234 / 446
弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦
233★さて、どうやって【狩る者】の説明をしよう?
しおりを挟む【狩る者】が、現われた…それも、桜の不用意な行動のセイで……
白夜兄ぃ様や紅夜が、あれだけ口を酸っぱくして、何度も桜に
不用意に外出するなって言っていたのに………どうしよう
通信の切れたスマホをジィーっといいしばらく見詰めた桜は、ふっと嘆息する。
はぁ~……あまり言いたくは無い内容のですが……こればかりは
爺やに言うしかないでしょねぇ………【狩る者】の情報ですもの
どぉ~して……こういう時に…紅夜は桜の側に居てくれないの?
いや…本当は紅夜達が…この屋敷に居ない理由なんてわかっている
……それでも、桜は寂しいよ……じゃなくて、言わなくては………
和輝から【狩る者】の情報を伝えられた桜は、しばし悩んでから、スマホで本邸に居る爺やを呼び出すコトにした。
「爺や、話したいコトがあるで、こちらに来てくれる」
『はい、お嬢様、では、直ぐにそちらに伺います』
連絡を入れてほんの数分で、爺やはペットハウスに出向いて来た。
そこで爺やは微妙な表情をする。
桜が放つ、一族への変異による歪んだ波動を感じないのだ。
が、そんなコトはひと言も口にせず、室内に何時も通り入り、桜の待つリビングへと向かう。
リビングに入って来た爺やを、チラッと見た〈レイ〉と〈サラ〉は、なんだ爺やさんかという風情で、特に気にもせず、ただただ桜に向かって視線を注いでいる。
そのテーブルに乗る、お茶菓子をどうやって強請ろうかと………。
そんな中、ちょっと流石に【狩る者】の話しを最初からするのは………と思った桜は、和輝に作ってもらった《光珠》の結晶体を、ペンダントヘッドのロケットを開けて、爺やに見せるようにしながら言う。
「爺や、ここに座ってちょうだい…そして、まず、コレを見て……
コレは和輝が私に作ってくれたモノなの」
そう言った桜は、驚くだろう爺やの為に、ソッと和輝が作った茶菓子を差し出し、お茶を入れて、スッと置く。
流石に【狩る者】の話しをするのに、そのぐらいは必要だと思う桜だった。
一方、ペンダントヘッドのロケットに入っている、小さなビーズほどの《光珠》の結晶体を見せられた爺やは、マジマジと見てから、不可思議な表情を浮かべる。
これは~……もしかして…《生気》を結晶させたモノでしょうか?
いやいや、それはありえませんよ…本来、普通の人間になんて……
こういうモノが、作れるはずは無いのですがねぇ………
ただ、こうして実物を見てしまうと………否定できませんね
はぁ~…あの神咲和輝という少年は、本当に得たいが知れない
間違いなく、普通の人間のはずなのに…気配は人間なんですがねぇ?
どうして?……何故、こんなモノが作れるんでしょうかねえ?
とりあえず、私の見解を桜お嬢様に言いますか………
「これは………《生気》の結晶ですね………それも、純度の高い
神咲さんは、こんなモノまで作れるんですか?」
爺やの言葉に、桜も素直に頷く。
10
お気に入りに追加
371
あなたにおすすめの小説
あやかし第三治療院はじめました。
にのまえ
キャラ文芸
狼環(オオカミ タマキ)はあやかしの病魔を絵でみつける、病魔絵師を目指す高校生。
故郷を出て隣県で、相方の見習い、あやかし治療師で、同じ歳の大神シンヤと共に
あやかし第三治療院はじめました!!
少しクセのある、あやかしを治療します。
〈完結〉続々・50女がママチャリで北海道を回ってきた・道南やめてオロロン逆襲のちにスポークが折れてじたばたした話。
江戸川ばた散歩
エッセイ・ノンフィクション
北海道を7月にママチャリで回ること三年目。
今回はそれまでのマルキンのママチャリでなく、ブリヂストン様のアルベルトロイヤルで荷物をしっかりしたバッグに入れて積んでみました。
するとどんなことが起こったか!
旅行中に書いたそのまんまの手記です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
彩鬼万華鏡奇譚 天の足夜のきせきがたり
響 蒼華
キャラ文芸
元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。
紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。
手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙しく過ごす日々、ある時あやめは一つの万華鏡を見つける。
持ち主を失ってから色を無くした、何も映さない万華鏡。
その日から、月の美しい夜に玄鳥は物語をあやめに聞かせるようになる。
彩の名を持つ鬼と人との不思議な恋物語、それが語られる度に万華鏡は色を取り戻していき……。
過去と現在とが触れあい絡めとりながら、全ては一つへと収束していく――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
イラスト:Suico 様
白鬼
藤田 秋
キャラ文芸
ホームレスになった少女、千真(ちさな)が野宿場所に選んだのは、とある寂れた神社。しかし、夜の神社には既に危険な先客が居座っていた。化け物に襲われた千真の前に現れたのは、神職の衣装を身に纏った白き鬼だった――。
普通の人間、普通じゃない人間、半分妖怪、生粋の妖怪、神様はみんなお友達?
田舎町の端っこで繰り広げられる、巫女さんと神主さんの(頭の)ユルいグダグダな魑魅魍魎ライフ、開幕!
草食系どころか最早キャベツ野郎×鈍感なアホの子。
少年は正体を隠し、少女を守る。そして、少女は当然のように正体に気付かない。
二人の主人公が織り成す、王道を走りたかったけど横道に逸れるなんちゃってあやかし奇譚。
コメディとシリアスの温度差にご注意を。
他サイト様でも掲載中です。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎ 〜Romance in Abū Dhabī〜 【Alphapolis Edition】
佐倉 蘭
キャラ文芸
都内の大手不動産会社に勤める、三浦 真珠子(まみこ)27歳。
ある日、突然の辞令によって、アブダビの新都市建設に関わるタワービル建設のプロジェクトメンバーに抜擢される。
それに伴って、海外事業本部・アブダビ新都市建設事業室に異動となり、海外赴任することになるのだが……
——って……アブダビって、どこ⁉︎
※作中にアラビア語が出てきますが、作者はアラビア語に不案内ですので雰囲気だけお楽しみ下さい。また、文字が反転しているかもしれませんのでお含みおき下さい。
おしごとおおごとゴロのこと
皐月 翠珠
キャラ文芸
家族を養うため、そして憧れの存在に会うために田舎から上京してきた一匹のクマのぬいぐるみ。
奉公先は華やかな世界に生きる都会のぬいぐるみの家。
夢や希望をみんなに届ける存在の現実、知る覚悟はありますか?
原案:皐月翠珠 てぃる
作:皐月翠珠
イラスト:てぃる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる