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080★収拾が付かないんですけど、どうしましょう?
しおりを挟むここで怒りに任せて言い返せば、私の立場では相手のご令嬢達を処罰する必要もあるしね(呪われそうで怖い)。
そんなコトをしなくてすむように、アスタール伯爵領から取り巻き令嬢達を連れて来たんだし………。
ここは、彼女達に任せるしか無いわ。
しっかし、自分の評判や評価、それに立場が悪くなるだけじゃなく、両親や親族や一族郎党に、寄り子貴族達の評価や立場が悪くなるって判らないご令嬢達って、本当に残念な存在としか言いようが無いわね。
もっとも、みんなでやれば怖くないって心境なのかしら?
それにしても、母親とか後見する女性達が付いて来ているはずなのに、誰も止めないってどういうコトなの?
それとも、真っ当な教育をご令嬢達にしていないし、出来ない貴族しかいないの?
このままいったら、かなりのご令嬢達とその一族に、私の婚約者である皇子様達の処分が待っているんだけど。
私が、この場を治めて止めるしかないのかなぁ?
これって詰んでる状態なの?
それとも、フラグなの?
「マリエ様が膨大な《魔力量》を持つ【エトランジェ】で
何人も夫や愛人を持つコトを奨励されている立場ですのに
殿方との出会いがある夜会には
一切参加していなコトも存じておりますわ」
副音声
『不細工だから、約定以外では婚約できないって
自覚していらっしゃますのね
だから、出会いの場には一切お出かけなさらないんですのよね
それを貞淑な姫君なんて、馬鹿馬鹿しい限りでわね
不細工だと【エトランジェ】としての能力があっても
他の貴族令息達に求められないって、哀れですわね』
ったく、こっちが貴女達や、その一族郎党や寄り子貴族達の将来の為に悩んでいるのに、まだ私をあげつらっているのね(むかつく)。
濃紺の髪のミラン侯爵家令嬢のビクトリア様も、その残念な思考では、溜め息しか出ないわ。
たぶん、それが、望むような高位の殿方達に選んでもらえない理由かしら?
私のお義母様は、皇太子殿下の同母の妹姫で、お義祖母様はヴァレンシュタイン公爵の妹姫だって理解した上での発言なのかしら?
私をあげつらうってコトは、そんな私と婚約した皇子様達やヴァレンシュタイン公爵家の御曹司やアスタール伯爵家の御曹司を馬鹿にしているのと同じなんだけどなぁ~………。
不細工と約定に従って婚約した、不甲斐ない甲斐性なしの男達って言ってるのも一緒だって………。
あれ?この気配は、お義母様(元ヴレンシュタイン公爵令嬢)とお義祖母様(臣籍降嫁した皇帝の皇女)だわ。
それに、ヴレンシュタイン公爵夫人であるお義母様(臣籍降嫁した先代皇帝の皇女)も………。
ひぃぃぃ~3人揃って、こっちに向かって来ている、マジで怖いわ。
御貴族様のご令嬢なのに、どうしてこの怖い気配がわからないのよぉぉ~(号泣)。
なのにまだ墓穴を掘るんですか?
お貴族様のご令嬢なのに、馬鹿なの?命知らずの蛮勇しかないの?
「マリエ様の主催するお茶会には、殿方の参加は無しに
していらっしゃるコトも、存じておりますわ」
副音声
『殿方を招待していませんから、出会いなんてございませんの
ですから新たな婚約者はいませんわって、取り繕っていますのよね
不細工の自覚があるから、殿方に言い寄られないって
ご自分で判っていますわよね』
侯爵家のご令嬢って、マジで馬鹿しかいないのかしらね。
ピンク髪のポルカ侯爵家ご令嬢のベアトリーチェ様も、ダメだわ。
本当に、残念すぎますね。
ついでに、ひとごとながら、もっとマシな取り巻きを付けなさいって感じね。
これを見ていると、私に付けられた取り巻き立ちが、本当に優秀だって判るわぁ~………しみじみ実感します。
「「「「「………」」」」」
一斉に視線ひとつで無言の圧力をかける、私の取り巻き達はなんか怖いわ。
そう何て思って見ていたら、流石のご令嬢達もびびったようね。
「ワ…ワタクシは、マリエ様は皇位継承権を持つ
皇子様達や高位貴族の御曹司達の婚約者として
相応しい姫君だと思っておりますわ」
あらあら濃紺の髪のミラン侯爵家令嬢のビクトリア様が、びびって副音声なしで発言しているわ。
それにつられて、他の令嬢達も本音と建前をギリギリ一致させているわね。
かなり厭そうだけど。
「「「「「私達もマリエ様は、未来の皇太子妃に相応しい姫君だと
思っておりますのよ」」」」」
その精一杯の発言をばっさりと切り捨てるのは、私の取り巻き達。
「だったら、あの見境の無い【エトランジェ】のコトを
クチにするは如何なものでしょうか?」
「でも、あの【エトランジェ】達の黒髪と黒瞳は
マリエ様と一緒ですのよ」
ピンク髪のポルカ侯爵家ご令嬢のベアトリーチェ様も、ああ言えばこう言うの典型な発言をしますねぇ。
本当に懲りないご令嬢達ですね。
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