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第4章 シルビアーナはもふもふと出会う

016★私の魔力量って………

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 まじかに現れた水の塊を、思わず私は無言でジーっと見てしまう。

 えっとぉぉ~…コウちゃんてば、こんなコトも出来るの?
 本気ですごいわぁ~…某猫型さんよりも可愛いし、能力も抜群ね。
 じゃなくて、コレって水の魔法なのかしら?
 私の持つ魔力って、一応全属性だけど、本当にちょびっとなのよねぇ………。
 
 などと考えていた私に、コウちゃんが話しかけてくる。

 『俺の作った水じゃ飲めないの? でも、ここの水は、ちょっと…いや、かなり怪しい水が多いから…………』

 コウちゃんのすまなそうな声に、私はハッとする。
 ショボンとうなだれ、その気持ちを表すかのように耳もヘタッと前に倒れている、その途轍もなく保護欲をそそるような姿に、私は慌てて言う。

 「ゴメンね、コウちゃん…別にコウちゃんが出してくれた、お水の塊を疑った訳じゃないのよ。ただ、私の持つ魔力って少ないから………」

 そうよ、あのお花畑の限りなく馬鹿なルドルフ皇太子に、散々血筋だけの………って、コケにされまくっていたから………。
 別に、貴族としての義務だから、婚約者という立場に甘んじていだけで………。

 っていうか、私的には、この婚約って、何時の間に取り交わされていたものだし………。
 はぁ~…だいたい私達の婚約は、皇帝陛下とお父様の間で取り交わされたモノだから、私達の意志なんて、ひとカケラも関係ないし、なぁーんにも反映されないモノなんですよねぇ………。

 あんな容姿だけしか取り柄の無いお花畑なんて、好きじゃないし………いや、むしろ嫌いだし。
 それでも、珍しい光属性を持つボンキュッボンでたゆんたゆんしたメロンを持つ、ビッチヒロインにまで見下されたのは、流石に悔しかった。

 帝国の剣とまで謳われるカイドール辺境伯の長女が、はっきり言って無能者扱いで………。

 そう思うと、自然と涙が滲む。

 『………ますたぁー……何が哀しいの? …ますたぁーの魔力が少ない? 魔力が強すぎて、そんなに身体から溢れているのに? 側にいるだけて気持ち良い魔力なのに?』

 私は、コウちゃんの言う意味が、その時すぐには理解できなかった。
 だって、ずっと私には全属性だけど、ちょびっとしかない。
 ………そう、生活魔法すらろくに使えない程度しか………。

 そこで、私はコウちゃんの言葉にハッとする。

 って…えっ? 今、コウちゃんてば、私の魔力が強いって………。
 身体から溢れている………気持ち良い?

 「えっと…コウちゃん、私の魔力って身体から溢れているの?」

 思わず確認するように言うと、コウちゃんは不思議そうに愛らしく小首を傾げてから頷く。

 『うん……すっごい綺麗な魔力が溢れているよぉ~…こういうのって……横溢(おういつ)するって言うんだっけ?』

 なにやら、難しい言葉だが、聞き覚えのある言葉に、私は目をぱちくりとさせる。
 なんか、コウちゃんて日本語での語彙が多い気が……いや、気のせいかしら?
 コウちゃんて、私の前世の世界の子じゃなくて、こっちの世界の子よねぇ………。

 じゃなくて、私の魔力って多いの?
 横溢(おういつ)って……確か…いっぱいみなぎること、あふれ流れるほど盛(さか)んなこと……だったわよねぇ………。

 「そんなに、溢れるほど?」

 『うんっ…魔力枯渇で、冬眠どころか…クマムシの乾眠状態になっていた俺が、こうして復活できるほど、純粋で濃厚な魔力が、ますたぁーの身体から溢れているよ』

 クマムシの乾眠なんて、コウちゃんてば妙な知識もってるわねぇ………じゃなくて。
 幼少期から、魔力の少なさに悩んでいたのに………。
 もしかして、創造主の女神の神子が封印されている、ここに来たから?

 そう思ってから、私は考えたくない思考へと行き着く。


 いや、ちょっとまって………。
 今、恐ろしい可能性に………気が付いちゃったんだけど。
 もしそうなら、容姿が微妙な(本人はそう思っている)私が、あのお花畑の見掛けだけ皇太子の婚約者に私が選ばれた理由が………。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 

 何時もより遅くなりましたが、なんとか更新出来るだけ書けました。
 今日は、できればもう一回更新できるようならしたいと思っております。
 日付が変わる前に、入れられたら良いな………。
 


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