408 / 450
第18章 サラディール王国にて………
402★回収し終わったので帰ります
しおりを挟むグリフォンに騎乗したコトを確認すると、キデオンがアルファードに向かって言う。
「兄上、アンジェロ義兄上と共に屋上に参ります」
ギデオンの言葉に、アルファードは、ちょっと心配そうな表情でボソッと言う。
「ん…気をつけろよ」
レギオンもアルファードに話し掛ける。
「お任せ下さい兄上」
それにアルファードが頷くとキデオンを先頭にそれに付き従う騎士達。
そして、その間にアンジェロ達を乗せた騎士達が続き、殿にはレギオンとそれに従う騎士達が屋上へと消えて行った。
それを確認するとアルファードが言う。
「アンジェロの阿呆のせいで、予定より時間を浪費したから
一気にアルスレイドとアルスフィア達の元に向かうぞ」
『はっ』
オスカー達は、アルファードの言葉に一斉に応える。
そんな彼らの前には、既にサラディール王国の騎士達が、倒れてゴロゴロと転がっていた。
そして、微かに階下で戦っている音が聞こえる。
今度は、マクルーファを先頭に、アルファード達はグリフォンを駆って行く。
すると、2階へと降りる階段から、騎士達が次々と登って来ている。
それを気にするコトも無くマクルーファは、風魔法のエアパレットを次々と騎士達に打ち込みながら階段を飛び越えて行く。
そして、廊下で戦っているドラゴニア帝国の近衛騎士達の姿を目にする。
どうやら、アルスレイド皇子とアルスフィア皇子の立て篭もる部屋の扉の前で攻防しているようだった。
そこへ一気にマクルーファ達は突っ込んで行く。
グリフォン達が、羽を使い突風を作り出す。
その風を受けて、扉の前で戦っていた騎士達は、次々と廊下に転がって行くのだった。
それを見たマクルーファ達が、ちょっと慌ててドラゴニア帝国の近衛騎士達を回収する。
扉の周辺からサラディール王国の騎士達を、何であれ排除したのでアルファード達は、中を確認する為にも扉を開ける。
すると中には剣を構えて待機していた近衛騎士達と侍従達がいた。
それを見てアルファード達は扉をガッツリと閉めて入って行く。
「どうやら無事だったようだな」
「兄上、帝国で何か不測の事態でもありましたか?」
「シオババアと、父上の離婚が成立した
それ故に、そなたらはキケンな状態になる
というコトで迎えに来た、さっさと帰るぞ」
『はい』
「アラン、バルコニーへの窓を開けろ」
「はっ」
「ここから脱出する」
『はい、兄上』
「マクルーファ先頭を………」
「はっ」
マクルーファは、侍従を数名乗せると、窓から外へとグリフォンで飛び立った。
そして、オスカーが後ろに、2人の皇子を乗せて飛び立つ。
その間に、回収された騎士達に治癒魔法をエリカが掛けるのだった。
侍女達や残りの騎士達も、それぞれ前回一緒に乗った騎士の下へと分かれてグリフォンに騎乗していく。
それが、終わるとエリカと共にレオニードに乗ったアルファードが続く。
そして、その部屋に居た者達は全員がグリフォンに乗り空へと飛んで行くのだった。
それまで、その部屋の扉が開かなかったのは、扉に物理攻撃無効と魔法攻撃無効の魔法をエリカが、単なる思い付きでかけていたからだった。
その為に、その扉は、エリカ達が転移するまで開くコトは無かった。
アルファード達と騎士達が戦っていたのに、離宮の外から増援が無かったのは、離宮をエリカが《結界》で包んでいたからだったりする。
勿論、エリカは単なる気休めだったのだが、その効力は絶大だったのだ。
こうしてエリカ達は、屋上で待機していたギデオン達と合流すると、ジュリアスの転移で、パーティー会場へ瞬時に戻ったのだった。
なお、廃皇妃リリアーナと魔術師エルダールは、屋上に置き去りにされたのだった。
10
お気に入りに追加
2,241
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に巻き込まれました
ブラックベリィ
恋愛
気分転換として、巻き込まれモノも書いてみようかと………。
でも、通常の巻き込まれは、基本ぼっちが多いようなので、王子様(笑)を付けてみました。
なんか、どんどん話しがよれて、恋愛の方に傾いたので、こっちに変更ます。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる