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016★異世界定番の自動翻訳があるようです
しおりを挟む穴があったら入りたいって、思いながらも私は頑張りました。
何故か甘ったるい表情をしている2人に、目を奪われたりしないように気合いを入れてましたよ。
乙女ゲームの攻略者のスチル並みに美形なんですよ。
思わず眼福です、ご馳走さまですって、こころの中で叫んじゃいます。
二次オタって、美形が好きなんですよ。
要するに面食いが多いんです。
ちなみに私は、面食いの自覚があります。
何と言っても、母も面食いでしたから………立派な遺伝ですよね。
モブな私に、イケメンが優しいなんて…何かの間違いだって………。
とにかくいたたまれない思いをしていた私は、ウォルとエドにこの世界の常識を聞くコトにしました。
単なる時間潰しではありません。
この世界の常識を、私がひとりで自立して生きて行く為に、切実に知りたかったんです。
「あの私に、ここの文字を
教えてくれませんか?」
まずはここの文字を、読み書きしたいって思いました。
ラノベの冒険者達って、ギルドで依頼書を読んで自分で出来る仕事を選んでいましたから、まずはそこから始めたいって思います。
すると、ウォルがにっこり笑って言います。
「俺達が教えてあげるよ」
良かったぁ~あっさりと教えてもらえそうだわぁ~なんて思っていたら………。
エドの口から衝撃的な言葉が………。
「こっちの文字はね
マリエの世界のローマ字に近いって」
はぁなんですとぉ~………なんで、異世界でローマ字なんて言葉を聞くんですか?
それって、マジですか?
おかしいでしょ?
思わず聞いてしまいます。
「どうして、ローマ字を
知っているんですか?」
「俺達の祖先に
【エトランジェ】がいたからだよ」
ウォルが淡々と答えてくれます。
でも、その内容が凄いですよ。
私と同じ異世界人の女性【エトランジェ】がいたってコト?ですもん。
ていうか、ウォルとエドの祖先にいたって、偶然にしてもあり得ないぐらい凄い偶然ですよ。
「えっぇぇぇ~………」
驚いている私に、エドが何故か甘ったるいというか蕩けるようなというような表情で言います。
「驚くよね…でも、本当なんだ
だから、俺達はマリエの
保護者になりたいんだよ」
保護者って何なんですか?
なんか背筋がぞくぞくするんですけど?
聞きたいけど聞いちゃいけないって、私の本能と女の勘がダメって言っています。
異世界召喚や異世界転移もののヒロインが、出会ったイケメンに口説かれているシーンに、今さっきの会話…なんか似ている気がする。
そう乙女ゲームの攻略者との出会いって感じが………。
私はモブ…キングオブモブよ。
ここは、話しを戻して聞きましょう。
「えっとぉ~ローマ字って
言ってたってコトは
ここの文字は、表音文字って
考えて良いんですね」
「そうだよ
マリエの世界のひらがなと
対応している表が残っているから
大丈夫さ」
強引に話題を変えても、エドの表情は甘いままです。
やめて下さいよぉ~…そんなに優しい顔しないでぇ~………。
私に好意を持っているって、勘違いするイタイ女になりそうですぅぅ~。
「すぐに覚えられるよ」
はぅわぁ~ウォルもそんなに甘くて蕩けた顔で、耳元で囁くのはやぁ~めぇ~てぇ~欲しいですぅぅ~………。
だからって、そんなに優しくしないでなんて言えません。
ここに置いてもらわないと、私は行き倒れになってしまいます。
どうしたら………そうよ、文字について聞くしかないわ。
苦手な英語と一緒なはずだから………。
「発音しない文字ってありますか?」
「くすくす…あるよ
それが、苦手だったって
書いてあったけど
本当にそうなんだね」
ウォルが、にこにこ笑って言います。
そうですか、ウォル達の祖先の人も私と同じように、表意文字が苦手だったんですね。
なんかほっとします。
こんなコトもわからないの?とか、簡単なのに覚えられないの?って言われる心配はなさそうですね。
「うっ…そうですね
私に聞いている言葉と
こっちの言葉は同じなんですか?」
「違うって書いてあったね」
異世界召喚や異世界転移の定番の自動翻訳が、私にもついていたってコトですね。
異世界の神様ありがとうございますと感謝しました。
すると、エドが爽やかな笑顔と共に教えてくれます。
「でも、こっちの言葉を
文章にしたのを
そのまま覚えていって
ものにしたって………」
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