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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

212★情報収集には、ブラフも必要

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 和輝の言葉に、何事も深く考えない傾向にある啓太が、安易にその言葉に同意し、言わなくていいコトまでへろりという。

 「そっかぁ~和輝ってば明るい髪色だもんなぁ~………
  瞳の色が黒色って方がおかしいよね

  実際には、ぱっとみには黒く見えるけど
  青味がかったダークブラウンだし………

  でも、本来なら………北欧バイキングに多い
  赤い髪に青い目のほうが、ふさわしい気がする」

口の軽い啓太にそう言われた和輝は、ちょっと恫喝を込めて答える。

 「おめー…何を言いたいんだぁ?
  ……俺に、含みあるのかぁ~………なぁ啓太」

 和輝の恫喝に、啓太は耳をペッタリと寝かせた子犬のようにうなだれる。

 「あうぅぅぅぅぅ………」

 そんな啓太に見切りをつけた水鳥が、そういう風に話しをふった和輝を見る。

 「で、和輝は何か言いたいの?
  単に、啓太をいじめたかったわけじゃないだろう?」

 水鳥の言葉に、和輝は素直に頷く。

 「ああ、だから、それはこっちにおいておいて
  ここからが、本題な」

 その言葉に含まれた厭なモノを嗅ぎ取り、水鳥が鼻に皺を寄せて言う。

 「和輝、ボク、その紅い瞳の〔バンパイア〕って話しで
  ものすごぉ~く…いやぁ~んな過去をひとつ
  思い出したんだけど……それも、この平和な 朝露街でね」

 水鳥に追随するように、竜也が苦虫を噛み潰したかのような表情で言う。

 「僕も、今、それを思い出してね………
  和輝、もしかして、君の話ってさ
  あのはた迷惑な集団に関係ある話しなのかい?」

 竜也の言葉に、和輝はお前も感じたか?という表情で頷き、肩をヒョイッと竦める。

 「そっ…俺も……紅い瞳の〔バンパイア〕が住む
  幽霊屋敷って噂話しで、それを思い出したんでな………

  だから、啓太や水鳥に、俺のバイト先にたった
  噂の確認をしたんだよ

  あと、その噂(幽霊屋敷&紅い瞳の〔バンパイア〕)に
  関係するモンで、不審な情報が無いかと思ってな………

  ちょっと思うところあってよぉ~……たぶん、あるはずだ
  なきゃ~無いで、嬉しいんだけどな」

 途端に、傍観者を決め込んで、和輝達の会話を黙って、口を挟まずに聞いていた竜姫が、叫ぶように言う。

 「不審な情報………それって、もしかして、8年前の
  あの狂信者の集団のことぉ~?」

 心底厭そうに言う竜姫に、和輝はふかぁ~く溜め息を吐き出して頷く。

 やっぱり………竜姫でも、こういう情報が揃うと
 そういう風に感じ取るか………

 「ああ、たぶん、そうじゃねぇ~かと、俺は思うんだ

  今朝、ボルゾイ達を連れて散歩していたらよぉ………
  なんかこう、いやぁ~んな視線を感じたんだよなぁ~…

  なんつーか、値踏みするようなつぅーか………
  あの家を、ここ最近出入りしている俺を
  観察しているのが判るような………

  こう…ものすごぉ~く…不愉快になるような
  厭な視な………」  







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