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第3章 蓬莱家で住み込みのお仕事

199★朝食をいただきます

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 桜は、和輝の言葉にお腹を押さえて頷く。

 「うん、食べたいわ
  桜は、お腹がグーグーだもの
  とっても、お腹が空いてるわ」

 「そっか、んじゃぁー直ぐに
  食べられるように並べてやるよ」

 そう言って、和輝は用意した朝食をテーブルの上に並べ始める。
 並ぶ湯気を上げる料理の群れに、空腹感を刺激された桜は、和菓子のお皿をテーブルの端へと置き、置かれていく朝食の準備が済むのをわくわくしながら、嬉しそうな表情で待つのだった。
 あっという間に朝食を並べた和輝は、桜の対面に座る。

 「んじゃ、いただきます」

 「うん、いただきます」

 今日の糧(かて)に感謝する挨拶をしてから、2人は食べ始める。
 もちろん、好評なチーズたっぷりのふわふわ卵焼きも、そこには存在していた。
 ピーマンにタマネギと細切りの豚肉を甘辛く炒めたモノに、ネギと油揚げのお味噌汁。

 疲労回復の効果のある、鶏肉の胸肉をソテーしたモノ。
 ブロッコリーやニンジンにコーンを混ぜて、彩りよくボイルしたモノにはゴマのドレッシングが掛かっていた。
 そして、ビタミンと言うコトで、カットフルーツがヨーグルト掛けで添えられていた。

 まだまだ、桜の身体に掛かった多大な負担は消えていないので、和輝は身体に良いモノをと考えて作ったのだ。

 ふむ、夕食はきのこ類をメインにしても良いかな?
 しいたけとかは、嫌いだろうか?
 匂いが苦手という人もいるからなぁ‥‥‥

 でも、料理の付け合せ的に出した時は
 別に嫌がってなかったよな
 さて、どうしようか?

 そんなコト考えながら、和輝は桜との朝食を黙々と食べた。
 2人分にしては、結構な量を用意したが‥‥‥。
 発言通り、かなりお腹がかなりすいていたらしく、桜は和輝の用意した朝食を、ひとかけらも残すコトなくペロリと食べてしまった。

 その様子をジィーと見ていた〈レイ〉と〈サラ〉は、ちょっと残念そうにしていたのは言うまでも無い。
 もし和輝や桜の朝食が僅かでも残りそうだったら、強請ろうと虎視眈々としていただけに、ガックリしていたりする。
 そんな様子の〈レイ〉と〈サラ〉に、桜はクスっと笑って言う。

 「クスクス‥‥‥残念だったわね
  〈レイ〉〈サラ〉

  和輝のご飯は美味しいから
  桜は、これからも残さないわよ

  それに、人間用の味付けは
  お前達はには濃い味になるから
  ダメなのよ、残念ね」

 なんて、ボルゾイに勝ち誇ったように言う、残念美少女な桜だったりする。

 そんな様子に、和輝はちょっとクスッと笑って、桜に朝食後のお茶を入れて、ソッと差し出す。
 そのついでに、朝食前にテーブルの端へと避けた和菓子を引き寄せてそえる。

 目の前に来た和菓子を、桜は添えた竹細工の爪楊枝の先でツンツンし始める。
 そんな様子の桜を確認してから、和輝は残念そうに自分達の空になった〈サラ〉を見ながらも、大人しくしていた〈レイ〉と〈サラ〉に、ボルゾイ用に作ったクッキーをご褒美として、3枚づつおいてやる。

 
 「食べ終わっても、ケンカもせずに
  良い子にしていたからな

  ほら、ご褒美にクッキーを
  3枚づつあげよう

  ヨシヨシ食べて良いぞ
  〈レイ〉〈サラ〉」

 そう言って、和輝は軽く2頭の頭を撫でて、食べる許可を出す。
 それはそれは幸せそうに、自分達の皿に置かれた3枚のクッキーを見て、ニヘラッとしてから、大事そうにショリショリと食べ始める。

 和輝から渡されるおやつの大きさはトントンなので、何時もご飯が〈レイ〉より少ないと不満に思っている〈サラ〉は、嬉しそうにクッキーを味わう。

 和輝は預かり知らないコトだが、飼い主である白夜や桜から、実はおやつも〈レイ〉と差をつけられて〈サラ〉は不満だったのだ。
 だから〈サラ〉は、同量もらえる嬉しさに喜んでいたりする。

 ちなにみ、自分の分が減らされたわけではないので、そのコトに関して〈レイ〉は一切不満を持っていなかったりする。
 だって、和輝は良い子をしておねだりすれは、何回かに1回はおやつを追加してくれるから‥‥‥。










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