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第13章 クランの館
146★館に入ってみました
しおりを挟むお父様達と会話ていても、そこまで時間が経ったわけでは無いので、私はアバターのいる丘に行くことにした。
ゼフィロス村の大通りを足早に通り抜け、村の外側にある丘を登る。
確かに、あのアバターを封じていた館とそっくりの館が存在していた。
その庭に植えられている植物もほぼ同じで、薬草園もあった。
館の敷地内には、意識阻害と認識阻害の魔法が掛かっていた。
う~ん…ここの魔法って…
最長でも10年に1度は
魔法を掛けなおす必要が
あったはず…なのに?
いったい誰が、この魔法を
維持管理しているのかしら?
とりあえずは
敷地内に入れるか
確認してみましょう
私は、コウちゃんとガッちゃんに声を掛ける。
「コウちゃん、ガッちゃん
館に入ってみよう」
『『はい』』
2人は、声を揃えて返事をしてくれた。
「じゃ行ってみよう」
私達は、館を目指して歩き始めた。
ここは、意識阻害と認識阻害の
魔法のほかに、人間やそれ以外の
侵入を阻む物理的結界魔法も
掛けてあったはず………
物理的結界魔法は掛かっていたけど、私達はあっさり館の敷地に入った。
そのため、私は思わずガッツポーズをとってしまう。
この館を護る魔法が
私達に反応しないということは
アバターを置いている地下室に
入れると思ってまちがい無い
そう思った私は、コウちゃんとガッちゃんに提案する。
「結界魔法も意識阻害の魔法も
私達に効力が無いから
館に入って、アバターの
ところに行きましょう」
『『はい』』
私の提案に、2人は嬉しそうにお尻尾を振って答えた。
私は、天使シリーズの力で、コウちゃん達は自分の能力で空を飛んで、館の玄関前に着いた。
そして、私は恥ずかしい合言葉を、頬を染めながら言う。
「イシュタル様の守護を受けし
我らクランの館の扉よ開け
我は帰還せり」
うっわぁ~恥ずかしい…
厨二病全開の呪文
でも、唱えないと入れない
こんな日がくるとはねぇ……
そう言えば神々の守護って
神殿に寄進して
祈りと誓いの言葉を
口にするだけで
手に入ったのよねぇ~
RPG【黄昏の解放】では………
まさかこれで開くなんて………
マジで、ご都合主義もありの
RPG【黄昏の解放】って感じね
でも、これで、あのゲームと
この世界の一部が、繋がってる
ってわかったわ
うふふ、きっとアバターは
存在してるわ
そして、私の血を
あのアバターに垂らせば
私がアバターの主になるわ
あの課金しまくって作った
アバターで活動出来るのよぉ~
嬉しいわぁ~………じゃない…
このシルビアーナは
すっごい美少女よ…目立つわ…
だから、アバターにって………
いやでも…考えたらアバターも
超絶美少女だったわね
いやいやアバターは
HPもMPも経験値も
スキルも豊富だわ
鍛錬してないからMPしかない
このシルビアーナよりも
冒険者として活動するには
きっと便利だもの
絶対に、アバターと
チェンジしたほうが良いわ
なんて考えごとしながら、私は館内を歩き始める。
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