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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
221★さて、迎撃用の武器はどうする?
しおりを挟む教室のドアを開いて、開口一番に落合いが叱責するように言う。
「こぉ~らガキども、アタシは、おとなしく
自習していろって言ったはずだがねぇ~………」
そんな落合に、和輝がすまなそうに答える。
「落合さん、つい話し込んじまったんだ、ごめん」
殊勝にそう言う和輝に、落合は不憫なという視線で首を振る。
「んにゃ……お前達は流石にしょうがないだろうな………
神咲達は、追い回されて、怪我した人間だからな
8年前に襲われた神咲(和輝)、石川(竜也)、有田(竜姫)
お前達は、また襲われる可能性が高いから
特に気を付けるように………
ってコトで、次の授業までに、このプリントを提出するコト
提出しないと、成績や単位に影響が出ると思え、わかったな
教科書を見てもイイし、辞典で調べるのも有りだ
その代わり、きちんと自分の言葉で書けよ
何を見てもイイから、誰かに丸写しさせてもらうってコトは
しないようにな………
………ってコトで、今日の授業は終わりだ。
それから、職員会議の結果、様子みってコトで………
とりあえず、日曜日の夜に、緊急時用に作られた連絡網で
月曜日が休学になるかどうか、連絡するから、家に居ろな」
その言葉に、和輝は苦笑して呟く。
「落合さんってば、大雑把だこと」
竜姫はクスッと笑って、配られたプリントをヒラヒラさせて言う。
「でも、落合さんだから………
それより、このプリント、今日中にしようね、和輝」
竜姫の言葉に、貰ったプリントをカバンにしまい込みながら頷く。
「んだな………これからしばらく、どんなコトが待っているか
わかんねぇ~もんなぁ~………」
「うん、そうだな」
そんな会話の後、残りの授業とホームルームを終えて、きちんと何時も通り、教室の掃除もして、和輝達は真奈と優奈を迎えに、駐車場に置いておいた車に乗り込むのだった。
和輝は、水鳥や啓太の答えによっては、ひと騒ぎ起きるだろうコト
を予測して、昼に屋敷に戻った際に、もしもを考えて、8人乗りのワンボックスにしていたのだ。
そのお陰で、余裕をもってガタイのイイ輝虎や、竜也、竜姫、乙姫と、運転席に座る和輝の5人で、小学校に向かうコトが出来たのだった。
車を運転する和輝を気にしながら、竜姫は聞いてみる。
「和輝、あの馬鹿集団、見付けたら、先制攻撃してもイイかな?」
珍しくそういうコトを気にする竜姫に、和輝はニヤッと笑って頷く。
「当然じゃん…ところで、竜姫達は何か武器を持っているか?」
その問いに、なんであれ武器を必要とする竜也が答える。
「今は持ってないよ
でも、和輝の家には、僕の弓一式を置いてあるからね
竜也の言葉に、和輝は軽く運転しながら答える。
「そっか………んじゃ、桜ンところ行く時には、持って行こうぜ」
そう言ってから、和輝は竜姫に確認する。
「んで、竜姫は?何か武器を使うか?」
和輝の言葉に、竜姫はチラッと乙姫を見てから答える。
「アタシと乙姫は、三倍剣って言葉を信じるわ
だから、アタシ達は、日本刀を使うつもりよ
まっ…空手が基本だけどね」
「そっか………んじゃ、輝虎は?」
和輝の質問に、輝虎はあっさりと握りコブシを見せて言う。
「ああ、コブシだけでイイ」
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