上 下
147 / 238
第13章 クランの館

146★館に入ってみました

しおりを挟む

 お父様達と会話ていても、そこまで時間が経ったわけでは無いので、私はアバターのいる丘に行くことにした。

 ゼフィロス村の大通りを足早に通り抜け、村の外側にある丘を登る。
 確かに、あのアバターを封じていた館とそっくりの館が存在していた。
 その庭に植えられている植物もほぼ同じで、薬草園もあった。
 館の敷地内には、意識阻害と認識阻害の魔法が掛かっていた。

 う~ん…ここの魔法って…
 最長でも10年に1度は
 魔法を掛けなおす必要が
 あったはず…なのに?

 いったい誰が、この魔法を
 維持管理しているのかしら?

 とりあえずは
 敷地内に入れるか
 確認してみましょう

 私は、コウちゃんとガッちゃんに声を掛ける。

 「コウちゃん、ガッちゃん
  館に入ってみよう」

 『『はい』』

 2人は、声を揃えて返事をしてくれた。

 「じゃ行ってみよう」

 私達は、館を目指して歩き始めた。

 ここは、意識阻害と認識阻害の
 魔法のほかに、人間やそれ以外の
 侵入を阻む物理的結界魔法も
 掛けてあったはず………

 物理的結界魔法は掛かっていたけど、私達はあっさり館の敷地に入った。
 そのため、私は思わずガッツポーズをとってしまう。

 この館を護る魔法が
 私達に反応しないということは
 アバターを置いている地下室に
 入れると思ってまちがい無い

 そう思った私は、コウちゃんとガッちゃんに提案する。

 「結界魔法も意識阻害の魔法も
  私達に効力が無いから
  館に入って、アバターの
  ところに行きましょう」

 『『はい』』

 私の提案に、2人は嬉しそうにお尻尾を振って答えた。
 私は、天使シリーズの力で、コウちゃん達は自分の能力で空を飛んで、館の玄関前に着いた。
 そして、私は恥ずかしい合言葉を、頬を染めながら言う。

 「イシュタル様の守護を受けし
  我らクランの館の扉よ開け
  我は帰還せり」

 うっわぁ~恥ずかしい…
 厨二病全開の呪文
 でも、唱えないと入れない
 こんな日がくるとはねぇ……

 そう言えば神々の守護って
 神殿に寄進して

 祈りと誓いの言葉を
 口にするだけで
 手に入ったのよねぇ~

 RPG【黄昏の解放】では………

 まさかこれで開くなんて………
 マジで、ご都合主義もありの
 RPG【黄昏の解放】って感じね

 でも、これで、あのゲームと
 この世界の一部が、繋がってる
 ってわかったわ

 うふふ、きっとアバターは
 存在してるわ

 そして、私の血を
 あのアバターに垂らせば
 私がアバターの主になるわ

 あの課金しまくって作った
 アバターで活動出来るのよぉ~

 嬉しいわぁ~………じゃない…
 このシルビアーナは
 すっごい美少女よ…目立つわ…

 だから、アバターにって………
 いやでも…考えたらアバターも
 超絶美少女だったわね

 いやいやアバターは
 HPもMPも経験値も
 スキルも豊富だわ

 鍛錬してないからMPしかない
 このシルビアーナよりも
 冒険者として活動するには
 きっと便利だもの

 絶対に、アバターと
 チェンジしたほうが良いわ

 なんて考えごとしながら、私は館内を歩き始める。














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】王子から愛でられる平民の少女に転生しました〜ざまあされそうで超ピンチです!〜

チュンぽよ
恋愛
美しい金髪碧眼の王子ヘンリー・レイノルズが婚約者のマーガレット・クローバーに婚約破棄を一方的に言い出した。原因はヘンリーのお気に入りのマロンのせい。でもマロンはそんなことは全く望んでいなくて…!? これは、ざあまされないように奮闘するマロンの物語です。

侯爵令嬢の置き土産

ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。 「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。

【短編完結】地味眼鏡令嬢はとっても普通にざまぁする。

鏑木 うりこ
恋愛
 クリスティア・ノッカー!お前のようなブスは侯爵家に相応しくない!お前との婚約は破棄させてもらう!  茶色の長い髪をお下げに編んだ私、クリスティアは瓶底メガネをクイっと上げて了承致しました。  ええ、良いですよ。ただ、私の物は私の物。そこら辺はきちんとさせていただきますね?    (´・ω・`)普通……。 でも書いたから見てくれたらとても嬉しいです。次はもっと特徴だしたの書きたいです。

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

婚約破棄にも寝過ごした

シアノ
恋愛
 悪役令嬢なんて面倒くさい。  とにかくひたすら寝ていたい。  三度の飯より睡眠が好きな私、エルミーヌ・バタンテールはある朝不意に、この世界が前世にあったドキラブ夢なんちゃらという乙女ゲームによく似ているなーと気が付いたのだった。  そして私は、悪役令嬢と呼ばれるライバルポジションで、最終的に断罪されて塔に幽閉されて一生を送ることになるらしい。  それって──最高じゃない?  ひたすら寝て過ごすためなら努力も惜しまない!まずは寝るけど!おやすみなさい! 10/25 続きました。3はライオール視点、4はエルミーヌ視点です。 これで完結となります。ありがとうございました!

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい

宇水涼麻
恋愛
 ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。 「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」  呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。  王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。  その意味することとは?  慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?  なぜこのような状況になったのだろうか?  ご指摘いただき一部変更いたしました。  みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。 今後ともよろしくお願いします。 たくさんのお気に入り嬉しいです! 大変励みになります。 ありがとうございます。 おかげさまで160万pt達成! ↓これよりネタバレあらすじ 第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。 親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。 ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ? 王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。 国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから! 12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

処理中です...