上 下
227 / 446
弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦

226★護身具を身に着けよう

しおりを挟む


 「和輝兄ぃ~…護身具ってなんなの?もしかして、アレってマジ?」

 真奈の言葉に、隠しても始まらないと、和輝は過去の出来事を軽く説明する。

 「あのな、真奈、優奈、学校では怖がるだろうからって
  詳しく説明しなかったんだけどな

  いま噂ンなっている狂信者ってやつはな、狂信者だけあって
  銀の弾丸入れた拳銃を、平気で人間に向けてガンガン撃つんだよ

  実際に、俺達は8年前に襲われたから身を持って知っている
  
  だから、これを身に着ける必要があるんだ
  お前達は、俺の妹達だからな………特にな」

 そ和輝の言葉に、優奈が不安そうな口調で言う。

 「お兄ちゃん、何時だったか、お父さんが言っていた話しって
  本当だったの?」

 優奈の言葉に、和輝は忌々しそうに、顔をヒキヒキさせながら答える。

 「ああ、そうだぜ………あいつらはなぁ~本物の狂信者だ
  ひとを〔バンパイア〕なんてモノだと思い込みやがって
  お袋の家は、魔物や邪神を祓う、神職だってぇ~のによ」

 初めて聞く言葉に、優奈が首を傾げる。

 「お兄ちゃん…しんしょくって?」

 優奈や真奈には、和輝の言葉の意味がわからなかった。
 和輝は、自分の言葉の意味が理解できなかったコトを見て取り、柔らかい口調で言う。

 「神職っていうのは、その音の通り神様に関係した
  お仕事のコトを言うんだ

  ようするに、神様に仕える者を、ぜぇ~んぶひっくるめて
  そう呼ぶんだ

  世間的に代表的で聞きなれているって言ったら……そうだな
  神主さんや巫女さんってところかな?

  他にも色々とあるけどな………代表的で親しみあるのは
  そのふたつだろうなぁ~………」

 その言葉に頷きながら、真奈はテーブルに置かれた武器や防具をツンツンする。

 「和輝兄ぃ~……これって、お母さん実家にあったモノなの?」

 真奈の質問に、和輝は首を振る。

 「いや、この刀はそうだけど、護身具は違うんだ
  俺に、古武道を教えてくれたお師匠様にもらったモノなんだ

  ただし、素材はぜぇ~んぜん理解不能な物質だ
  けどな、コレが役に立つ代物なは確かだぞ

  銀の弾丸も、鉛の通常弾も、正確に受けて
  撃った相手に返すという、恐ろしいモノだからな」

 和輝の言葉に、目を丸くした真奈が、変な顔をする。

 「和輝兄ぃ~……それって、かなり変なモノだと思うけどぉ~…」

 真奈のもっともな言葉に、和輝は苦笑するが、とうの昔に考えるコトを放棄しているので、笑って首を振る。

 「この際、そんなコトはどうでもイイんだよ、真奈
  人間に、平気で拳銃を撃つ方が悪いんだから………
  というコトで、全員に身に着けてもらう」

 そう言って、和輝は身体に合いそうな護身具を手渡して行く。

 「全員に行き渡ったな
  いいか、とりあえず、上着を脱いで…身に着けろ………

  まず、ここを………んで………という感じで………
  とりあえず、護身具を装着してみてくれ」 










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

凩の吹かない季節と、君を忘れた歪んだ世界《The biased world without you.》

紺痲 游也
キャラ文芸
――人は心ゆえに「歪む」のか。心の「歪み」ゆえに人なのか。 人が個人たるゆえに持つ、歪み《バイアス》。それは時に、超常現象《アノマリー》として顕れる。 「歪み《バイアス》」を読み解き、解き明かす者ーー「回帰式」明日語 飛鳥(あすがたり あすか)の「代理人」として働く、凩 風凪(こがらし ふうな)。 彼女が目撃した「歪んだ」人々の物語。 僕は、それを傍観し、物語る。 ※一部グロテスクな表現が含む可能性があります。 ※ この物語はフィクションであり、実際の人物や組織・団体、名称が出てくる場合がございますが、実在しているものとは全く関係ございません。

【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜

光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。 それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。 自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。 隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。 それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。 私のことは私で何とかします。 ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。 魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。 もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ? これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。 表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

