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弟4章 狂信者集団と対決・前哨戦

224★とりあえず、神咲家へ帰宅

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 ほんの十分弱で戻って来た2人が車に乗り込んだのを確認した和輝は、車を発進した後に、今日の予定を言う。

 「とりあえず、家にいったん帰って、勉強に必要なものと
  着替えをもって、蓬莱家に行くぞ」

 和輝の言葉に、嬉しいと全身で表して、優奈と真奈が叫ぶ。

 「「やったぁ~…」」

 嬉々とする妹達に苦笑しながら、和輝は言葉を続ける。

 「その上で、今回は、竜也も輝虎も、竜姫も乙姫も蓬莱家に
  一緒に行くからなぁ

  ちょっとした旅行代わりってコトでな………クスクス………
  あそこには、犬の為にライトアップができるようになっている

  フリスビー専用の場所があるしな、桜の話しから推測すると
  アジリティー専門の場所もあると思うぜ

  ああ、あとテニスコートとかもあったしなぁ………
  結構、色々な設備があるから、それなりに楽しめると思うぞ」

 和輝の言葉に、優奈と真奈が大はしゃぎする。

 あははは………やっぱり…寂しかったんだろうなぁ~…ゴメンな
 今回は、少しぐらいは、おおめに見てやるかな

 「うっわぁ~楽しみだね、優奈」

 「うん〈レイ〉や〈サラ〉と、フリスビーで遊べるかなぁ~」

 2人の言葉に、和輝は優しい表情で応じる。

 「ああ、遊べるぞ
  今日は散歩じゃなく、フリスビーの予定だから」

 「「うわぁ~…やったぁ~…」」
 
 そんな他愛ない会話の間に、時間帯がわりと早いコトもあって、車は渋滞に引っかかるコトなく、スルリと神咲家の前へと到着したのだった。

 車を停めた和輝は、運転席から後ろを振り返る。

 「………さてと…家に着いたぞ」

 和輝の言葉に、優奈と真奈がすぐに応じる。

 「「すぐに用意するね」」

 そう言って、車から降りる二人に、和輝は声をかける。

 「忘れものしない程度に、急いでくれ」

 「「はぁ~い」」

 車から降り、タタァーっと家の玄関へと行き、カギを外し扉を開けるのももどかしいという様子の2人を見て、和輝は苦笑する。

 やっぱり…あの2頭や桜と遊べるのは、そんなに嬉しいかなぁ……
 でも、流石に、今の桜の状態を考えると、一緒に生活するのは
 きついんだよなぁ~………ああ、不安定だとさぁ………
 そんなコトをちょっとだけぼんやりと考えている間に、竜也と輝虎も車から降りて、駐車場のカギを開け、ゲートを広げてくれた。
 竜也はゲートを広げると、そのまま神咲家の玄関に向かいながら、振り返って和輝に言う。

 「僕は、先に入って、戸締りの確認をしておくよ」

 「ああ…竜也、さんきゅー」
 
 その申し出に和輝がお礼を言うと、竜也は軽く答える。

 「どういたしまして……」

 会話の後、和輝はゆっくりと駐車場に車を入れ、ゲートのカギを輝虎にかけてもらった。
 その間に、竜姫と乙姫も車から降りて、玄関に向かう。

 「アタシ達も先に行くね
  冷蔵庫の中に日持ちしない物が無いか、確認しておくから」

 「それじゃ、私は2人に聞いてみるね」

 「サンキュー……たのむわ」

 2人を見送ってから、和輝は車を降りて、すかさずカギをかけた。

 「輝虎、助かった、ありがとう」

 「ああ、もういいか」

 「おう、んじゃ、入ろうぜ」

 一応というコトで、辺りに不審者が居ないかを確認してから、2人は肩を並べて家に入り、玄関のカギをきっちりと閉めた。
 現在進行形で、不審者…というか、狂信者集団に、変質者の出没という物騒な状態の為、安全安心を徹底しているのだ。   









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