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011★【エトランジェ】ってなんでしょう?

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 なんで、こうなってしまったのぉぉ~(大汗)。
 焦っている私を、更にエドが追い詰めてくれます。
 止めてぇ~…私のHPは限りなく0に近いのよぉぉ~(涙)。

 「そうですよ、お祖母様
  マリエはとても
  良い匂いがします

  それにこの髪も肌も爪も
  丁寧に手入れされています

  それに、散歩用の衣装にも
  香りを付けていますからね

  マリエの衣装は
  縫製が人の手で行われたとは
  思えない出来ですよ」

 いやそれは、シャンプーとリンスの香りです。
 現代日本の女子高生が、髪と肌と爪の手入れをしないなんてありえませんよ………そんな恥ずかしいコトは出来ません。

 ジャージを香り付きの液体石鹸で洗ったから、その匂いが付いているだけですよ。
 大量生産のジャージだから、電動ミシンで縫われています。

 その辺で幾らでも売っているジャージですよ。
 庶民でも買える一般的なジャージで、高いモノじゃないんです。

 なんて言いたくても、ウォルとお祖母様の会話の邪魔も出来ない。
 チキン(臆病者)な私です。 

 「そうねぇ~こんなに
  色鮮やかに染められた赤は
  見たコトが無いわね

  それに2本の白い線も
  縫いが素晴らしいわ

  胸元のエンブレムの刺繍も
  素晴らしい出来ね」

 化学繊維ですから、染め色が綺麗に発色するんです。
 単なる白線をミシンで縫っただけなのに………。

 エンブレムって、それは学校のただの校章ですね。
 ついでに、刺繍はミシンがしてくれたと思いますよ。

 でも、藪を突いて蛇を出したく無いので、ひたすら黙っています。
 口は災いのもと、と言いますしね。

 「………」

 「そうですよね…
  これだけの衣装を
  着ているんですから………」

 私は、2人の会話について行けず、気絶しました。
 いやまぁ~…逃避したとも言いますね。

 そして、ラノベ定番のこの天井は知らない天井ねを実体験しています。
 ラノベのヒロインのように、私はまず、自分の着ている服を確かめます。

 良かった…ジャージのままです。
 侍女さん達に、着替えさせられていたら、いたたまれないって思ったいたから………。

 私は、敢えて起き上がらずに室内を見てみます。
 まずは現状確認でしょう。
 ついでに、小さな声でサポーターに話しかけてみます。

 「サポーター答えて………」

 「はいマスター
  お呼びですか?」

 という愛想のカケラも無い声が、頭の中に響いてきます。
 そのサポーターに、今一番知りたいコトを質問します。

 「私の周辺に人はいる?」

 すると、サポーターはさらりと答えてくれました。
 
 「この部屋の扉の前に
  騎士が2人、従者を4人
  控えさせて立っていますよ」

 何故、私の部屋の前に、そんな人数を立たせているのか不思議に思って質問しました。

 「私に護衛なのかな?
  それとも監視かな?」

 「護衛です

  マスターは貴重な
  【エトランジェ】ですから」

 サポーターの答えに、私は首を傾げたくなりましたよ。
 見ず知らずの私に、何故そんな者を付ける必要があるのかって………。

 「私に、護衛っておかしくない?」

 「マスターは、大切な人間ですよ」

 









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