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第8章 親密な関係になりたい
428★真族の生態って?
しおりを挟む2人の会話に、桜が割り込んで、和輝に訴える。
「桜は、全然大丈夫ですわよ…ですから、プリンとケーキをくださいな」
そう要求する桜に、判断に困った和輝は、白夜に話しを振る。
「え~と…白夜さんて、家長でしたよね……で、どうしますか?
桜本人は、まだまだ食べても平気だって言い張っていますけど
流石に、あれ以上食べたら、腹壊すと思うんですけど……」
和輝の言葉に、チラリッと桜を見れば、期待に瞳をキラキラさせている桜と視線が合う。
そんな桜のおねだりの視線に、白夜は肩を竦めて言う。
「かまわない、出してやってくれ、腹痛は本人持ちだからな
本当に必要ならば、腹も壊さないだろう
《儀式》を受けて、変化した者の記録じたいあまりないし……
私が調べたかぎりでは、そういうもんは無かったからなぁ」
既に、自分がどんな重大なコトを口にしたかも気付いていない白夜に、和輝は肩を竦める。
あははは……こりゃ~…白夜さんも、内心じゃ~かなぁ~りパニック
起こしているなぁ~…自分が、たった今、とんでもないコト…言ったって
口を滑らせたなんて思ってねぇ~だろうなぁ………まっ…いっか
「和輝ぃ~……白夜兄ぃ様からぁ~…許可でましたわぁ…ケーキぃ~…」
桜が和輝に再度ケーキやプリンをねだるのを聞きながら、蒼夜は内心で盛大な溜め息を吐いていた。
白夜…お前も…だいぶ…紅夜と桜に感化されているんだねぇ~……
今、とぉ~っても、不味いコト言ったけど……気付いてないようだね
つーか……和輝君も、一瞬困ったような表情を浮かべたからねぇ
たぶんに、その部分を判っても、スルーしてくれたんだね
もう…本当に、一事が万事……こんな感じだったのかな?
取り敢えず、ここは様子を見るしかないよね
蒼夜が1人、内心で苦悩するが、そんなコトお構いなしな桜に、和輝は毎度のコトと、気にもしないで桜に言う。
「はいはい……果物と生クリームたっぷりな……で、プリン付き…と」
確認すれば、桜は嬉々として頷く。
「はい、プリンもですわ」
桜の意思を確認したところで、和輝は男衆へと話しを振る。
「オーケー…つーコトで、紅夜もケーキ食べるか?…さっぱりもあるぞ
白夜さんも、蒼夜さんも、食べられるならば出しますけど………」
話しをふられた3人は、顔を見合わせる。
顔を見合わせた後、最初に名前を呼ばれた紅夜は、嬉しそう答える。
「あっ…だったら、俺も桜と同じモンが良いなぁ~……
勿論、プリン付きでよろしく」
「了解……ってコトで、白夜さんと蒼夜さんはどうしますか?
わりとさっぱり系のチーズケーキなんかもありますよ
レアチーズケーキにチーズケーキに、ベイクドにスフレもありますよ
あと変わり種ってコトで、抹茶のチーズケーキかな?
甘めが平気なら、普通に苺のショートケーキやガトーショコラとか
ミルクレープにマロンケーキぐらいはあります」
ちなみに、半分は竜也と優奈が嬉々として作っていたモノだったりする。
他に、ドーナッツやパウンドケーキも多数焼いていたりする。
和輝は、クスクス笑いながら、大きなトレーに数種類乗せて、選んでもらった。
勿論、桜と紅夜は、わりと大きな皿に苺のケーキとマロンケーキにチョコケーキの3点セットにプリンを添えて果物と生クリームで飾って出してやったコトは言うまでもない。
ちなみに、白夜はシンプルにレアチーズケーキとガトーショコラを選んだ。
蒼夜は、抹茶タイプのチーズケーキに、マロンケーキを選んだのだった。
白夜よりも、蒼夜の方がやや甘いモノを欲しいと思っていたらしい。
しばし、蓬莱兄弟は、まったりのデザートタイムを楽しむ。
そんな中、一番最初にペロリッと生クリームたつぷりのケーキ3個とプリンに果物を食べ終わり、コーヒーを楽しんでいる紅夜に話しを振る。
「ところで、紅夜?」
「あ~…なんだぁ?」
まったりとする紅夜に、和輝は聞いてみる。
「真族ってさ…桜の言ったように……その……一族に加わる為の
《儀式》とかしねぇ~とさぁ…子供とかって産めないのか?」
和輝の質問の意図が読めなかった紅夜は、首をウリウリして、逆に聞き返す。
「なぁ~…それって、重要な質問か?」
そんな紅夜の反応に、和輝は内心で首を傾げる。
うぅ~ん…もしかして、答えたくないのかなぁ?
俺、不味いコト聞いたか?
答えたくなさそうな紅夜の反応を見ていた蒼夜は、内心で嘆息する。
もう…これは…どうやっても……私達真族のコトは隠しようがないねぇ~
どうせ、和輝君の処遇を、本気で考えなければいけないんだから
ここは、質問にちゃんと答えてあげた方が良いよねぇ~……
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