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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦
252★警察官が、蓬莱邸に到着したようです
しおりを挟むそう言いながら、爺や達に向かう狂信者達を、持ってきた御神刀で軽く打ち払う。
「いけっ………ここは、俺達だけで、大丈夫だ」
屋敷に帰れと和輝に顎をしゃくられた爺やは、ボディーガード達を連れて、そそくさと本邸へと逃げて行く。
やっと、動いてくれた爺や達にホッとした神護は、爺やとボディーガード達へと追い縋ろうとする狂信者達を、ことごとく打ち払った。
そして、御神刀を鞘に戻した和輝は、それ以上悪足掻きができないように、関節を外していく。
ちなみに、真族へと刻々と変化している桜の霊波動は、和輝の渡した《光珠》の結晶の気配に包まれ、見事に中和されていたので、自称。聖剣の騎士団?が備え持つ、霊波測定器などの計器類は、まったく反応しなかった。
また、それなりの霊能力者も連れて来られていたのだが、土地が持つ神域ゆえの清冽さと、どこまでも澄んでいる和輝の霊力にうっとりしていて、全然役にたっていなかった。
だから、戦闘は純粋な力対力になり、殴り合いと斬り合いと撃ち合いになったのだった。
そして、和輝達と自称・聖剣の騎士団?との戦闘が始まった頃。
後ろ髪ひかれる桜の手を引いて、ペットハウスに逃げ込んだ真奈と優奈は、和輝の友人である水鳥と啓太へと連絡したのだった。
帰宅前の会話で、和輝達のコトを心配していた啓太と水鳥は、優奈と真奈から、変質的な狂信者集団が出没したという連絡を受けて、警察官達を言葉巧みに騙して?、幽霊屋敷と呼ばれている蓬莱邸に向かっていた。
なまじ学校間の連絡が波及して、公共施設や病院、そして警察へも、8年前の狂信者集団が現われたコトが告知されていたので、その動きは素早かった。
8年前の狂信者集団の乱闘乱射事件は、それだけ衝撃的な事件だったのだ。
平和な日本で起こったコトだけに、そのインパクトは途轍もなく強く印象に残っていた。
銃社会で、日常的に乱射事件などがある海外と違い、武器というモノを携帯しないで過せる日本に、狂信者集団が侵入して乱闘乱射暴れたのだ。
それだけに、狂信者集団という単語は、危険な存在の代名詞ともなっていた。
お陰で、子供の悪戯………『狼が来たぞ』かもしれないという疑いひとつ持たず、警察官達は対テロ用の防護服を身に着けて、啓太や水鳥とともに、蓬莱邸へと駆けつけたのだ。
折りよく拳銃の音が響き渡ると、警察官達はゲート脇に付いているインターフォンに向かい、ゲートを開くように、家人に連絡する。
警察官達が、蓬莱邸の家人との対応に手間取っている間、啓太が情けない声を出す。
「…あうっ……今のって……もしかしなくても、銃声だよなぁ……
なぁ~…水鳥ぃ~…和輝達、大丈夫かなぁ~………
怪我とかしてないよな」
不安そうにしながら、自分に話し掛けてくる啓太に、水鳥は冷たく応じる。
「五月蠅いよ、啓太
心配だから、警察官達を連れて来たんじゃないの
いいかい啓太、ゲートが開いたら、一気に走るよ」
ホントぉ~に、啓太ってば気が弱いんだから…………
僕だって、和輝達は心配なんだよ
いっくら本人達が大丈夫だって言ったって
相手は、狂信者集団なんだから………
「うん、わかった………和輝達を探しに行くんだな」
そう言っている間に、ゲートがゆっくりと開いて行く。
「ほら、開いた、いくよ啓太」
人がひとり通れるくらいゲートが開いた瞬間、苛立たしげに開くのを待っていた水鳥が、蓬莱邸の敷地内に飛び込み、啓太もその後に続く。
「おう」
そして、啓太と水鳥に先導されるように、警察官達も、何度も聞こえる銃声の音を頼りに、その後に続いた。
勿論、現役高校生、それも体力魔人の和輝達に付き合っているだけ合って、水鳥も啓太も足がかなり速かった。
流石に、警察官といえども、対テロ用の防護服を身に着けているだけに、啓太や水鳥からはかなり遅れるコトは否めなかった。
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