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第13章 クランの館

150★番システムに付いてのエトセトラ

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 エミリの報告?告白?に、私は苦笑する。
 子供の頃からの独占欲は、大人になったお陰で少しはマシになっているらしいわね。
 うん‥‥‥子供っていつの間にか成長して、勝手に大人になっていくのねって思ってしまったわ。

 それにしても、身体機能とか魔法力で敵わない獣人や竜人を、未だに苦手意識があるのね。
 こればっかりは、種族的なものだから、無理に仲良くしなさいなんて言えないわ。

 それよりも、シルビアーナの姿でいる説明をした方が良いわ。
 何時までも後ろ(過去)を向くより、前に(未来)に進むべきよね。
 ここは、さらっと説明しましょう。
 そう、突っ込まれても、あくまでさらっとね。

 それに、私に、執着し過ぎな竜人や獣人達に、この姿では会いたく無いしね。
 何より、ハーフエルフ達には、ほとんど番(つがい=生涯唯1人の魂の伴侶)を求める意識が無いから良いけど‥‥‥。
 確か、このゲームって色々な種族の人間達が、戦って恋愛して子供を作るって部分もあったのよ。

 なかでも、丈夫で強くて(身体能力)魔力量も多い竜人が、1番人気だったのよねぇ~‥‥‥。
 私は、むきむきの筋肉に魅力を感じなかったから、アバターは魔力量が多い、ハイエルフと人間のハーフにしたのよ。

 ただし、ハイエルフの特徴はまったく出ていない。
 外見上は、人間にしか見えないって‥‥‥。
 だって、種族として最弱な人間の姿だと、魔物も魔族もみい~んな油断してくれるんだもの。

 身体能力の不足は、身体強化の魔法とアイテムで補填すれば良いんだもの‥‥‥。
 って、その考え方に従って、ひたすら魔力量を増やして、色々なアイテムをダンジョンで漁って歩いたわぁ~‥‥‥。
 それでも足りなくて、課金して手に入れたアイテムもあったわねぇ。

 その結果が、インベントリに残っていたから、今も楽しているけど。
 じゃなくって、なんだか、竜人には会いたく無いって‥‥‥。
 なんか、嫌な予感がする。
 もしも、竜人に番認定されたら‥‥‥マジヤバだわ。

 あいつらって、基本が番を自分の腕の中に囲って、誰にも会わせたくないっていう、種族自体がヤンデレなんだもの。
 パーティーの中に、竜人のアバターを作った人がいたけどぉ‥‥‥。

 あるイベントで、番認定がでちゃって、本人達はそこまでしたくないのに、強制的に何時でも一緒に行動するって、まるで呪いのような感じになったのよねぇ~‥‥‥。

 だから、あの2人は、ゲームをする時間を何時も連絡しあって、潜っていたわ。
 ソレを見て、不憫なって思ったけ‥‥‥。

 運営は、竜人を滅茶苦茶有利にしたけど、ちゃんとお釣りがくるようにしたのねぇ~って、会話したわね。

 獣人も身体能力がバカみたいに強い狼や獅子、虎や豹、熊やヘビ、オオトカゲを選んだり、魔力量の多いキツネやタヌキ、ネコを選ぶと番が発生する強制イベントがあって、重しをつけられたり、番と何時でも行動するっていう制限が入ったわ。

 なんと言っても、元がエロゲー制作会社だったから‥‥‥。

 お陰で、竜人や能力のある獣人を選ぶ人が減ったわね。
 魔力量の多いハイエルフも、番システムで足を引っ張られていたわ。
 竜人と能力のある獣人のハーフは、番システムに引っ掛かる危険があったけわね。

 ハイエルフのハーフは、番システムに引っ掛かる危険はほとんどなかったわね。
 ハイエルフって人間並みに身体能力が低いから、人気があまりなかったもの。

 どうせだったら純粋な人間にして、番システムの介入を防いだほうがお得だってなったのよね。
 番解消の特殊アイテムを求めてダンジョンを潜って、ひたすら課金している人も結構いたもの。

 運営にとっては、金のなる木が番システムよね。

 でも、番と一緒に行動するなら、魔力の受け渡しもできるし、魂の繋がりで、片方が死んでも、番が生きていれば、完全治癒やエリクサーを持っていなくても生き返るのよね。

 まぁ、番システムって、考え方次第だって思ったわね。
 番システムの利益を取るか、不利益を考慮して、避けるか‥‥‥。

 私としては、番システムは避けたいモノだったけど。

 さてと、エミリ達に転生の話しをして、アバターに入ってさっさと、とんずらするのが良いわね。
 首筋がチリチリするのは、危険な証拠よ。
 私の本能が逃げろって言っているんだもの。

 ここは戦略的な撤退ね‥‥‥ゴメンね。
 衝撃的な告白に呆然としている間に、さっさとアバターに入って‥‥‥。
 残りのアバターも、私の本体であるシルビアーナの身体もインベントリに収納して、ここからはおさらばよ。











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