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第8章 親密な関係になりたい
406★どうやら、おねだりする為に逃亡したようだ
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紅夜が振り返って聞けば、握りこぶしをプルプルさせながら、桜がその理由を言う。
「あうぅ~…全部、紅夜が悪いのですわ
せっかく、屋敷に帰って来たのに、側に居ないからですわ
和輝も、紅夜が帰って来たから側に居なくて良いだろうって
皆と一緒に、あっちの家に帰っちゃいましたし
なんか、寂しくなったら…物凄くお腹まで空いてしまって……
だから、桜は和輝が作ってくれた野菜スープを飲もうと思いましたの
温かい野菜スープを飲めば、空腹は満たされるし寂しさも癒えると
思って…だから、自分用に、食べる分だけスープ皿に小分けによそって
電子レンジで温めようとしましたら……〈カオス〉を筆頭に3頭が
桜に纏わり付いて、きゅぅ~いきゅぅ~いと、しつこく鳴いて
自分達にも、野菜スープをちょうだいをしてきましたけど………
人間用に作った野菜スープだから、貴方達は食べられないのって
ダメだと言ったからかもしれませんわ
だって、和輝は言いましたわ
『これは、人間用に、タマネギがたぁ~っぷりと入っているから
絶対に、犬に食べされられないからな
食べたら、中毒を起こして死ぬコトもあるからな
欲しがっても、絶対にあげるな』
って、言われていたから、食べられないって言いましたのに………
そしたら、桜が声を掛けても無視して〈カオス〉と一緒に〈サラ〉も
〈レイ〉もキッチンから出て、リビングからも出て行ってしまって
勝手に廊下に出てしまって………桜が戻れと命令しましたのにぃ~…
ハウスッて、何度も命令しましたのに………無視してぇ~………
そこへ、紅夜が間の悪いコトにドアを開けて帰って来たのですわ
桜なりに一生懸命に止めましたけど、全然言うコトを聞いてくれなくて
紅夜がドアを開けた瞬間に、飛び出してしまったのですわ」
一生懸命に訴える、桜の怒りを滲ませて少し震える声が聞こえた和輝は、クスッと笑って言う。
『はぁ~……わかった…こっちに来ているなら、そっちに連れて行くよ
〈サラ〉に〈レイ〉だけじゃなく〈カオス〉もなのか?』
和輝の質問に、紅夜は肩を竦めて言う。
「ああ、3頭ともだ……こっち帰って来て、ドアをガチャッて開けた途端
俺の脇をスルリッと抜けて、思いっきりダッシュして行ったからなぁ…
それこそ、喜び勇んでって言葉がぴったりなほど嬉しそうにな
ちなみに、一番最初に飛び出してきたのは〈カオス〉だったぞ
ボルゾイって犬種は、めっきり頭が良いけど、性格もイイんでな
まして、おねだり上手な〈カオス〉とその子供の〈レイ〉と〈サラ〉だ
あいつらは、俺達の言葉を、かなり正確に理解できるようなんでな
きっと、桜にコレは食べられないから、ダメッて言われたから
だったら、和輝に自分達が食べられる、何か美味しいモノを
作ってもらおうってねだりに行ったに違いねぇ……ごめん」
その答えに、和輝は自分の手元に、引き綱のひとつも無いコトに気付いて言う。
『そっか……桜からダメって言われたから、なんか食いたくてねだりに
こっちに向かったわけか……って……あれ?………んじゃぁ~……
3頭とも、首輪や引き綱無しの状態か?』
確認された意味に気付き、紅夜は首を傾げ、自分の脇をすり抜けた3頭に首輪やハーネスなどの装備がついて無かったコトを確認し、ひとつ大きく溜め息を吐いて答える。
「ん~と……はぁ~……ああ、3頭ともに、なんもつけて無かったな」
紅夜の答えを予測していた和輝は、たいして落胆するコトもなく言う。
『はぁ~…そっか…んじゃぁ~…紅夜も、こっちに来てくれっか?
