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047★皇太子妃教育とか無いようです、ラッキー

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 「私達だって、好きで皇子に生まれたわけではない

  まして、弟達と違って私達は臣下に降りるコトは
  許されない立場だからな

  マリエは、アスタール伯爵領で過すコトを許可する

  その代わり、私達が転移する為の門を作って
  マリエのもとに毎晩通おう

  アスタール伯爵、許可を………」

 うっわぁ~いなんかすっごいお言葉を頂きましたよ。
 私は、皇子妃にもなるんですね。

 お妃教育をガッツリと受ける必要がありますよね。
 はぁ~面倒臭い泣きたいわ。

 でも、皇宮とか離宮とか後宮に住むのはパス出来るんですね。
 住み慣れたアスタール伯爵邸にいられるなら、なんとか我慢出来そうだって思いました。

 気心の知れた侍女さん達や侍従さん達、騎士様達や魔法使い様達、その他の使用人さん達と今までのように過すなら大丈夫です。
 皇子妃になる為の勉強を教えてくれる家庭教師達が、アスタール伯爵邸に着て滞在して教えてくれるなら何とかなりそうです。

 なんかほっとしましたよ。
 私が皇子妃教育でちょっと苦悩しているとアーダが、にっこり笑って話しかけてくれます。

 「マリエ、マリエは【エトランジュ】だから、妃教育はされない

  余計な教育は、元の世界の知識を損なうから
  高位貴族として必要な教育を受けたら
  それ以上の教育は受けさせられないんだよ」

 えっそれってマジですか?
 皇子妃教育しなくって良いってコトですよね。

 滅茶苦茶嬉しいですぅ~憂鬱だなって思っていたので………。
 でも、知識っていうか、歴史とか周辺国事情や各国の特産品と等の情報とかは教えて欲しいです。

 単なる好奇心ですけど、同じものが作られるかどうかって確かめるのも良いと思うんですよ。
 輸入品と輸出品の確認もしたいですね。

 この帝国が輸出過多って感じなら良いですけど、どれかひとつでも輸入過多になっているものがあるなら、ちょっとは考えるべきです。
 また、輸出過多になっているものが、鉱物資源ならちよっと量を減らすべきだと思いますしね。

 鉱物資源なんかは、掘ったら無くなるものなんですから、掘るのも輸出するのも充分に検討すべきです。
 江戸時代にオランダにイイようにされて、国内の銅を枯渇してしまった日本なんて馬鹿でしたからね。

 その銅を使って、オランダはヨーロッパの銅相場を操作して莫大な利益を受けていたんですから………。
 日本に残ったのは、銅山からの汚染水などの負の遺産だけっていう悔しい事態になっていましたからね。

 輸出と輸入の関税についても確認して置くべきです。
 油断すると相手にイイ様に、関税を操作されてしまいますからね。

 明治初期の不平等条約は本当に腹が立ちます。
 なんて、ちょっと歴史オタっぽいコトを考えていたら、皆の視線が痛いです。

 また、独り言を言っていたんですね。
 このクセは絶対に治すしかないです。

 「マリエは、私達の妃に本当に相応しいな

  鉱物資源の輸出はほとんどしていない

  皇帝の皇妃となった黒髪黒眼の【エトランジェ】が
  戦争になるほど相手が欲しがっている時以外は
  輸出しない方が良い

  また、国庫が豊かなら鉱物資源は
  輸入で賄う方が良いと言ったから、国是となっていた

  その理由がやっと判ったよ
  たぶん、その皇妃もマリエと同じ国の出身者なんだろうなぁ~………

  これからも、色々なコトを教えて欲しい
  その代わりこの帝国の歴史を全部教えよう
  隠された歴史もな」










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