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0017★枷と鎖3

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 「少年を嬲り尽くして、犯り殺したいっていうようなのも来ていたからねぇー‥‥聖樹君を、落札するのは本当に大変だったんだよ‥‥‥」

 自分を見下ろす明宏を、聖樹は見上げる。

 嬲り尽くすって? やりころすって?
 って、嬲り尽くすなんて、おぞましい言葉だけど、意味はわかる
 やりは、犯すって意味になるのか?
 ころすって、もしかして、マジもんの殺人ってことか?

 その意味を理解し、ゾッとした聖樹は、ブルッと躯を震わせた。
 同時に、ザワッと素肌が粟立ち、鳥肌が立ったのが自分でもわかった。

 聖樹の様子を確認し、明宏は甘い口調でいう。

 「怯えなくて良い。だから、私が競り落としたんだから‥‥‥‥」

 優しさすら感じる明宏の声音と、頬を撫でる手の感触に、聖樹は無意識に首をすくめる。

 「まぁ‥‥‥もし、あの場に私が居なくて、あのまま、彼らに落札されていたら、1ヶ月もしないうちに、聖樹君はこの世に存在していないだろうけどね」

 見た目、ハンサムだし、どうやらお金持ちらしいよなぁ‥‥‥‥
 なのに、なんで‥‥女の人じゃなくて‥‥俺なんだ?
 いくらだって、寄って来る女の人いるだろうに‥‥‥‥

 素朴な疑問に内心で首を傾げる聖樹に、明宏は顔を寄せ、その耳孔に囁くように言う。

 「聖樹君は、私に買われたんだから、私を楽しませる義務があるんだよ」

 明宏の囁きに、聖樹は自分のおかれている立場というモノを、まざまざと実感して脂汗を浮かべた。

 だぁぁぁぁぁ‥‥‥‥もしかしてぇ‥‥‥
 これって、噂の危ないアルバイトってやつかぁ‥‥‥‥
 うわぁぁぁぁぁ‥‥どうしよう‥‥‥‥

 明宏は、今自分の置かれている立場が理解るかい?と言うように、聖樹の引き攣る頬を優しげに撫であげる。
 そして、不安に揺れる聖樹の双眸を見下ろしながら、改めて決定的な言葉を囁く。

 「聖樹君のすべては私のモノだよ。生殺与奪の権利は私にある」
 自分の今の立場を正確に理解し、恐怖と嫌悪に引き攣り、蒼白になった聖樹の頬を慰撫しながら、更に言葉を続ける。

 「クスクス‥‥‥‥もちろん、私はケチじゃないからね。高額で買った聖樹君にだって、夏休みの間に稼ぐはずだった分のアルバイト代くらいは出してあげるよ」

 住み込みで、アルバイトする予定だったんでしょというニュアンスで囁く。

 「夏休みいっぱい、私を楽しませてくれれば、相応の代価を払ってあげよう。勿論オプション有りで、高額を溜めたい放題だよ」

 怯えと嫌悪を浮かべ、明宏に言われたことを拒絶するように、無意識にプルプルと首を振る。
 そして、戦慄く唇から幼い拒絶の言葉をこぼれ落とす。

 「‥いやぁ‥だ‥‥ぃやぁぁ‥だぁぁ‥‥うっ‥‥ぁ‥‥‥」

 恐怖による涙を浮かべる聖樹に、明宏は甘い口調で更に囁く。

 「ほんの少し、私のすることを我慢すればイイだけだよ。簡単なことだろう。ただ目を瞑って、私のすることを素直に受け入れて、言いなりになっていれば良いだけなんだから‥‥‥‥」

