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第7章 儀式という夢の後

349★敷地内の浄化はまだまだ続くようです*side蓬莱家*

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 爺やに連れられて本邸に戻った紅夜は、兄竜の待つ居間へと真っ直ぐに向かう。

 勿論、紅夜をペットハウスに迎えに来た爺やは、本邸の玄関を潜った段階で、紅夜の側からから下がる為の挨拶をする。

 「それでは、紅夜様わたくしめは、まだ彼らへの指示がありますので
  ここで失礼させていただきます」

 爺やの挨拶に、紅夜は小さく舌打ちする。

 あっ…そっか…敷地内の浄化作業………まだ終わって無かったのか……
 まぁ~…そうだよなぁ…藤夜兄上の浄化と再生の儀式を優先したから

 そういう意味で、ほとんど綺麗な和輝達の仲間は良いとしても
 泊まらずに帰って行った2人だって、ほとんど穢れとか無かったけど

 色々な、世の穢れというモノを、うっすらとはいえ纏った警察官達が
 敷地内にまき散らしたモノの後始末……終わっているはずねぇ~よな

 敷地内にわらわらと乱入して来た、ドロドロと澱み穢れた霊気を持つ
 【狩る者】達がまき散らしていった穢れを浄化するのは大変だよな

 俺、そういうの得意じゃないからなぁ…そういう意味じゃ手伝えないし
 はぁ~……マジで、こんな時じゃなけりゃなぁ………

 分刻みで躍起ンなって、空間の浄化作業をしなくても良いんだけど
 居間は、桜が一族の者へと変化している真っ盛りだからなぁ………

 何時でも、和輝が桜の側に居てくれるなら、その類稀な優しいオーラで
 桜をすっぽりと包んでいてくれるから、何も心配しなくて良いんだけど

 爺やの見解からすると………
 和輝の側か、その視界に入っている時にしか有効じゃないんだよな

 俺は、そういうの良く判らないから、後で蒼夜兄上に確認してもらおう
 和輝のオーラの保護が、何処まで有効範囲から知っておきたいしな

 そんなコトを考えつつ、紅夜は少しだけ苦い顔をして頷く。

 「おう…特に、車で出入りする門周りは、念入りに頼むな
  今回は、あの【狩る者】達や一般人(警察官達含む)が乱入したから
  桜の体調の問題もあるから、頼むな

  本当は、ずっと和輝の側に、桜が張り付いて居られたら良いんだけど
  流石に、理由もなしにそんなコトできないしなぁ………」

 同じ思いで頭の痛い爺やは、紅夜に同意しつつ、深々と頭を下げる。

 「はい、本当に、そう出来れば良いのですが……如何にせん
  桜様は不用意な発言と行動が多いですからねぇ………

  いや、彼は全部容認しているようですけど
  それでも、一族の危険はできるだけ避けねばならませんし

  ……と、では、わたしくめは、指示に行きますので、失礼します」

 そう言って、爺やは自分の指示を待っているだろう者達が待機する場所へと向かうのだった。
 紅夜は、その後ろ姿を見送り、小さく嘆息する。

 はぁ~……流石に、一日のイベントが盛りだくさんだったからなぁ……
 一族の者達以外の人間が、一時いっときに、あんなに強固な結界を張ってある

 敷地内に乱入するコトなんて、過去に例も無いし……
 いや、流石に和輝達の友人が持っていたモノ穢れや澱みはたかが知れていて
 直ぐに、綺麗に浄化できたようだったけどなぁ………

 あの警官達が持つ穢れや澱みは、マジで普通だったけどな
 今の変化中の桜には、ちょぉ~と不味いかなで済む

 けど、流石に【狩る者】達の穢れや澱みは、半端なかったからなぁ……
 和輝の側に居たお陰で、なんの影響も無かったから良かったけど

 まさか、あんなに強固に張られていた清浄の結界を破って侵入するとはな
 一応、破壊された場所は補修し終わっているようだけど………

 その分、けがれで汚された空間のお掃除が大変なようだな
 爺やもる力あるから、指示をしに行っちまったし

 爺や達の言うところの普通一般的な穢れや澱みを持つの人間達が、敷地内を広範囲にうろつき回ったコトによる、後始末に奔走しているのだ。

 勿論、和輝達兄妹や、その友人達に、警察官達及び救急隊員達、それに澱みと穢れが物凄い【狩る者】達を含めた、真族以外の者達すべてが、一時に乱入したコトで崩れた結界内の調和を取り戻す為、みんな寝ずに浄化や修復にあたっているのだ。

 その空間に色彩がついていたなら、色々な色を混ぜこぜした不規則なマーブル模様を描いていたコトだろう。

 蓬莱家が所有するこの地は、和輝達が言うように、ある種の神域なのだ。

 それゆえに、霊的に神域となっている場所のすべて、蓬莱家が所有する敷地内を、清浄に保つ為に、紛れ込んだ雑多な《気》などを祓い清めなければならないのだった。

 それも早急に行わないと、強固な結界が張られている為に、自然に結界内から外へと排除されるコトが無い為、空間の一部に、部分的な澱みが出来てしまうのだ。

 それも、敷地内の広範囲に乱入された為に、そこかしこに出来てしまう可能性があるのだ。

 一般人が気付くことなく、普段何気なく連れ歩いている?霊魂。
 この場合の霊魂とは、水子霊から浮遊霊まで、その他諸々のコトをさす。

 その上で、白夜達が【狩る者】と呼ぶ、和輝達が言うところの狂信者は、文字通り狂信的に自分の信じる【神】を崇めているが故に、妙な《気》の歪みを発散しているのだ。

 勿論、理不尽に追い立てられて、むごたらしく殺された者達の怨念が渦巻いているので、その澱みたるモノは言葉に言い表せない程に酷かった。

 そんな狂信者集団が敷地内へと乱入した為、ある種の邪念に近いモノを盛大にまき散らされてしまったのだ。











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