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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
222★小学校でお迎え登録
しおりを挟む輝虎らしい答えに笑いながら、和輝は注意する。
「そっか、でも、気を付けろよ
狂信者って、なにをするかわけわかんねぇ~からな
特に輝虎と乙姫は、あの時期に引っ越して来てねぇ~からな
狂信者集団に、直接体面したコトねぇ~んだから
気を付けるにこしたコトねぇ~ぞ
………っと、小学校に着いたな
竜姫と乙姫は、車に残っていてくれ………
得体の知れねぇ~やつらに、借りた車をいじられるのは
ゴメンだからな………頼むわ」
そう言って、来客用の駐車場に車を停めてから、和輝は運転席からスルリと降りる。
その和輝に続いて、輝虎と竜也も車から降りた。
「うん、わかった」
「オッケー、出来るだけ早く戻ってね」
乙姫と竜姫に軽く手を振り、3人は小学校の来客を受け付ける事務所へと向かった。
事務所に居た受付のお姉さんに声をかけ、身分証明書(学生証)を出して、妹達を迎えに来たコトを告げる。
それが担任へと連絡される間に、2人を迎えに来る者という登録を済ませる。
和輝達3人が、その登録を済ませ、証明書を受け取っている間に、担任に連れられた優奈と真奈が駆け寄って来る。
「和輝兄ぃ~……やっぱり来てくれたんだ」
「先生が、8年前の危ない集団が、また出たって言っていたから
きっと迎えに来るって………」
和輝は、自分に抱きつくようにして、まとわり付く優奈と真奈の頭を撫でてから答える。
「当然だろう、危ないからな
しばらくは、お前達の送り迎えするぞ
あのはた迷惑な、狂信者集団が居なくなるまではな
ついでに、本当の変質者も居る気がするからな
当たって欲しくないカンほど、当たるって言うだろう
俺は、マジもんの変質者も出ているとみたからな
それも1人や2人じゃなさそうだからな
そいつらも片付くまでは、心配だから
俺達か竜姫や乙姫が迎えに来た時以外は、待っていろな
あとで、あいつらも登録させるから………」
和輝の言葉にコクコクしながら、優奈は一生懸命に言う。
「あのね、親が迎えに来れるまで
学校で、待っている子達もいるんだよぉ………
もし、そうなったらって…真奈ちゃんと言ってたの」
「だから、和輝兄ぃ~……
先生のところで、免許証とか見せて署名と捺印してね
事務所で登録したんなら、その登録証明書もね
顔の確認の他に、身内だっていう証拠も必要なんだってさ
流石に、そこまですんのは、ばっかばかしいよね」
どうしてそこまで徹底しているかを教えられていない真奈の言葉に、和輝は苦笑して首を振る。
「う~んにゃ…あいつら相手だと、このぐらいは当然だって……
先生、何時も優奈や真奈がお世話になってます
俺は、勤労学生になったんで………
こっちにいる、友人達に送り迎えを頼むコトも多いので
紹介しますね
登録は、済ませました…証明書はコレです」
和輝は、双子の妹達を連れてきた先生が、過去に自分の担任だった宇崎だったコトにホッとして、安堵の表情で言う。
そんな和輝に、宇崎は豪快に笑う。
宇崎は、現在の担任である落合と、どこか相通じる雰囲気を持つ先生だった。
「はい、イイですよ…神咲君は、しっかりしているわねぇ~……
石川(竜也)君も、久しぶりねぇ~……
こっちの子は…そう 佐藤輝虎君ていうの………
彼も、お迎えに来る人なのね……で、有田(竜姫)さんは?」
相変わらず、どこかのほほんとした雰囲気で言う宇崎に、和輝は肩を竦める。
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