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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦
247★8年前の恨みを込めて、言葉で嫌がらせをしよう
しおりを挟むそう嘲る和輝に、自分達の信仰を馬鹿にされたと憤り、ワナワナと唇を震わせながら、リーダーらしき男が吼える。
「ふっ…ふざけるなっ…私達が、狂信者だとぉー
我々の『神』を『邪神』などと…愚弄するにも程がある
お前の女達や妹達が、か弱いとか…いたいけないとか…
言えるとでも思っているのか?
嘘を吐くのもたいがいにしろ…汚らわしい
お前達のような外れた者が、人間だということ自体が
それこそ、我が『神』に対する冒涜だ」
憤慨して言い返すリーダーらしき男に、竜姫が如何にも見下げているとわかる、白い視線で言う。
「ホント、すっごい失礼よねぇ~…こんな可愛いアタシや乙姫に…
優奈ちゃんと真奈ちゃんを、なんだと思っているのよ
まっ…もっとも……あ・の、8年前だって、随分なコトを
ほんの子供のアタシ達にした、あんた達に、騎士道精神とか
紳士的な対応なんてもの、期待してないけどね
無垢な子供や…若い女性の血肉を好む『邪神』を崇めるような
狂信者集団のあんたらに、そんな崇高なこころざしなんてモノ
持ち合わせているはず無いモノだから、全然期待してないけど
そんな血まみれ集団が、聖剣の騎士団なんて名前を名乗るなんて
ちゃんちゃらおかしいわねぇ~………
それこそ、あんたらが名乗るなんて冒涜ってモンよねぇ~
くすくす……『神』の威信を穢す為にしているんでょ~………」
はぁ~…俺もそう思うよ、マジで……まさか、また来るなんてなぁ
思い込みの激しい邪教徒って、ほんと困りモンだよな
まっ…このやり取りの間に、優奈と真奈は桜ん所に移動準備…うん
手ごろにバラけて、襲われたとき反撃しやすい位置になったな
竜姫が言い終わると同時に、和輝はバッサリと感情を切り落とした無機質な声で問う。
「で、ココに何しに来たんだよ」
竜姫のあげつらいに、ワナワナと怒りに震えたが、それでも、自分達は『神』に仕える戦士であり、崇高な使命をもった、聖剣の騎士団という自戒心から、竜姫の言葉を黙殺して、和輝の問い掛けに答える。
が、リーダーらしき男以外の狂信者達は、竜姫のあげつらいにビキビキになり、怒りで血管を浮き上がらせていた。
「噂を確認しに来た」
声音に怒気を潜ませながら、そういうリーダーらしき男の言葉に、和輝はシレッとした表情で答える。
「かぁー…はた迷惑な暇人どもが…なら、簡単な答えがあるだろう
だいたい、この家はすっげぇ~大金持ちだから………
超高級犬のボルゾイなんて、超大型犬を飼っているんだぜ
当然、ごく一般的な家庭犬達が散歩する時間帯になんて
まず出せないからな、夜中に散歩するは当然だろう
なんつっても、大人しく優雅で美しい超大型犬ってだけで
やっかみ混じりに、絡まれるコトもあるんだぜ
争いごとや周辺住民に迷惑をかけるようなコトを嫌うなら
そういう気遣いは当たり前だろう
だいたい、身勝手な正義を謳って、武器なんて持たないような
一般市民を平気で襲うような、お前達狂信者と違ってなぁ
ココには、良識ある住人が住んでいるんだって
ちゃぁ~んと、確認出来たろうが………」
和輝の言葉に、更に怒りを募らせながらも、自分達はこの世にはびこる『悪』を討つ為に『神』に選ばれた聖戦士だという高い矜持を元に、脆弱な一般市民に対して、どのような被害が出ようとも、自分達の行いは常に正しいのだと、8年前と同様に、平然と言い募る。
「私達が問題にするのは、良識などではない
あくまでも、この世に存在してはならない魔物を駆逐するのが
私達、聖剣の騎士団に架せられた使命なのだ
ここの住人には、不審な点が多い
〔バンパイア〕の可能性が捨てきれないのだ
だから、確認するっ」
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