 明宏は、聖樹の怯えた反応を楽しみながら、その怯えや嫌悪を増長するように、頬から首筋へと指先で撫でながら、更に重ねて囁く。

 「至極簡単なアルバイトだと思わないかい。聖樹君みたいに、夏休みの間に高額を稼ぎたい者には、とても美味しいアルバイトだと思うよ」

 「‥‥っ‥ひぃっ‥‥やだっ‥‥‥」

 首筋から全裸の肌の感触を楽しむように、指先から手のひら全体で、聖樹の瑞々しい素肌を楽しむ。

 「ふふふふ‥‥‥良い手触りだねぇ‥‥‥クスクス‥‥‥抵抗しなければ、優しく慣らしてあげるよ。ゆっくりと、一つ一つ丁寧に快楽を教えてあげよう」

 嫌悪感に負けて、聖樹は拘束されていることも忘れて、無意識にもがく。
 その哀れなほどの怯えが、明宏の中の嗜虐心を揺さぶる。

 「クックククク‥‥‥‥初めての子には、それなりの手順が必要だからねぇ‥‥‥‥私は、そういう手順を踏むのが好きだから‥‥それだけで楽しめる」

 聖樹は、唐突に認識した、あまりのことに、何も言えずに双眸に涙を溜めて躯をこわばらせる。
 明宏は、頬から首筋、胸へと手のひらを何度も滑らせながら、腕の中でぎこちなくもがく聖樹の怯えを楽しむ。

 聖樹は、明宏の淫猥さを持った指先や手のひらの感触に、唇を戦慄かせながら拒絶の言葉をこぼれ落とす。
 そういう反応こそが、明宏を喜ばせるとも知らずに‥‥‥‥。
  
 「‥‥クッ‥っぅぅぅ‥‥っ‥‥クぅ‥ン‥ヒッ‥‥やめっ‥いやだっっ‥俺の‥躯に‥さ‥わん‥じゃねぇ~‥‥グッ‥んなとこ‥っうぅ‥‥いじるなっっ」

 ‥‥ゲッ‥‥‥き‥気色悪ぅぅ‥‥やめろぉ~‥‥‥‥
 ぅくぅぅぅぅ‥‥俺の躯を撫でまわすなぁ~‥‥‥‥

 性感帯を探るために、躯の上を這う明宏の手のひらの感触に、唇を噛み締めながら嫌悪を滲ませていた聖樹が、短く叫び、にわかに抵抗しだす。

 やっと、今現在自分の身に起きている事態に、思考が追いついたらしい。
 全裸でべットに鎖で繋がれ、見知らぬ男から躯に愛撫を受けているという現状から逃げ出そうと、ジタジタとつたない抵抗を始めた聖樹に、明宏はニヤリと嘲笑う。

 もがく聖樹の躯の上に体重を掛けて覆い被さり、その耳朶を甘咬みしながら、明宏は毒をたっぷりと含んだ甘い声で囁く。

 「聖樹君に、私を拒否する権利は一切ないんだよ。君のすべては、私に、お金で買われたんだから‥‥‥‥」

 何も隠す術が無い無防備な素肌に感じる感触と重みが、聖樹を恐慌状態へとジワジワと追い込んでいく。

 「‥ひっ‥‥ぃやぁぁだぁぁ‥‥‥‥」

 ぁ‥ぐぅぅぅ‥‥まずいっ‥‥ひぃっ‥‥正気‥保てなくなりそうだ‥‥ぁうっ‥

 そんな中にあっても、聖樹は、父・聖から言われたことをふっと思い出す。

 ‥‥‥聖樹‥‥何があっても‥‥取り乱してはいけない‥‥‥‥
 そして‥無闇に、助けを呼んではいけない‥‥‥
 ‥‥‥失敗すれば‥‥‥‥私のようになるから‥‥‥‥
 狙われやすいんだから、警戒を忘れてはいけない‥‥

 聖樹は、必死に正気を保とうとするが、慣れない感触やおぞましさを感じる環境に、侵食される意識に危機感を覚える。

 そんな聖樹の中の葛藤を知らない明宏は、甘さを帯びた声音で、その耳孔に囁く。

 「それとも、私が聖樹君を競り落とした、君自身の代価を君が返金するかい?」

 そのセリフに、躯をまさぐる感触から意識をなんとかそらそうと思っていた聖樹は、ハッとした表情で明宏を見る。


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