285 / 446
第5章 一難去っても、また一難
284★紅夜の様子もおかしいです
しおりを挟む『うん、わかったわ和輝
〈カオス〉の飼い主である蒼夜兄ぃ様に、すぐに連絡するわ
ところで、和輝は今どこにいるの?』
桜の質問に、和輝はあっさりと答える。
「えっ何処って、成田空港の駐車場に停めた車ン中だけど
とりあえず、飼い主と連絡が付いたら、桜の代わりに手続きして
〈カオス〉をそっちに連れて帰るよ」
和輝の言葉に、桜は素直に頷く。
『うん、蒼夜兄ぃ様に連絡するから、ちょっと待っていてね
直ぐに、どういうコトか聞いてみるから………』
そう言う和輝に、ペロリッとプレートに盛られたモノを食べ終わった〈カオス〉は、まだもうひとつプリンが残っているコトを知っているので、和輝の手首に自分の手首を引っ掛けるようにして、引きながら甘えたように鼻を鳴らす。
「ぴぃ~すぴぃ~す」
和輝はそんな〈カオス〉の頭を撫でて言う。
「この電話が終わったら、残したプリンだしてやるから
ちょっとだけまっていろな
つーことで、早急に確認してくれよ………っと、そうそう
今、プリンとスフレケーキと水はやったけど………
だいぶ腹減ってるようだから…〈カオス〉用のご飯を作ってくれって」
竜也に頼んでおいてくれるか?
俺が送った今の〈カオス〉の画像………痩せこけた姿を見せれば
竜也なら、何が今必要かわかるからさ
とにかく〈カオス〉の隊長を考慮したのを頼むって言っといてくれよ」
『うん、そうするわ』
「んじゃ、よろしく」
そう言ってスマホの電話を切った和輝は、まず〈カオス〉の要望通りに、もうひとつのプリンをプレートに盛る。
残っているのはプリンだけだったので、今回はプリンひとつである。
〈カオス〉専用プレートにプリンを盛って、スッと〈カオス〉に差し出した和輝は、それまで黙っていた紅夜を振り返り聞く。
「ところで、紅夜
なんで、今の時間帯に、成田空港に居たんだ?
桜から、紅夜が次に帰国するのは、来週の水曜日か木曜日辺りだって
聞いていたんだけど、俺は」
和輝のもっともな質問に、それまでおとなしくしていた紅夜が、ガバッといきなり抱きつく。
うげっ…またかよ………っつーか、もしかしてなんかあったか?
ホント、こうなると、でっけぇ~子供だらなぁ~…はぁ~…困った
とりあえず、紅夜の機嫌を宥めねぇ~と、全然話しにならねぇ~
まずは、そこからだな、これは………はぁ~めんどい
和輝は、紅夜にギュウギュウに抱きつかれて、げんなりしながらも、何時ものおふざけと様子が違うコトを感じ取った。
だから、しょうがないと思いながら、和輝は紅夜の荒れているらしい精神を安心させる為に、その身体をギュッと抱きしめてやってから、その背中を軽く撫でてやる。
一方、和輝に抱き付いて、その身体から発散する豊かな《生気》に包まれた紅夜は、何ともいえない安堵感に、ほぉ~としていた。
はぁ~あ………桜が、和輝に抱きつくの理解(わか)るなぁ~………
ホント、和輝の身体から発散される《生気》は気持ちイイもんなぁ~
その心地良さに、紅夜は和輝の首筋に顔を埋めて、スリスリする。
そう、ちょっと前の〈カオス〉と変わらないコトをする紅夜に、和輝は溜め息を吐くのだった。
0
お気に入りに追加
371
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
女性が少ない世界へ異世界転生してしまった件
りん
恋愛
水野理沙15歳は鬱だった。何で生きているのかわからないし、将来なりたいものもない。親は馬鹿で話が通じない。生きても意味がないと思い自殺してしまった。でも、死んだと思ったら異世界に転生していてなんとそこは男女500:1の200年後の未来に転生してしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる