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040★理性と感情は………でも、納得するしかないんですよね
しおりを挟むウォルもエドも、私にべた惚れって感じて言い募ってくれました。
何かアスタール伯爵家の男って哀れかもって思うわ。
こんなちんくしゃな私に、夢中なんだもの。
私は、ウォルとエドに守られてのほほんと暮らせば良いのかな?
でも、悪役令嬢ものや異世界転生ものでは、貴族の令嬢や夫人が、夫や家の為に、情報を集めたり情報操作したりするのを読んでいたから………。
ちょっといやかなり不安なんで聞いておきますよ。
「私は、こっちの常識は疎いし………
貴族としての社交なんて出来そうに無いわよ」
「必要ないよ。社交も俺達がするからね」
「俺達に任せてくれれば良いんだよ」
あれれ?これってラノベあるあるとかと全然違いますよ。
う~ん…あっ…そっかぁ~…こっちでは、男女比が1対1じゃないから、夫達の誰かが情報収集や情報操作をすれば良いんだわ。
女に余計な負担を掛けさせたりしないんですね(ラッキー)。
子供が生まれ辛い世界だし、女の子は一家に1人か2人の割合でしか生まれない。
その上で、流行病に魔物被害っていうどうしようもない事態で、子供も大人も呆気無く死んでしまうハードな世界(怖)。
だから、女性のストレスは出来るだけ減らして、こころ穏やかになってもらい子供を沢山産んでもらうっていうスタンスなのかもしれないわね。
なんて思っていると、エドが話し掛けてくる。
「そう、マリエの世界では、女も男と同等に責任を持つけど
こっちでは、子供を産んで育てるっていう
男には絶対に出来ないコトをするんだから
他のコトは、夫達がするものなんだよ」
なんとなく、その言葉に反論してみる………天邪鬼な私です。
ついでに、自分で働いて生活するっていう普通の生活に、かなりの未練があったから………。
だって、ファンタジーな異世界なのに、異世界転移なのに、ラノベあるあるの冒険者になれないなんて、すっごく残念なんだもの。
そう母みたいに、イケメンの父に捨てられた時に生きていける様に、手に職が欲しかったの。
こっちの世界では無理だって、頭というか理性では理解していても、日本での常識が邪魔をするわね。
アスタール伯爵家の正式な養女の私が、どうやったって働けるはずがないってわかっていても………。
いまひとつ信じきれないわ。
だって、私はチビでブスでデげふんげふんぽっちゃり子の一般小市民なんだもの。
いっくら貴族令嬢としての教育をされても、知識はあってもこころがついていかないの。
「でも、侍女とかしている………」
私の反論にウォルが、黒いオーラをまとってきっぱりと宣言してくれます。
なんかちょっと怖いわ。
「マリエとは身分が違うんだよ
何度も言うけど【エトランジェ】なんだよ、マリエは………」
キター………これは、伯爵家筆頭という高位貴族としての極自然な傲岸不遜と俺様のダブルコンボです。
俺様なウォルもエドも眼福です、尊いです、このスチルが欲しいわ………ご馳走様です。
なんて思っていると、まだ話は続きます。
今度は、エドが言い募ってくれてますよ。
「俺達に、可愛い女の子それも《魔力量》の多い子を
産んでくれる存在なんだよ
勿論、男の子の《魔力量》も多いから
宮廷魔術師長官を代々輩出している我が家には
とってもありがたいお嫁さんなんだよ」
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