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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦
262★何時だって、女の子はカロリーを気にするんです
しおりを挟む竜姫の嫌がらせを込めた言葉に、ムッとした啓太が言い返す。
「ほっといてくれよ
有田(竜姫)ってば、親同士が決めた、和輝の婚約者
って地位に固執するしか無いくせに、おめーを嫁にする
豪気で強い男なんて、和輝以外いないもんな
よっ崖っぷち」
そんな嫌味の応酬に、とうとう和輝が音を上げる。
「いい加減にしろよぉ~………こんな時に、狂信者が原因で
争うなんて、無駄の極みだろうが………」
そんな和輝を不憫に思ったのか?ほんの少し前まで、竜姫をからかうようなコトを言っていた竜也が、冷たい口調で、啓太を嘲笑う竜姫を見て憮然と言う。
「あのねぇ~……君達がそうして、無駄に言い争いをしていると
僕達が何時まで経ってもペットハウスに入れないんですけどね」
怒っていても、丁寧な口調の竜也に、ハッとしたような表情で、啓太は謝る。
「あっ………ごめん……悪かった……そうだよなぁ………
和輝のバイト先なんだよな、ここって………
それに、夕飯を作るって言っていたのに、邪魔して悪かったよ」
竜也の言葉に、啓太同様、竜姫もハッとして、素直に謝る。
「ごめんね、和輝
アタシってば、ちょっとはしゃぎ過ぎたわ」
3人に肩を竦めた和輝は、それ以上強く責めるようなコトは言わず、今の話題を別のモノにかえる為に、あえて狂信者達の出現と消失へと向ける。
「ああ、気にしてねぇ~よ………しっかしよぉ~………
捕まえても、転移の呪法であんな風にすぅーっと消えたんじゃ
俺達には、なぁ~んにも出来ねぇ~よなぁ~………ったく
どこまでも、迷惑な集団だぜ
あれじゃ、転移の術が発動した時に、呪法の受け手、もしくは
呪陣があれば、何処にでも簡単に転移出来るな
一応、最適な《場》とかは、必要だろうけどな
今までも、あいつ等の基準で、疑わしいという者を見付けては
世間を騒がせた後、あいつ等はああやって逃亡してたんだろうよ
まっ…後は、警察に任せて……夕飯の準備だ
竜也、手伝ってくれよ
絶品の材料を、タダで使いたい放題ってのは気持ちイイぜ」
和輝に話しを振られた竜也は、見かけによらず料理好きなので、瞳を嬉しそうに輝かす。
「うん、手伝うよ、どんな材料があるか楽しみだね
はぁ~ほっとする……竜也は何かに拘ったり、落ち込んだりすると
結構、長いからなぁ………
機嫌が直った今の状態の時に、色々な食材を見せてやれば、意識が
料理の方に向けられるから、グズグズと後々まで響かなくて済むな
「ああ、ついでに、優奈達とお菓子でも作ろうぜ
卵や牛乳からして、味が市販のモノと全然違うからな
格段に、美味しいモノが出来るぜ」
「それじゃぁ~頑張って、凝ったデザートを用意するよ
期待していてくれたまえ………リクエストはあるかい?」
竜也の言葉に、竜姫がワクワクしながら言う。
「あっ………だったら、カロリーが半分くらいの、生クリームが
たっぷり乗ったケーキが食べたいなぁ~………
最近は、確かにローカロリーのモノも結構あるけどねぇ…はぁ~
美味しく無いんだよねぇ~………」
竜姫の溜め息に、竜也と和輝は顔を見合わせて、クスッと笑う。
やっぱり、竜姫も女の子だね………と。
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