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第5章 一難去っても、また一難
279★とりあえず〈カオス〉をテイクアウトして早々に帰宅しよう
しおりを挟むそこで和輝は、その姿の〈カオス〉が生命のギリキリにいるというコトに気付く。
今は、なんで〈カオス〉がココ(成田空港内)に入るのか
激痩せ状態でふらついていたのかは、後回しだな
最優先は〈カオス〉の命だ………このままじゃマジでヤバい
そう思った和輝は、ひょいっと痩せこけた〈カオス〉を抱き上げる。
そして、抱き上げた〈カオス〉のガタイに比して、そのあまりの軽さに、和輝は生命の危機に来ているコトを実感する。
とにかく、最優先で蓬莱邸に速攻で帰宅だ
滋養のある消化の良いモノを食べさせてやらないと………
コレだと点滴できるか?
いや、その前に動物用のは無いんだよなぁ……はぁ~………
まぁ、犬は雑食系肉食だから、人間のモノも使えるけどな
桜と爺やさん、あとスマホで白夜さんに聞いて、相談しよう
まぁ…いざとなったら、延命に《光珠》って手もあるしな
そんなコトを考えながら、和輝はガリッガリの〈カオス〉を腕に抱き、平然と駐車場に停めてある車に向かう為に、空港内を突っ切って歩く。
勿論、逃げた〈カオス〉を捜し求めて、空港の職員達が右往左往しているなんてコトは、和輝の知ったコトでは無かった。
なぜなら、和輝は空港の職員が〈カオス〉を捜しているコトに気付く余裕が無かったから………。
とりあえず、車に乗ったら連絡だな
なんで、桜の兄貴のひとり……えっと蒼夜さん……だよな
その蒼夜さんの飼い犬である〈カオス〉がガリッガリの姿で
成田の空港内に1頭で、うろついていたか知る為にも連絡しないと
いや、その前に、水だけでも飲ませてやらないとなぁ………
ああ、そう言えば、クッキーもあったな
本音を言えば胃腸に刺激を与えない暖かいミルクが欲しいところだ
が、無いものねだりはできないから……水とクッキーかな?
なんか、こままじゃ…あっと言う間にキュッと逝っちまいそうだし
そう思ってから、和輝はハッとして、あっちゃーという表情になる。
なぜなら、送り迎え用に大きな国産車に乗って来て居たから………。
っ…あぁ~……今回乗ってきた車って、水も食料も乗って無いぞ
啓太と水鳥を送って、竜姫のおじさんを成田空港に送るだけ
って思っていたから、なぁ~んも用意してねぇーわ
こぉ~んなにガリッガリに痩せこけて、骨に皮が張り付いて
片腕で抱き上げられるくらい軽くなっちまってるもんなぁ……
もふもふの毛も艶は無いしバサバサでペタペタになってるし
どんなコトしたら、こんな姿ンなるんだよ………ったく
〈カオス〉の体重、間違いなく30キロ割ってるよなぁ………
桜に手渡されたスマホの中に写っている写真の姿じゃ~
みるからに50キロは優に超えていそうな身体だったのにな
下手すっと、元の体重の半分くらいしかないぞ〈カオス〉
はぁ~できれば、無添加のプリンとか食べさせてやりてぇよなぁ
卵と牛乳と砂糖がメインで出来ているプリンは消化吸収が早くて
疲労に速攻で効く最高の回復薬だからな
まっ…世の中には、卵や牛乳、砂糖を悪者扱いするヤツがいるけど
そんなコトは些細なコトだしな
ああいうやつ等は、ソレを商売にしているから、悪い点を探す
良い点を捻じ曲げても………じゃない、落ち着け俺
今は、速攻で蓬莱邸に帰って、桜のペットハウスに帰らなきゃ
そしたら、滋養強壮のある消化に良い物を食べさせてやって
ゆったりと静養させてやらないとな
帰宅したら、まず黄金プリンを食べさせてやろう
それに、生クリームやスフレケーキに、卵黄入りのミルクを付けた
完璧な疲労回復用のおやつもつけてやろう
まっ調理されて形が変わっただけで、結局卵と牛乳がメインだけどさ
どこまで食べられるか判らないけど、いざとなったら《光珠》もある
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