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第13章 グリフォンをテイムしちゃいました

213★貧乏クジを引いたのは?

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  オスカーとアルファードの会話を聞いたマクルーファは、嫌な予感をひしひしと感じていた。
 自分に向けられたオスカーの視線は、貸しを取り立てると言っていたからだ。

 それは、マクルーファを置いて、オスカーとその側近がグリフォンに乗ったエリカとアルファードについて、帝都に帰還するというコトだった。
 勿論、アラン達は守護騎士なので、付いて行くのは決定している。

 マクルーファの側近達と残りの騎士達は、切なそうにグリフォンとエリカ達を見詰めている。
 もう既に、諦めの境地に入っているらしい。
 そんな彼らに、無慈悲なオスカーの宣言が………。

 「私達は、姫君と団長に付いて
  グリフォンに乗って
  帝都に帰還します

  マクルーファは
  残りの騎士達をまとめて
  帝都に帰還して下さい」

 「………」

 オスカーの命令にマクルーファは、黙って頷く。

 〔はぁ~やっぱり
  嫌な予感は当たりだなぁ~………
  俺もグリフォンに乗りたかったな

  文句を言いたいけど
  オスカーの報復が怖いから
  ここは大人しく従うしか無い

  いずれは、きっと
  俺もグリフォンに乗れるさ〕

 内心では納得していないが、下手なコトを言ってオスカーにイジメられるのはごめんだと思っているマクルーファだった。
 だから、マクルーファは頷く。

 「わかった、残りの騎士達と
  お前や団長達の馬を
  連れて帰るよ」

 オスカーは、マクルーファににっこりと笑うと、アルファードに話し掛ける。

 「団長、姫君、後のことは
  マクルーファに任せて
  グリフォンに騎乗して
  帝都に帰還しましょう」

 「………」

 アルファードは、オスカーの言葉に頷く。

 〔すまないマクルーファ
  貧乏くじを引かせて………

  だが、置いていく騎士達と
  馬達をまとめて面倒をみる
  人間が必要なんだ……

  副団長が2人いたら…
  どちらかを残すしかないんだ

  何が起こるかわからない
  グリフォンに乗っての帰還は

  より魔法が得意で臨機応変な
  オスカーの方が適任なんだ

  グリフォンに慣れたら
  お前を連れて飛ぶからな………〕

 内心では、色々と思っていても口にする言葉は少ないアルファード。 

 「マクルーファ
  後のことは任せたぞ」

 その言葉に苦笑してから、年長としての顔でアルファードに注意するマクルーファだった。

 「はっお任せ下さい
  姫君と飛ぶのですから
  繊細な操縦を………」

 その注意を聞きたくないアルファードは、それを途中で切ってしまう。

 「わかってる
  そんなに心配するな」











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