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第6章 浄化の儀式

297★バレるとうるさいので、もう一度応急措置しておこう

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 竜也達一行から離れてひとり車庫に戻った和輝はというと、狂信者集団の襲撃に乗っていた車から、もらったオマケの数々を出していた。

 わぁぉ~…あん時は、あんまり気にしてなかったけど、結構な量あるな
 これなら、桜と優奈と真奈でケンカするコトなく分けられるな

 竜也や輝虎に竜姫にいたっちゃ~…こういうモンに興味ないしなぁ……
 いや、竜也と輝虎はエコバックに興味あるかな?

 乙姫は……ちょっと分からないなぁ?可愛いモノは好きそうだけど
 ………じゃなくって、なんか気分転換出来るモノ無いとなぁ~……

 流石に、今日はマジで衝撃的な事件の連続だったからなぁ………
 あげくに、一難去ってもう一難っつーの繰り返したし………はぁ~…

 ひとつ大きく溜息を吐いた和輝は、エコバックに詰めたオマケの数々を持って車庫が出る。

 濃密な夜気を胸いっぱい吸い込み、和輝は応急処置で血止めしただけの首筋に穿たれたふたつの穴に手のひらをソッと当てる。

 取り敢えず、あのどさくさに軽く血止めして有耶無耶にしたけど
 ぜってー後で竜也や竜姫に牙が食い込んだところ確認される

 とは言え、今日は連続で、ちょっと無理し過ぎたからなぁ………
 ここで無理やり力技で完治するのは、流石に無理だな

 地場的に清浄な大氣を深呼吸で取り込み、和輝はいまだにジクジクしていて、傷口から鮮血が零れ落ちないだけのふたつの牙痕きばあとにうっすらと皮膚が乗るようにする。

 穿たれた牙痕きばあと全部を治せないコトは無いのだが、ちょっと時間がかかるので、表皮にとどめたのだ。
 あまり時間をかけると、心配して、せっかくペットハウスへと送り出した桜を筆頭とした全員が、再び車庫に来かねない為の更なる応急処置だったりする。

 和輝はソッと首筋を撫でさすり、滲む白血球による濡れた感触が無いコトを確認し頷く。

 「さて、このぐらいになっているなら………うん、大丈夫だな
  竜也や竜姫に見られても、これならオーケーだ

  さて、俺もさっさとペットハウスに戻ろう
  流石に疲れたぁ~………」

 そう呟きながら、ミニフィギュアなどを詰めたエコバックを持って、和輝はいそいそとペットハウスへと向かうのだった。
 勿論、そんな和輝の姿は、ちゃんと監視カメラで確認されていたコトは言うまでもない。

 そして、和輝に不審な動きはないので、誰も出てこなかったのも確かな事実だったりする。
 いや、誰だって何の理由もなく、人間はずしている和輝と相対あいたいしたいとは思わないのも事実だった。





 ◆◆◆





 和輝がエコバックにミニフィギュアなどのオマケを詰めて車庫から出て、夜気たっぷりの大氣を吸い込んで牙痕きばあとを再度応急処置している頃、ペットハウスに入った一行は、それぞれに動いていた。

 先頭で到着した桜と紅夜でペットハウスの三重の扉を開けて、和輝の大事な妹達の優奈と真奈をまず最初に入れる。
 続いて、藤夜を抱えた輝虎と左右で警戒する竜也と竜姫と乙姫が入ったコトを確認し、紅夜が扉を閉めて行く。

 勿論、普通に閉めただけで、後から和輝が来るので鍵は掛けていない。
 その間に、桜が藤夜を抱えている輝虎達を先導して、白夜が使っている方の部屋へと案内していた。

 「この部屋は白夜兄ぃ様の部屋ですが、他には桜の部屋しか無いので…
  取り敢えず、藤夜兄ぃ様は、ここに寝かせてください

  まさか、座敷牢から出て来て、和輝に齧り付いて吸血するなんて……
  とはいえ、私はその座敷牢、見せてもらったコトがないので………

  どの程度の警備体制を敷いていたかは、知らないのだけど………
  でも、和輝を齧るなんて、信じられませんわ」

 と、プリプリと齧るを2度も口にして怒っていた。
 そんな桜に、竜也や竜姫、それに乙姫と藤夜を連れて来た輝虎は微笑ましいと思っていた。

 そう、和輝の首筋を齧って生き血を啜ったコトに対してて怒っている桜が可愛くて、誰も何も言わずにいた。
 確かに、藤夜が和輝の首筋に齧り付き、吸血したコトを怒っていは居たが、4人が思っている内容とかけ離れていたりする。

 まったく、本当に、油断も隙もないわねぇ……イヤになってしまうわ
 白夜兄ぃ様も、紅夜も和輝の《生気》や鮮血のつまみ食いしたし……
 いや、白夜兄ぃ様はつまみ食いではありませんわね、私の為でしたわ

 じゃなくて、いくら正気をなくしているからって、藤夜兄ぃ様てば
 和輝の生き血を、あんなに見境なくゴクゴク飲むなんて………はぁ~

 まったく、和輝の貴重な鮮血は桜のモノなのよ
 ……って大声で言えないのが悔しいわ

 だから、藤夜兄ィ様は、白夜兄ぃ様の部屋で寝ていればイイのよ
 桜は今日、桜の部屋で、和輝と紅夜と一緒に寝る予定だもの

 そうだわ〈レイ〉と〈サラ〉と〈カオス〉もこっちに放り込みましょう
 その上で紅夜に、封印を掛けてもらえばイイわね

 今の正気を失って呪法を忘れている藤夜兄ぃ様なら、出て来れないもの
 帰って来た白夜兄ぃ様なら、紅夜の封印など気にもしないわ

 だって色々な呪法を紅夜に教えたの白夜兄ぃ様だから、難なく通れるし
 藤夜兄ぃ様を可愛がっていた蒼夜兄ぃ様は何時帰って来れるか……はぁ~

 じゃなくて、なんで紅夜を抜いた、みんなは変だと思わないのかしら?
 そう言えば、小さな優奈ちゃんや真奈ちゃんも驚いて無かったような?









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