できるようになったのって
怪我した時の傷の治りなんて、人の2倍以上…遅くて……
下手したら、人の三倍ぐらい遅かったのにさぁ~……
今じゃ、倍どころじゃなく治癒力が上がっているんだよね
その上で、意思の力で血止めまでできるようになった
それつて、あの神殿?の美味しいお水を飲んでからなんだよね
日本に帰って来てから、ボクの回復力が良くなったコトに気付いて
父さんが、物凄く喜んでくれたんだよね
勿論、日本で病院の切り盛りしていた母さんもね
なんせ『私も、竜司さんもこんなに健康体なのに……』って……
良く嘆いていたからさぁ………爺さんも喜んでくれたし………
で、あそこの神殿?がどうしたのかな?」
竜也の言葉に、和輝はちょっとだけ苦笑いしつつも言う。
「ああ、あの時、俺達を追い駆けて来た、アレはなんだったのかな?
って、今更ながらにおもったんだよなぁ……
今、白夜さんが、正確に何処にいるか知らないから何とも言えないけど
もしも、空港とかをあいつらに張られていて、搭乗できないようなら
逃げ場所としては、良いんじゃないかなって思ってさ
あの神殿?って、結構どころじゃなく、広かった気がするし
空港からの距離としては、ちょっと……いや、かなりキツイけど
もしもしのいざって言う時の避難所に良くねぇ?
俺達も、あの狂信者集団を釣る時に、あそこに避難しても良いかな?
って、思って…ほら、あいつらって馬鹿だから、絶対に食い付くだろ」
和輝の言葉に、竜姫が言う。
「だったら、桜ちゃんも連れて行く?
あそこの水を飲めば、かなり丈夫になるんじゃない?」
その言葉に、和輝はちょっと考えて、紅夜を振り返って聞く」
「なぁ~紅夜…紅夜も、転移とか使えるのかぁ?」
何でもないような感じで聞かれた紅夜は、ちょっと動揺したものの、肩を竦めて言う。
「無理……まだ、ソレは習ってないから……場があっても、使えなぁ~い
姉上や兄上は数人、一応使えるけど…もしかして、習った方が良い?」
紅夜は、内心ドキドキしながらも、なるべく自然な風に答えた。
和輝ぃ~……やめて…そういうきわどい質問してくるの………
兄上達が、転移で帰還していたの知っているのってお前だけだろぉ~…
などと思う紅夜をよそに、竜也が和輝に聞く。
「なに、白夜さんだっけ…転移できるの?…もしかして、蒼夜さんも?」
そんな竜也の言葉に、竜姫が笑って言う。
「あら、あの狂信者集団でもできるコトなのよぉ~…
そういう不思議な《能力》があってもおかしくないんじゃなぁ~い
つーか、あったら、海外とか行きたい放題じゃない?
日本の美味しいご飯を食べながら、世界を冒険……ロマンだわぁ~…
流石に、現地の料理で……は、キツイからねぇ~……
結構、ゲテモノ料理が多くて……味覚が死にそうだったし
ちなみに、アタシは、もう二度と虫食はごめんよ
あんなモン、人間の食べるモノじゃないわよ」
と、過去のつらい記憶を刺激されて、半泣きになりながら言う竜姫に、和輝も竜也も肩を竦めて頷き合う。
それを見た紅夜は、内心で嘆息する。
ふっ……心配して損した…結局、竜也も竜姫も…和輝と類ともなんだな
にしても、そんな遺跡してなつーか、不思議な神殿があるんだぁ~…
俺も、行ってみてぇ~なぁ~…できれば、桜と一緒にさ
できれば、和輝達と一緒で、美味しいご飯付きならなお嬉しいな
海外のメシって、美味しくないの多いから………
コレでこの金額ぅ~っていうばっかだし……
日本の和食をうたっていても、半島とかのひともどきが作った
なんちゃって、名前だけ和食もどきで、食えたモンじゃないし
10
お気に入りに追加
371
あなたにおすすめの小説
小児科医、姪を引き取ることになりました。
sao miyui
キャラ文芸
おひさまこどもクリニックで働く小児科医の深沢太陽はある日事故死してしまった妹夫婦の小学1年生の娘日菜を引き取る事になった。
慣れない子育てだけど必死に向き合う太陽となかなか心を開こうとしない日菜の毎日の奮闘を描いたハートフルストーリー。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる