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第8章 シルビアーナは冒険の旅に出る
081★とりあえず、失っている感覚を取り戻そう
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戸惑いの中、転がるクズ魔石を見て、私は小首を無意識に傾げる。
そんな中、コウちゃんが説明してくれる。
『ここは、ダンジョン内の閉じた空間じゃ無いから、周囲に精霊達が存在しているんだよ。でもって、ママの魂もこころも綺麗だし………前世、俺と一緒に転生していたから、精霊達はママを人間って見ないんだ。だから、力を貸しちゃうんだ。あいつら、楽しければ良いってところあるし………だから、言葉にも気をつけてね』
なんだか、わかったようなわからないような………。
でも、基礎レベルを上げたい私には、精霊さん達の親切な助力はご遠慮願いたいわね。
ここは、コウちゃんの忠告通りに、ランスじゃなくて、ニードルで行こう。
「うん、次からはニードルって言うわ」
なんて会話している間に、ローラーワームが次々と湧いて来る。
『それじゃ、残りを片付けようね』
コウちゃんの言葉に頷き、私は言われたとおりに火炎系の魔法を放つ。
「マイクロファイヤーニードル」
今度は、針みたいに細い炎がローラーワームに突き刺さっていく。
すると、辺りには、焦げ臭ささの中に微妙な匂いが混ざったなんとも言えない匂いに包まれる。
「そう言えば、こいつ等って、焼くと微妙に臭い臭気を放つんだったわね。これじゃー火の属性魔法は向かないわ。次はアイスニードルにした方が良いわね」
なんて、ひとりごとを言いながら反省しているとガッちゃんの声が響いた。
『ご馳走様でした。主さま、魔石です』
ガッちゃんの言葉と同時に、私の前には魔石が大量に置いてあった。
それを、腕輪に収納しながら、ガッちゃんに言う。
「ありがとう、ガッちゃん。もう少し戦えるようになるまでよろしくね。コウちゃん、ナビお願いね」
『『うん、まかせて』』
私達は、また、ゆっくりと歩き始める。
すると、100mも歩かないうちに、魔物の気配を感じた。
うふふ、サーチ力が上がったのかな?
魔物の気配がわかるわ。
………じゃなくて…そうよ、サーチって唱えれば良かったのよ。
ダメだわ、戦ってなかったから、色々と忘れているコトすらわからないわ。
せっかく前世の知識があるのに、認識力とかが追い付いてないから、うまい具合に応用出来ていないみたいね。
とりあえず、呪具によって長期間麻痺されていた感覚を取り戻す為、戦闘よ。
なんて思いながら、私は、死薔薇の鞭を握った。
なんとなくこれでいけるって思ったから………。
すると目の前に現われたのは………。
森の破壊者、美威歯(ビーバ)だった。
その強力な歯で、どんな大木でも一瞬で切り倒し、その皮と新芽を食べる魔物。
美威歯の通った後には、倒された大木があちこちに散乱しているので、だれもが美威歯の仕業だとわかるのだった。
もっとも、人間達は、それを見つけるとありがたくいただく。
そして、大木を運んで材木商に売りつけるのだ。
だから、美威歯はあまり嫌われいない魔物だった。
ちなみに、毛皮は艶々で丈夫で暖かいし、歯は武器に加工されるし、肉も美味しいので、絞め殺すのが1番お金になる魔物だ。
魔石は、さほど大きくないし効力を付与できない為、やはり安価ではあったけど………。
コウちゃんの説明を聞く前に、私は、死薔薇の鞭を振るって、美威歯を倒す。
すると、コウちゃんは、ガッちゃんに話しかける。
『ガッちゃん、毛皮と歯は残してね。魔石は、さっきのローラーワームよりも安いから食べて良いよ。あと、お肉は一部残してくれれば良いよ。ママの倒した分もよろしくね』
『わかった』
美威歯は、10体も居なかったので簡単に終わってしまう。
レベル上げにはならなかったけど、ガッちゃんのご飯になったから良いかと思った。
森の中にはあまり強い魔物はいないのかな? と思い始めた頃に、かけいてたサーチに強い気配があった。
私は思わずコウちゃんに聞いてしまう。
「コウちゃん、この気配って、かなり強いヤツだよね」
『うん、ママ、当たりだよ』
うふっ………少しづつだけど、RPG【黄昏の解放】のゲームをやっていた時の感覚が思い出されて来る嬉しさに、私は自然と微笑みを浮かべていた。
そんな中、コウちゃんが説明してくれる。
『ここは、ダンジョン内の閉じた空間じゃ無いから、周囲に精霊達が存在しているんだよ。でもって、ママの魂もこころも綺麗だし………前世、俺と一緒に転生していたから、精霊達はママを人間って見ないんだ。だから、力を貸しちゃうんだ。あいつら、楽しければ良いってところあるし………だから、言葉にも気をつけてね』
なんだか、わかったようなわからないような………。
でも、基礎レベルを上げたい私には、精霊さん達の親切な助力はご遠慮願いたいわね。
ここは、コウちゃんの忠告通りに、ランスじゃなくて、ニードルで行こう。
「うん、次からはニードルって言うわ」
なんて会話している間に、ローラーワームが次々と湧いて来る。
『それじゃ、残りを片付けようね』
コウちゃんの言葉に頷き、私は言われたとおりに火炎系の魔法を放つ。
「マイクロファイヤーニードル」
今度は、針みたいに細い炎がローラーワームに突き刺さっていく。
すると、辺りには、焦げ臭ささの中に微妙な匂いが混ざったなんとも言えない匂いに包まれる。
「そう言えば、こいつ等って、焼くと微妙に臭い臭気を放つんだったわね。これじゃー火の属性魔法は向かないわ。次はアイスニードルにした方が良いわね」
なんて、ひとりごとを言いながら反省しているとガッちゃんの声が響いた。
『ご馳走様でした。主さま、魔石です』
ガッちゃんの言葉と同時に、私の前には魔石が大量に置いてあった。
それを、腕輪に収納しながら、ガッちゃんに言う。
「ありがとう、ガッちゃん。もう少し戦えるようになるまでよろしくね。コウちゃん、ナビお願いね」
『『うん、まかせて』』
私達は、また、ゆっくりと歩き始める。
すると、100mも歩かないうちに、魔物の気配を感じた。
うふふ、サーチ力が上がったのかな?
魔物の気配がわかるわ。
………じゃなくて…そうよ、サーチって唱えれば良かったのよ。
ダメだわ、戦ってなかったから、色々と忘れているコトすらわからないわ。
せっかく前世の知識があるのに、認識力とかが追い付いてないから、うまい具合に応用出来ていないみたいね。
とりあえず、呪具によって長期間麻痺されていた感覚を取り戻す為、戦闘よ。
なんて思いながら、私は、死薔薇の鞭を握った。
なんとなくこれでいけるって思ったから………。
すると目の前に現われたのは………。
森の破壊者、美威歯(ビーバ)だった。
その強力な歯で、どんな大木でも一瞬で切り倒し、その皮と新芽を食べる魔物。
美威歯の通った後には、倒された大木があちこちに散乱しているので、だれもが美威歯の仕業だとわかるのだった。
もっとも、人間達は、それを見つけるとありがたくいただく。
そして、大木を運んで材木商に売りつけるのだ。
だから、美威歯はあまり嫌われいない魔物だった。
ちなみに、毛皮は艶々で丈夫で暖かいし、歯は武器に加工されるし、肉も美味しいので、絞め殺すのが1番お金になる魔物だ。
魔石は、さほど大きくないし効力を付与できない為、やはり安価ではあったけど………。
コウちゃんの説明を聞く前に、私は、死薔薇の鞭を振るって、美威歯を倒す。
すると、コウちゃんは、ガッちゃんに話しかける。
『ガッちゃん、毛皮と歯は残してね。魔石は、さっきのローラーワームよりも安いから食べて良いよ。あと、お肉は一部残してくれれば良いよ。ママの倒した分もよろしくね』
『わかった』
美威歯は、10体も居なかったので簡単に終わってしまう。
レベル上げにはならなかったけど、ガッちゃんのご飯になったから良いかと思った。
森の中にはあまり強い魔物はいないのかな? と思い始めた頃に、かけいてたサーチに強い気配があった。
私は思わずコウちゃんに聞いてしまう。
「コウちゃん、この気配って、かなり強いヤツだよね」
『うん、ママ、当たりだよ』
うふっ………少しづつだけど、RPG【黄昏の解放】のゲームをやっていた時の感覚が思い出されて来る嬉しさに、私は自然と微笑みを浮かべていた。
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