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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事
213★8年前の迷惑な狂信者集が来たかも………
しおりを挟む和輝の言葉に、竜也は納得という表情で頷く。
「ああ、だから、啓太と水鳥に、わざわざ噂話しを聞いて
それを確かめたかったってわけかぁ………
で、その様子だと、確信したんだね、和輝」
竜也の言葉に、厭な予感ほど当たるという表情で、和輝は肯定する。
これで、それらしい怪しい人物………つーか怪しい集団を
あの屋敷周辺で見たヤツがひとりでもいれば、確定だな
「そういうコト………それと、真奈と優奈が通う
小学校周辺での変質者の話しを足すと………
おのずと、答えは出るだろう
確かに、本当の変質者が出没している可能性は高いけど
8年前の、あの集団が、懲りずに、また来て
うろついている確率のほうがよっぽど高いだろう
はぁ~……出来れば、考えたくねぇ~………
つぅーかよぉ……出来れば、あんなやつらとは
2度とかかわりあいになりたくねぇ~………
つぅーのが、俺の本心だけどな
まず間違いなく、あの狂信者集団達が、性懲りもなく
また、この朝露街に来ているな
それも、俺のバイト先の住人を狙ってな
あの無責任な噂話しのセイでよぉ~………
はぁ~……マジで、迷惑集団だぜ…頭が痛いわ」
しみじみと厭そうに言う和輝に、竜也も当時の鬱陶しさを思い出して首を振る。
「はぁ~……本当に、困ったものだね
日本には死刑制度があるから、死刑制度の無いEU諸国とは
犯罪人の引渡し条約を結べないんだよねぇ~………
だから、ああいう、とんでもないやからでも
国外脱出されたら、それで終わりなんだよねぇ~………
外交で何とかなった中国は所詮、同じ亜細亜だからで……
ヨーロッパとは、別の倫理観(キリスト教)があるからねぇ~
国外脱出されたら…なぁ~んの処分も出来ない
俗に言う、逃げ得されちゃうんだよねぇ~………
あんな得体の知れない宗教団体を擁護している国が知れないよ
あれだって、平和な日本では、立派なテロリスト集団だからね」
ぼやくように言う竜也に、当時の悔しさを思い出して、竜姫がうなる。
「ホントに、思い出すのも忌々しいわね
あの8年前に、いたいけな子供だったアタシ達を
勝手に〔バンパイア〕だって言って
追い回したあげくに、銀の弾丸をガンガン撃ってくるんだもの
当たったりしたら、普通に、大怪我するってーの………
つったく、当たったらヤバイからよければよけたで
アタシ達を、魔物扱いして、聖別した銀の矢を射ってくるし
しまいには、両刃の剣で切りかかってくるわっていう
あのとんでもなく馬鹿で、はた迷惑な集団が
また、この朝露街に来ているってコトよね
すごくムカつくわ
アタシは、ああいう思い込みの激しい狂信者が、大嫌いなのよ
ったく、自分だけが正しいと思い込んで………
あんなモンを、平気で野放しにするなんて
例え世間が許しても、アタシは絶対に許さないわよ」
握りコブシで激しくいきどおる竜姫の肩をポンポンと叩き、和輝は更なる情報収集の為に、啓太と水鳥を振り返る。
はぁ~あ……怒りで暴走する竜姫を押さえるのが大変そうだな
そりゃ~…俺だって、悔しいし鬱陶しいと思うけどよぉ~………
こういう時は、一時の感情に振り回されずに
出来るだけ情報を集めて、最善の対策を立てるのが
1番の安全の道だもんな
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