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第12章 ゼフィロス村
126★冒険者登録はつつがなく終わりました
しおりを挟む書類を受け取ったおじさんは、ざっと?を通してくれました。
「うん、不備は無いね
連絡先は、レイラン子爵家で良いのかい?」
「はい、父の実家なので………」
「子爵家の血を引くなら
女性騎士を目指したほうが
良いんじゃないのかい?」
「それが……女性騎士の方が
嫁ぎ遅れ(いきおくれ)になりやすいから
止めろと父に言われましたので………」
「そう言うものなのかい?」
「はい、皇族に女性が少ないと
大貴族や上位貴族の姫や令嬢
貴族の正室や側室、はては、愛妾に
仕えることになるからって………」
私の言い訳の説明に、おじさんは目を丸くして言う。
「むぅ~…女性騎士ってのは
皇族にだけ仕えるって思っていたから
おじさんはびっくりしたよぉ~……
たしかに、貴族に仕えるよりは
騎士に従う兵士の方が良いよねぇ」
「はい。皇族に仕えても………
へんに気に入られてしまって
辞める損ねてしまって………
婚期を逃したって話しが沢山あるって
父が言っていましたので………」
おじさんは、私と世間話をしている間にも、色々と手続きをしてくれました。
そして、私に、冒険者ギルド所属の冒険者の証(あかし)である腕輪を差し出してくれました。
この辺は、RPG【黄昏の解放】と一緒だなぁ~って思いました。
何の飾りも無い、鋼色のブレスレット………。
これが、ランクが上がっていくにつれて、色合いが変わっていくのよねぇ~………。
ブレスレットを受け取って眺めている私に、おじさんが話しかけてきます。
「お嬢ちゃん
それに血を一滴たらしてくれないかい?」
「あっはい」
おじさんに言われた通り、血を一滴たらすと、一瞬ブレスレットは光りました。
そして、私の右腕にピタッとくっ付いてくれました。
それを確認したおじさんが言います。
「これで、お嬢ちゃんは冒険者だよ
ってことで、2階で色々ともらいな
そのブレスレットを見せれば、渡してくれるよ
その模様は、今日しか出ないから………」
おじさんの言う通り、ブレスレットには、某若葉マークに似た模様が浮かんでいます。
思わず、ジーッと見詰めてしまいました。
だって、RPG【黄昏の解放】には、無かった設定なんですもの。
おじさんには、無意識で返事をしていました。
「あっはい」
それから、意識をおじさんに向けた私は、頭を軽く下げてお礼を言いました。
「丁寧に対応していただき
ありがとうございました」
「いいって、そんなに頭を下げなくて……
ああそうだ、この村の宿の3割引の券を上げよう
スズメのお宿って言うんだよ
飯も上手いし、経営者も従業員も
元冒険者の女性だけだからな
安心して泊まれるよ
ギルドのジョンからの紹介だって言いな」
おじさんは、照れ笑い?を浮かべて、券を1枚差し出しながら言います。
それに、私は再度、頭を下げてお礼を言いました。
「ありがとうございます」
おじさんは、笑って頷いてくれました。
こうして、私は、冒険者登録を終えました。
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