413 / 450
第19章 パーティーは、まだ終わらない
407★リストを貰ったようです
しおりを挟むだから、オスカー達は、必死で彼女達の片付け先(婚姻相手)を考えて、相手にもきちんと打診していたのだ。
自分やマクルーファ、ギデオンやレギオンのように、エリカの産んだ子供を狙う者達と、聖女ならそれで良いと思う者達をちゃんと選別していた。
所詮は、ドラゴニアンに獣人やエルフが混じった種族なのだ。
気に入った者というか、最愛の者以外はどうでも良いという性質が、がっつりとでていた。
こうして、美少女達は、婚姻相手として相応しい男達の一覧をそれぞれ手渡された。
その中には、注意人物として、アンジェロ皇子達が描かれていた。
オスカーとマクルーファ達監修の花婿リストは、アルファードやキャロラインの関係上、聖女候補の少女達が婚姻するに相応しく無い立場の者は、排除ではなく、キケンという意味の黒と黄色の斜めの縞模様の枠で描かれていたのである。
オスカー達が選んだ男達は、高位貴族の当主または跡取りで、各騎士団の団長や副団長が基本だった。
所詮はドラゴニアンを含む獣人系なので、男は暴力じゃなくって力(=能力、体力、魔力)があってこそ一人前の男という常識を持っている。
脳筋と言うほどは酷く無いが、そういう傾向はガッツリと入っている彼らだった。
そうアルファードのシンパから選んでいたりする。
聖女達の能力(=浄化、治癒魔法に特化、魔力量は膨大で遺伝しやすい、魔力格差に関係無く孕める体質)は、他国にとっても魅力的なのでさらわれるキケンは常に付きまとう。
それ故の守護騎士達であり、また、高位貴族で地位のある夫が必要という聖女側の事情もある。
代々の聖女達が、皇帝や皇太子、皇族や高位貴族と婚姻したのは、愛情と保護という2つの意味があったのだ。
今までは、聖女達の人数が多くても3人だったが、今回は7人だったので、国内貴族達は我こそはと異様なまでに盛り上がっている。
それでいてギラギラしていないのは、聖女達の人数が多いコトと、歴代最強と謳われた寵愛の聖女を超えると謳われはじめた、幻獣の聖女エリカがいる為だった。
エリカとアルファードとの間に生まれた娘と婚姻したいと思う者達も多数いたりする。
その為に、盛り上がっているがぎらぎらしていないという妙な状況になっている。
皇族や高位貴族、《魔力量》の多い者達は、基本的に寿命が長い。
そして、女性達は、男性達に比べて子供を産む為に、寿命が多少というか、それなりに短くなる。
これは、魔物討伐をしないと一人前とみなされない男性達と違い、命のキケンを感じない為に、《魔力量》を増やす訓練をしない、体力増進の努力をしない女性達の能力や体力、魔力量が少ない為に生じる。
その為に、《魔力量格差》が生じて、優秀な男性達が売れ残っていたのだ。
そんな彼らは、聖女候補の美少女達といずれは産まれるエリカとアルファード達の娘を狙う。
彼らの長い寿命にとって、百年や二百年の年齢差なぞ関係無かった。
これはアルファード達にも当てはまる事情だったりする。
聖女候補の少女達は、アルファード達の保護と引き換えに、自分達の伴侶を選ぶ権利をある意味で譲っていたのだ。
もっとも、そのコトに気が付くのは、エリカぐらいだろう。
どちらにしろ、この帝国で生まれ育っていない彼女達にとって、夫を選ぶ指針はエリカの示してくれた、高位貴族である言うコトだけだった。
また、それなりにラノベや悪役令嬢ものを読んでいたので、自由に恋愛できるとは思ってもいなかった。
このパーティーでの皇女達の言い争いを見て、高位貴族に嫁ぐ方が楽に生きられると思ったのだ。
誰かの取り巻きになるなんて、真っ平御免と思った彼女達である。
そう取り巻きになった人間のセイで、何も悪いコトをしていないのに処分されるという不条理を蒙(こうむ)るくらいなら、自分で派閥を率いた方がよっぽとマシだと彼女達は思ったのだ。
10
お気に入りに追加
2,241
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれました
ブラックベリィ
恋愛
気分転換として、巻き込まれモノも書いてみようかと………。
でも、通常の巻き込まれは、基本ぼっちが多いようなので、王子様(笑)を付けてみました。
なんか、どんどん話しがよれて、恋愛の方に傾いたので、こっちに変更ます。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる