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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

215★狙われる理由は………

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 話しをふられた輝虎は、首を傾げてから、自分の瞳の色が感情によって簡単に変化するので、不可思議そうな表情で頷く。

 「ああ………そういえば、俺も変わる………緑色だ
  瞳が変化するなんて、ありふれているよな

 なぁ~んだ、お前らもかよ
 8年前に、朝露街に居なくて良かったな

 乙姫と輝虎の言葉に、そんな感想を和輝が持っているわきで、何時でも、ごく標準的な位置にいる啓太が、ずるいと騒ぐ。

 「えぇぇぇ~………俺も、変わりたいよぉ~………
  なんか、俺だけ、仲間はずれはイヤだぁぁ~………

  なぁ~水鳥ぃ~………お前も、仲間はずれはイヤだろう
  なんとかいえよぉ~………」

 啓太に制服を握られて、そう訴えられた水鳥は、珍しくすまなそうに答える。

 「ごめんねぇ~…啓太……ボクの名前はねぇ…………
  ボクの瞳の色からとったんだよぉ………

  ボクが、無事産院で生まれた時ね
  自分のコトだけでいっぱいいっぱいだった母さんは
  名前のコトなんてなぁ~んにも、考えていなかったんだ

  そこへ、お見舞いに来たお祖母さんがね
  綺麗な翠色の瞳ねって言ったから~………

  翠色からとって、水鳥って命名したんだって言ってた
  はぁ~………あのまま、お祖母さんのもとに居たかったなぁ~

  そしたら、ボクも、もっと真っ当に育ったかも………
  寂しいのは、嫌いだ」

 最後の方は呟くように言って、深く溜め息を付いた水鳥に、和輝は頭をボリボリする。

 なんか、水鳥ンところも随分と複雑みてぇーだな
 あえて、聞かないけれどな

 人には聞かれたくない過去やなんかがあるんだから
 それよりも、今はあいつらだ

 「話しがだいぶ、本来からそれちまったけれど
  千尋が見た集団ってのが、危ないやつらなのは確かだ

  マジで、命の危険があるんだ、気を付けろよ
  あいつらが使う武器は、ぜぇ~んぶ本物なんだから………」

 改めて、クラスメイトに注意を促す和輝に、乙姫は小首を傾げて聞く。

 「和輝君、瞳の色だけで〔バナパイア〕って
  言われたわけじゃないでしょう?
  他にも、何か要因があるの?」

 乙姫の質問に、和輝はコクッと頷く。

 「ぅん………ああ………俺達は、怪我して出血した時に
  あんまり血液が流れ出ると貧血とかになるからって
  筋肉の動きで血止めが出来るんだ

  あとは、自分の《気》を活性化させて
  早く治したりも出来る

  ただ、あくまでも、応急処置的な行為だから
  通常に回復させるよりも

  急速に治癒させた場所の皮膚や筋肉などは
  かなり弱いけどな

  それでも、とりあえずの血止めがされていれば
  動き回るのに支障はないだろう
 
  それを、あの狂信者集団に見られたってわけさ

  あいつらには、出来ないコトを俺達は出来るし
  瞳の色も、日本人なのに変わるから、おかしいってな」










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