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第15章 まずは小姑を片付けないと………

290★新しい守護獣の価値は?

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 ジュリアスは、エリカに礼をとると、立ち上がり軽く竜血剣(ドラゴンブラッドソード)を振る。
 すると、軽く500mは、離れていたのに、シーサーペントの群れは、上半身と下半身が生き別れになってしまう。

 剣圧?というか、剣が纏っている水魔法の効果なのか?は、いまひとつわからなかったが………。
 シーサーペントの群れを倒したので、まっいっかとエリカは思ってしまう。
 
 ついでに、シーサーペントの回収は考えていなかったりする。
 魔物の皮やウロコ、爪や牙を使って、防具や武器などを作るという発想が無かったから………。

 この辺りは、そこまでモンハ○をしていなかったし、ラノベを読んでいても、魔物討伐証明の部位が必要なコトも、魔物の肉を食べることも、魔物から武器や防具を作るコトに、あまり興味が無かったからだったりする。

 だから、シーサーペントやシードラゴンが、ザルツェ湖の魔物達に食べられても気にならない。

 また、アルファード達も、そこまでザルツェ湖の魔物に興味が無かった。
 もともと利用していない魔物なので、どうでも良かったりするのだ。
 だから、誰も何も言わなかった………。

 ここに、冒険者ギルドの人間がいたなら………。

 『うわぁぁぁ~……もったいないぃぃぃっ
  どっちらも色々と使える部分が多いのにぃ~

  いったい幾らの儲けになったのか?

  それを魔物にそのまま食べさせるなんで………』

 と泣いて怒って、嘆いて叫んでいただろう………。

 だが、ここにいたのは、お金に余裕のある皇太子やその婚約者、公爵の嫡男、伯爵家の嫡男などの高位貴族出身者と所詮は貴族の騎士達、それも騎士達の中では1番の高給取りの魔法騎士団の騎士達だったから………。

 魔物討伐で得たモノは、仲間内でやりとりした後に、冒険者ギルドなどに売るという、騎士達だったから仕様が無いコトだった。
 閑話休題。

 そして、アルファード達にとって、ジュリアスは、エリカの聖女としての箔付けの守護獣としか意識していなかった。
 そう、エリカ達にとって、ジュリアスの戦闘能力は、そこまで気にしていないモノだったから………。

 残念なコトに、ザルツェ湖の中でしか生活できないシードラゴンは、エリカ達にとってそこまで重要ではなかったから………。

 エリカ達の生活拠点は、ドラゴニア帝国の帝都ドラグニールだったから………。
 レオニード達は、一緒に生活できる存在だが、ジュリアスは、一緒に生活できない存在なので、重要度はどうしても下がってしまう。

 それに、エリカは、シードラゴンという種類のドラゴンを使役するつもりは、まったく無かった。
 ファンタジーオタク?でもあるエリカにとって、ドラゴンは自由な存在で無ければ成らなかったから………。

 だから、エリカは、ジュリアスに、感情移入をしないようにと理性を働らかせていた。
 
 「ありがとう…ジュリアス」

 エリカは、お礼を言いながら、紺碧の髪と透き通った空色の瞳の麗しいジュリアスを、眼福ですなどと思いながら見ていた。

 そんなエリカに、ジュリアスは、守護獣として、敬愛するマスターに褒められて、ご機嫌になっていた。

 それから、人間達が此処に来るのは極めて珍しいコトなので、ジュリアスは、好奇心に誘われて質問する。

 「守護獣として
  当然のコトをしたまでです

  マスターは、ここに
  何をしに来たのですか?」

 「塩を作りに来たのよ
  それと、魚介類を獲りにね」

 その問い掛けに、あっさりとエリカは答える。
 エリカの答えに、ジュリアスは首を傾げて、不思議そうに聞き返す。
 
 「塩ですか?」

 「ええ、今、とっても、必要なの」

 エリカが、塩を本当に必要としていると聞いたジュリアスは、嬉しそうに笑って言う。
 その姿は、お仕事お仕事と喜んで、お尻尾を振る犬のようだった。
 
 「では、少々お待ちください
  固まっている塩を持って参ります」

 そして、ジュリアスは、エリカに礼をとると音も立てずに、湖水へと消えて行った。







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