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第11章 訓練開始

153★昼食時から甘々な雰囲気たっぷりです

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 エリカとアルファードが、それぞれ思考の海を漂っているところへ、聖女候補の少女達が現われた。
 そして、彼女達はエリカに声をかける。

 「「「「「「ごめんね
 待たせちゃって」」」」」」

 少女達の声にエリカは顔をあげて、にこにこしながら答える。
 エリカは、魔魚のことを、ポイッと捨てて、ガールズトークを選ぶのだった。

 「そんなに、待ってなかったよ
 でも、流石にお腹空いちゃったから
 がっつりご飯を食べたいなって思ってるの」

 「えぇー…がっつり食べたいのは一緒だけど
 私は、スイーツをたっぷりと食べたいな
 なんか、魔法の講義でグルグル思考しちゃって
 脳の栄養が枯渇しそうだから」

 「「「「「うんうんわかるよ
 私もそうだもん」」」」」

 「だよねぇー」

 「あはは、私もスイーツ食べようかな?
 アルの部屋に戻ったら、色々と出すから
 今は、ご飯を食べようね」

 「「「「「「うん」」」」」」

 「アルもスイーツ食べるよね」

 「ああ食べたいな」

 少女達の明るい会話のお陰で、エリカもアルファードも思考の海から浮上するのだった。
 そして、エリカは、少女達と一緒にトレイを手に昼食をとりに行った。
 もちろん、アルファード達もその他とに続く。

 何時もは、むさくるしい男しかいない場所に、聖女候補の少女達がエリカ込みで7人も現われたので、食堂はいっきに華やいだ雰囲気になった。
 が、少女達に声をかける(ナンパ)者は居なかった。
 それは、この魔法騎士団のトップであるアルファードが、しっかりとガードしていたから…………。

 この騎士団では、アルファードに逆らったりする者は、オスカーを除いて存在していなかったので。
 エリカ達は、トレイに食事をのせて、のほほんと席に戻った。
 
 「まさか、異世界で、ハンバーグセットを
 食べられるとは思わなかったわ」

 「それに、トッピングでトリカラは
 美味しいわね」

 「サラダに、ゴマドレッシングは嬉しいわ」

 「コンソメスープじゃなくて
 クリームシチューなのがいいよね」

 「さすがは、騎士様のごはん
 がっつり系だよねぇ」

 「ねぇねぇ、これって
 エリカちゃんなの?」

 「カットフルーツのハチミツかけって?」

 それぞれが用意されていた料理を取り分け、席に戻って和気藹々と楽しそうに話し始める。
 それは、ボッチのエリカが望んでいた、極普通の女の子同士のコミニュケーションだった。
 聞かれたエリカは、にこにこしながら答える。

 「うん、魔の森で、手に入れたモノだよ
 ハチミツもどきや新鮮な果物も、そのとき
 採ってきたモノなんだ」

 エリカの言葉を聞きながら、ほこほこのハンバーグをサクッと切った撫子が、
とても嬉しそうに言う。

 「うふっ…大きなハンバーグに
 たぁ~っぷりチーズが入っているなんて
 なんかお得感がたまりませんわね」

 さくっと切ったソコから、とろぉ~りと溢れ出るチーズにうっとりする撫子に、エリカはクスクスと笑って言う。

 「でしょう…チーズを3種類入れているんだ
 あとね、騎士様達ってとても大食漢だから
 もう1回並んだら、焼きたてのピザを
 出すことになっているの」

 エリカの言葉に、桔梗が食いつく。

 「えっ? ピザ?」

 「うん…トリカラをトッピングしたピザとか
 蒸したトリのトッピングとか色々とあるの
 もちろん、たっぷりチーズタイプもよ」

 それを聞いて、チーズたっぷりのハンバーグを口に運んでいた撫子が、ぽつりと言う。

 「ピザも食べたいわね」

 美味しそうにエリカが作ったご飯を食べていたアルファードは、口元をナプキンで拭いながら言う。
 勿論、アルファードの食器は何時の間にか綺麗に空になっている。

 「じゃ、とってこようか?」

 そう言うアルファードの食器を見て、エリカは瞳を丸くして言う。

 「アル、もう、食べ終わったの?」

 びっくりするエリカに、アルファードは笑って言う。

 「みんな、食べ終わっているぞ」

 「あれ?そんなに遅かった?」

 「エリカ、俺達は、食べるのも
 仕事のうちだから」

 そう言われて、エリカは納得する。

 〔そう言えば、パパの部下達もご飯を
 食べるのって早かったな
 軍人さんはその辺も気を使うんだね〕

 「ああ、そうだよね……それじゃ
 アルの為に、グラタンも裏メニューで
 用意させているから……そっちも食べてね
 それと、カットフルーツのハチミツかけも」

 「カットフルーツのハチミツかけは
 好きだから余分に食べるよ
 それと、ゴマドレッシングのかかった
 サラダも美味しいから食べるよ」

 「うふふ……今言ったものを、素直に食べる
 アルには、もれなくプリンがだされます
 抹茶プリンとプリンとチョコプリンの
 3個セットを受け取る控えのフダは、これよ」

 そう言って差し出されたフダを、アルファードは嬉しそうに受け取る。

 「なんか嬉しいな」

 既にエリカに胃袋をゲットされているアルファードは、蕩けるような微笑を浮かべるのだった。





 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
 大変お待たせしました(汗)
 強力なインフルエンザを拾ってしまい、ダウンしておりました。
 インフルの症状すべて味わいました。
 頭痛から始まって、悪寒から吐き気に腹痛、関節痛に筋肉痛、そしてなにより辛いのが鼻づまりとセキでした。
 数年ぶりのインフルに2人してダウンしてしまい、買い溜めした食料がつきました(涙)
 食欲も落ちる一方で、セキのセイで吐き気が誘発されて大変でした。
 お陰で、思考がグルグルしてしまい、話しを書く以前に起き上がることもできずに、ミニヤギのお世話をしてはダウンという状態でした。
 が、ようやく症状がだいぶ落ち着いて来たので、ボチボチ書き始めようと思っております。
 待っていてくれた方々、ありがとうございます。
 ゆっくり運転で、地道に更新していきたいと思います。






 

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