伏見稲荷で出会った可愛い妖狐の葉子ちゃんと綺麗な楓さん。そして普通なはずの私

うっちー(羽智 遊紀)
キャラ文芸
仕事疲れを癒やす為に京都伏見にやって来たOL美裕(みひろ)の私。美味しくお酒を飲んだり、伏見稲荷大社で千本鳥居などを見て回る予定だった。 まさか妖狐と出会うなんて。そして見た目は幼女で可愛い葉子(ようこ)ちゃんと、綺麗な楓さんなんて。 そんな彼女たちと私、美裕のほのぼのストーリー。 え? 自分でほのぼのストーリーなんて言うなって? いいじゃない! 葉子ちゃんは可愛いのよ! ---- 小説家になろうとカクヨムにも同じ物を投稿しています。

逆転する悪魔のパラベラム ~かつて最強と呼ばれた伝説のソロプレイヤーが、クラスの女子に頼まれてゲーム大会に出場する話~

呂暇郁夫
キャラ文芸
LC学園高等学校。 日本で初めて「ゲーム特化」の一芸入試を採用したこの高校には、全国で選りすぐりのプロゲーマーが集まっている。 が、そんなことは”この世でもっとも模範的な委員長”をめざす亜熊杏介には関係がなかった。 ゲーム? みんなが好きなら好きにすればいいんじゃないか? 杏介は学園一の善良な高校生として、毎日を平和に過ごしている。 教室の壁や空気と同化して過ごすことを理想としており、だれからの注目も望んでいない。 ――だというのに。 「お願い――あたしといっしょに『電甲杯』に出てくれないかな?」 ある日の唐突な言葉が、彼の人生に波乱をもたらすことになる。 ――これは、だれよりも偽物のゲーマーが、いつか本物に至るまでの物語。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

乙女ゲームの世界に転生した!攻略対象興味ないので自分のレベル上げしていたら何故か隠しキャラクターに溺愛されていた

ノアにゃん
恋愛
私、アリスティーネ・スティアート、 侯爵家であるスティアート家の第5子であり第2女です そして転生者、笹壁 愛里寿(ささかべ ありす)です、 はっきり言ってこの乙女ゲーム楽しかった! 乙女ゲームの名は【熱愛!育ててプリンセス!】 約して【熱プリ】 この乙女ゲームは好感度を上げるだけではなく、 最初に自分好みに設定したり、特化魔法を選べたり、 RPGみたいにヒロインのレベルを上げたりできる、 個人的に最高の乙女ゲームだった! ちなみにセーブしても一度死んだらやり直しという悲しい設定も有った、 私は熱プリ世界のモブに転生したのでレベルを上げを堪能しますか! ステータスオープン! あれ?  アイテムボックスオープン! あれれ? メイクボックスオープン! あれれれれ? 私、前世の熱プリのやり込んだステータスや容姿、アイテム、ある‼ テイム以外すべて引き継いでる、 それにレベルMAX超えてもモンスター狩ってた分のステータス上乗せ、 何故か神々に寵愛されし子、王に寵愛されし子、 あ、この世界MAX99じゃないんだ、、、 あ、チートですわ、、、 ※2019/ 7/23 21:00 小説投稿ランキングHOT 8位ありがとうございます‼ ※2019/ 7/24 6:00 小説投稿ランキングHOT 4位ありがとうございます‼ ※2019/ 7/24 12:00 小説投稿ランキングHOT 3位ありがとうございます‼ ※2019/ 7/24 21:00 小説投稿ランキングHOT 2位ありがとうございます‼ お気に入り登録1,000突破ありがとうございます‼ 初めてHOT 10位以内入れた!嬉しい‼

マイ・ラブリー・プリンセス

木村
キャラ文芸
自己肯定感の低いエリート『斎藤アラン』が嵐のマンハッタンで、下半身が触手の謎のクリーチャーと出会い、平和に暮らしていこうとする話。おぞましほのぼの系。 人外 ※ 下半身触手、複眼、ぬちゃ ※ 人化なし ※ 言語的コミュニケーション可能

【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。

仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。 彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。 しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる…… そんなところから始まるお話。 フィクションです。

処理中です...