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第14章 冒険者の始まりの街フォレンへ

172★大量に出したけど、いくらになるでしょう?

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 そんな会話の中、ガンツさんは奥の扉を開けて、弟子2人を呼び、解体待機の保存部屋へ運ぶコトを指示する。
 弟子2人が指示通りに動き始めたのを確認してから、ガンツさんが私を見る。
 何だろうと思っていると‥‥‥。

 「あんた‥‥‥えーとライムさん」

 「はい、何ですか?」

 「《難攻不落の深淵の絶望ダンジョン》産は
  ってことは、他の場所で討伐したモノも
  持っているってコトだよな」

 聞かれて、別に隠す必要を感じなかったので頷く。

 「はい、ありますけど?」

 途端に、アンジュさんとアレスさんまで齧り付くように言う。

 「えっ他にもあるの(か)?」

 【ホワイトファング】の皆さんの目が、師匠ってどんなヒト?それとインベントリの容量は?という雰囲気でこちらを見ていますが、ここは気付かない振りをさせてもらいます。
 ごめんなさい、師匠なんて居ません、単にガッちゃんの食欲と、私の面倒くさがりが合致した結果です。

 「ええ、主にダンジョン出てから
  その周辺で美威歯(ビーバ)に
  遭遇したから毛皮と歯を10匹分」

 それを聞いて、アレスさんがとても悔しがります。

 「ダンジョン周りに居た
  美威歯(ビーバ)の毛皮と歯か
  肉がめちゃくちゃ惜しいぃぃ~ぞぉ‥‥‥」

 アンジュさんが凄くイイ笑顔で言う。
 
 「きぁ~‥‥‥美威歯(ビーバ)の毛皮
  1枚は予約です、ギルマス」

 なんか迫力あるなぁ~と思っていたら、ガンツさんが更に聞いて来る。

 「他には?」

 「ソルス・ロス・エンダ村に
  向かっている時に遭遇した

  ホーンウルフの角と皮に
  キラーアントの上位種の
  アーミーアントの外皮に

  それと、地駆鳥(ちかけどり)が
  まるまる2羽に羽も皮が10羽分」

 いや、実際には、お肉として放り込んでるのは5羽分で、未解体が2羽いれてあったんで、面倒で出しただけですけどね。

 「ふむふむ、まるまる2羽の
  地駆鳥(ちかけどり)か

  それは弟子に捌(さば)かせでも
  よさそうだな

  その様子だと
  もっと凄いのがいそうだな」

 言われて、私は小首を傾げながら布袋の中にまだ入っているモノをちょっと確認する。

  「ローズスネイク全種類丸ごと」

 ローズスネイク種は、1匹づつしか出さない予定でそう言う。
 と、ガンツさんが聞いて来る。

 「スネイクパール付きか?」

 「ええ、そうです
  だしますか?」

 「アレス」

 「許可する」

 「ギルマスから許可もらったから頼む」

 「はい」

 私は、レッドローズスネイクに、ブルーローズスネイク、パープルローズスネイク、ブラックローズスネイク、そして珍しいアルビノも付け加える。
 アルビノは、バラ模様が反射で浮かぶ、稀少なホワイト系で、幻と言われている。

 出された、無欠けのローズスネイク達を見て、カンツの瞳が興奮で細まるのを見て、祖先に入っていたんだろうなぁ~と思った私だった。

 「まぁこんなモノかしら
  流石に、もう入らないって
  くらいに入れたから‥‥‥

  あっ魔石の大半は消費したんで
  ほとんど無いです

  ローズスネイク種からも
  取って使いましたんで‥‥‥」

 大量に出されたモノを前に、アレスはにこにこしているだけだった。
 その唇が‥‥‥。

 『予備費をたぁ~っぷりと
  溜めて置いて良かったぜ』

 と、まるで甘い吐息のように呟いていたのを見て、私はクスッと笑ってしまった。








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