流石に、ひとりで3頭をコントロールするのは、ちっと荷が重いからさ
ああそれと、そん時に、3頭分の首輪と引き綱を頼むわ
悪いけど、こっちに首輪や引き綱の予備とか持って来てねぇ~からさ』
和輝の言葉に、紅夜もホッとしながら気軽に応じる。
ラッキー…時間外労働だって、断られなくて良かったぁ~……
「りょ~かい」
そう言って、紅夜が切ろうとしたスマホを取り上げて、桜は和輝におねだりする。
「あっ…和輝、どうせこちらにすぐに来るのでしょう
でしたら、桜も何か作って欲しいですわ
桜達用と〈カオス〉と〈サラ〉と〈レイ〉用に………でもってぇ…
こっちにお泊りして欲しいのですわ」
桜の要望に、和輝は思わず溜め息を吐いてしまう。
『はぁ~……』
その和輝の無言の拒否に、桜は一生懸命に言葉を紡ぐ。
えぇ~とぉ~……なんか…そう…なんか…和輝をこっちに呼ぶのに……
あぁ…そうですわ……ここは…桜もおねだりですわ………
「だって、和輝を求めて、また3頭に脱走されるのは大変なのですわ
紅夜は疲れているし…それに…それに…なんか、また爺やに呼ばれて
本邸に行ってしまいそうなんですもの
桜は、そういう意味では役にたたないから……お願いなのぉ~
なんか…とても寂しくてたまらないの………
それに…また…《生気》が足りなくなってきた気がしますの
変にお腹か空いてしまうし…怖いの……だから、お泊りして欲しい」
「あうぅ~…全部、紅夜が悪いのですわ
せっかく、屋敷に帰って来たのに、側に居ないからですわ
和輝も、紅夜が帰って来たから側に居なくて良いだろうって
皆と一緒に、あっちの家に帰っちゃいましたし
なんか、寂しくなったら…物凄くお腹まで空いてしまって……
だから、桜は和輝が作ってくれた野菜スープを飲もうと思いましたの
温かい野菜スープを飲めば、空腹は満たされるし寂しさも癒えると
思って…だから、自分用に、食べる分だけスープ皿に小分けによそって
電子レンジで温めようとしましたら……〈カオス〉を筆頭に3頭が
桜に纏わり付いて、きゅぅ~いきゅぅ~いと、しつこく鳴いて
自分達にも、野菜スープをちょうだいをしてきましたけど………
人間用に作った野菜スープだから、貴方達は食べられないのって
ダメだと言ったからかもしれませんわ
だって、和輝は言いましたわ
『これは、人間用に、タマネギがたぁ~っぷりと入っているから
絶対に、犬に食べされられないからな
食べたら、中毒を起こして死ぬコトもあるからな
欲しがっても、絶対にあげるな』
って、言われていたから、食べられないって言いましたのに………
そしたら、桜が声を掛けても無視して〈カオス〉と一緒に〈サラ〉も
〈レイ〉もキッチンから出て、リビングからも出て行ってしまって
勝手に廊下に出てしまって………桜が戻れと命令しましたのにぃ~…
ハウスッて、何度も命令しましたのに………無視してぇ~………
そこへ、紅夜が間の悪いコトにドアを開けて帰って来たのですわ
桜なりに一生懸命に止めましたけど、全然言うコトを聞いてくれなくて
紅夜がドアを開けた瞬間に、飛び出してしまったのですわ」
一生懸命に訴える、桜の怒りを滲ませて少し震える声が聞こえた和輝は、クスッと笑って言う。
『はぁ~……わかった…こっちに来ているなら、そっちに連れて行くよ
〈サラ〉に〈レイ〉だけじゃなく〈カオス〉もなのか?』
和輝の質問に、紅夜は肩を竦めて言う。
「ああ、3頭ともだ……こっち帰って来て、ドアをガチャッて開けた途端
俺の脇をスルリッと抜けて、思いっきりダッシュして行ったからなぁ…
それこそ、喜び勇んでって言葉がぴったりなほど嬉しそうにな
ちなみに、一番最初に飛び出してきたのは〈カオス〉だったぞ
ボルゾイって犬種は、めっきり頭が良いけど、性格もイイんでな
まして、おねだり上手な〈カオス〉とその子供の〈レイ〉と〈サラ〉だ
あいつらは、俺達の言葉を、かなり正確に理解できるようなんでな
きっと、桜にコレは食べられないから、ダメッて言われたから
だったら、和輝に自分達が食べられる、何か美味しいモノを
作ってもらおうってねだりに行ったに違いねぇ……ごめん」
その答えに、和輝は自分の手元に、引き綱のひとつも無いコトに気付いて言う。
『そっか……桜からダメって言われたから、なんか食いたくてねだりに
こっちに向かったわけか……って……あれ?………んじゃぁ~……
3頭とも、首輪や引き綱無しの状態か?』
確認された意味に気付き、紅夜は首を傾げ、自分の脇をすり抜けた3頭に首輪やハーネスなどの装備がついて無かったコトを確認し、ひとつ大きく溜め息を吐いて答える。
「ん~と……はぁ~……ああ、3頭ともに、なんもつけて無かったな」
紅夜の答えを予測していた和輝は、たいして落胆するコトもなく言う。
『はぁ~…そっか…んじゃぁ~…紅夜も、こっちに来てくれっか?
流石に、ひとりで3頭をコントロールするのは、ちっと荷が重いからさ
ああそれと、そん時に、3頭分の首輪と引き綱を頼むわ
悪いけど、こっちに首輪や引き綱の予備とか持って来てねぇ~からさ』
和輝の言葉に、紅夜もホッとしながら気軽に応じる。
ラッキー…時間外労働だって、断られなくて良かったぁ~……
「りょ~かい」
そう言って、紅夜が切ろうとしたスマホを取り上げて、桜は和輝におねだりする。
「あっ…和輝、どうせこちらにすぐに来るのでしょう
でしたら、桜も何か作って欲しいですわ
桜達用と〈カオス〉と〈サラ〉と〈レイ〉用に………でもってぇ…
こっちにお泊りして欲しいのですわ」
桜の要望に、和輝は思わず溜め息を吐いてしまう。
『はぁ~……』
その和輝の無言の拒否に、桜は一生懸命に言葉を紡ぐ。
えぇ~とぉ~……なんか…そう…なんか…和輝をこっちに呼ぶのに……
あぁ…そうですわ……ここは…桜もおねだりですわ………
「だって、和輝を求めて、また3頭に脱走されるのは大変なのですわ
紅夜は疲れているし…それに…それに…なんか、また爺やに呼ばれて
本邸に行ってしまいそうなんですもの
桜は、そういう意味では役にたたないから……お願いなのぉ~
なんか…とても寂しくてたまらないの………
それに…また…《生気》が足りなくなってきた気がしますの
変にお腹か空いてしまうし…怖いの……だから、お泊りして欲しい」
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