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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

211★超大型犬の散歩は意外と大変なんだよ

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 「単なる夜の散歩………超大型犬を飼っているから
  普通の犬を散歩させている人に迷惑だろうって考えて
  夜中に散歩する人って多いんだ

  まして、そういう怪しい噂があるから………
  ウチの学校の馬鹿な生徒とかが、肝試しとか言って
  屋敷の周りをうろつくだろ

  警戒心が高い犬だからな
  そういう気配を敏感に感じ取るから
  カンに触るんで、威嚇も込めて吠えるんだわ

  物凄い遠吠えとかは、そのセイなんだ
  まして、ガタイが大きいから、散歩にも気を遣うだろう

  そうするとなぁ………
  何を勘違いしたのか理解らない馬鹿なやつらが
  自分の犬とかを面白半分にけしかけてきたりするんだわ

  もともとが、北欧のガタイのイイ狼を狩るような
  我がとても強い猟犬だからなぁ………

  1度ケンカなんかおっぱじめちまったら
  早々はおさまらないから

  それで、周辺への気遣いをしなきゃならなくて
  人と出会わないような、夜中を中心に
  犬の散歩をするようになったのさ

  俺が面倒を見ている2頭は、ひかくてき
  おとなしくて明るい性格をしているな

  ただ、やっぱりそういう明るい性格のあいつらにも
  好き嫌いってモンがあってな

  あの家の使用人が
  ペットハウスに食料を運んで来た時に
  威嚇していたのを見るとなぁ………

  気に入らない者に、自分達のテリトリーに入られるのは
  極端に嫌うようだな

  そういう性格の犬だから
  屋敷周辺をうろつく不審者が現れると
  過敏症になるんだと思うんだ

  そういう意味で、昼間の散歩で気を遣うんなら
  深夜に散歩した方がなんぼか神経的に楽だろう?

  だから、俺がペットシッターのバイトに入るまで
  基本的には、夜中の散歩をしていたらしい」

 和輝の説明に、意外と良識的なところを気にする水鳥が頷く。

 「うん、そうだよね
  確かに、そういう大きな犬を飼っているんだったら
  人気の無い時間帯の散歩の方が楽だね」

 そんな会話ほ竜姫や乙姫、輝虎や竜也も黙って聞いていた。

 「まっ……俺はそのへん、あんまり気にしねぇ~し…
  あいつらを、力づくで押さえ込めるから
  早朝と夕刻の散歩しているけどな

  犬をけしかけたり、煽る馬鹿がいたって
  俺は、あいつらを押さえ込めるし

  それを、あいつらもきちんと本能も込みで
  理解しているから、逆らわないしな

  飼い主にけしかけられて、こっちに向かってきた
  犬を蹴り飛ばすコトだって、俺は出来るしな」

 その和輝の言葉に納得した啓太は、もうひとつの〔バンパイア〕の噂の根拠になっている紅い瞳の話しを振る。

 「じゃぁ~……紅い瞳の〔バンパイア〕ってのは?」

 啓太にそう聞かれた和輝は苦笑いする。

 確かに、体調異変を起こした桜の瞳は、真紅になるけどなぁ~
 俺だって、瞳の色なんて簡単に変わるし
 あんまり珍しくないと思うんだよなぁ~………

 「単なる思い込みってやつだと思うぞ

  ちなみに、俺もさぁ~………怒ったり興奮すると
  瞳の色が青く変わるからな

  まっ…俺のは、完全な祖先帰りだけどな」












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