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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦

228★成長に伴う、身体的向上って大事だよね

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 ほんとぉ~に…あの時は不愉快極まりなしだったよなぁ~……
 つっても……確かに、竜姫の言う通りだよな~

 幼少期、親父達に連れていかれた、国境無き医師団の野営地で
 基地に置き去りにされたり、はぐれたりした時に遭遇した………
 あの数々の化け物達にくらべれば、どうってコトないんだよな

 「ああ、1番の問題はなぁ……ごく一般的な動物だったらさぁ…

  手加減を失敗して、間違えて殺しちまってもよぉ、その肉を
  みんなで食べればイイって思えるから、イイんだけどなぁ~…

  相手は、狂信的な変質者って言っても、アレでも人間だろぉ~
  例えじゃないけどなぁ…煮ても焼いても食えないってところが
  たまんなくイヤだったよなぁ~………

  まさしく、労力の無駄って感じでなぁ……

  あんなの倒したって食えるようなモンじゃないし
  戦利品って言って毛皮が使えるわけでもなかったからな

  そういう意味じゃ、すっげぇ~つまんなかったぞ
  ほんと、馬鹿馬鹿しかったぜ」

 和輝の言葉に、竜也も当時の不快感を思い出して言う。

 「そう、僕も子供だったから、手加減できる程の力が無かったから
  全開で殴る蹴るうするしかないだろう

  そうすると、相手を殺す危険があったんで、ひたすら逃げて
  警察官の前まで引っ張って云ったよ………最初は…ね…

  でも、途中で気が付いたんだ
  矢に神経をマヒさせる毒を塗って、弓で射ればイイってね

  勿論、ほんの2時間から3時間程度しか効かないモノだけど
  警察官に連絡して、引き取ってもらうのに充分だったね」

 竜也の言葉に、竜姫もニンマリと嗤って言う。

 「そうそう、アタシも途中からは刀を使って、死なない程度に
  相手の意識を失う程度にしてね

  俗に言う峰打ちってやつで、意識を刈り取ってやったわよ
  その頃には、それぐらい出来るようになっていたからねぇ~

  はぁ~…でも、こんなことなら、真奈ちゃんや優奈ちゃんにも
  ある程度の護身術を教えておけばよかったわねぇ~…

  お父さん達が、国境無き医師団には、参加しない宣言したから
  平気だと思っちゃったのよねぇ~……はぁ~失敗したわぁ~…

  平和で治安の良い日本に、腰を落ち着けて、このままずっと
  日本で暮らすって言っていたから油断したわぁ~………

  ねぇ~…和輝………ほんと、今更の話しだけどさぁ…2人にも
  基礎的な護身術くらいは、教えておけば良かったわね」

 竜姫に話しを振られた和輝は、肩を竦める。

 「まっ…そうだな……本当に、今更な話しだけどな
  ただ真奈も優奈も、俺達に比べたら、身体が弱かったからなぁ

  下手に護身術とかを2人に教えて、元々が弱い身体に、過剰な
  負担をかけると、身体を壊す原因になるしなぁ………
  ってことで、あえて教えなかったんだよな  

  それに、俺達がココに居るんだから、まぁ~大丈夫だろ

  クックククク……俺は、あん時のあいつらを、死なない程度に
  それで居て、ある程度失血するように切ってやったもんなぁ~

  まぁ、その後、あついらが失血死しないように止血すんのは
  面倒だったけどなぁ………

  それで、あいつらに対する脅しには、充分なったからってコトで
  割り切ったもんなぁ~……はぁ~…今更だけど面倒だったぜ
  だから、警察官を呼んで手渡した時に、ほっとしたっけなぁ……
 
  でも今回は、身体も随分とできているから、加減ができるからな
  関節という関節を外してやろうと思っているんだ

  2度と、この朝露街に来たく無いと思うようにな」

 そんな和輝達の恐ろしい会話にも、輝虎は目を丸くするだけだった。








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