上 下
255 / 450
第15章 まずは小姑を片付けないと………

249★聖女エリカを護るには?上

しおりを挟む


 エリカとレオニードの会話を黙って聞いていたアルファード達は、それぞれに思考する。

 レオニードとエリカの赤裸々な会話を聞いて、アルファードは、エリカをそっと背後から抱き締める。

 〔エリカは、完全に
  グリフォンを支配下に
  置いている

  守護獣が、契約した主を
  命を掛けて守るコトは
  確かにあるが………

  主の望みで、仮契約した
  俺を命を掛けて助けると
  宣言するなんて………

  そんな話しは
  聞いたコトが無い

  エリカは、なんて規格外の
  聖女なんだ

  そして、俺をこころの底から
  愛しているってレオニードに
  教えてもらうなんて………

  エリカを召喚させてくれた
  神々や召喚に関わった
  すべての人間に、俺は
  こころからの感謝を捧げる

  エリカ、俺の愛は生涯………
  いや、魂がはつるまで
  君に捧げる

  俺の運命の聖女よ
  何度、生まれ変わっても
  君と番になりたいよ〕

 エリカを抱き締めるアルファードを見て、オスカーは微笑んでから、深い溜め息を吐き出す。

 〔姫は、アルファード様を
  本当に愛しているんですねぇ~……

  それを、わかっているから
  グリフォン達は、命に代えて
  でも助けると誓う

  信じられない絆を
  姫は、グリフォン達と
  結んでいるんですね

  これは、こころして
  姫の身辺警護を
  しなければなりませんね

  姫を手に入れれば
  魔力量の多い子供と
  知識を得るだけでは無く

  忠実で絶対に裏切らない
  グリフォン達が
  大量に手に入るんですから………

  不用意に、姫君の側に
  人を近寄らせないように
  しなければ……はぁ~………

  そうすると、あの聖女候補達の
  身辺警護も、もっともっと
  増やすしかありませんね

  彼女達が原因で
  姫に危険が及ぶコトも
  無いとは言えませんから………

  帰ったら、マクルーファ達と
  ガッツリと話し合う必要が
  ありますね……

  いや、本気で護衛の人数は
  増やさないとマズイですね〕

 苦悩するオスカーに同調するように、ギデオンもレギオンも溜め息を吐き出す。
 そして、2人は、真剣な表情で視線(心話?)で会話を始める。

 『レギオン、ちょっと
  つーか、かなり不味いよな』

 『ああ、マジでかなり
  不味いと、俺も思う

  グリフォン達の絶対の忠誠は………
  姫に付加価値を付けすぎる』

 『そうだよなぁ~……
  いくら西の離宮が…
  義母上派の人間で
  固められていても

  今日の出来事を、黙って
  いれるはずが無い』

 『だよなぁ~………
  グリフォンって
  憧れの幻獣だから………

  みんな、ぜぇ~ったい
  自慢するよなぁ~………

  たぶん、今日一日で
  帝都どころか、帝国中に
  話しが流れるよなぁ』

 『うん、間違い無いね
  シオババアだけじゃなく
  他の側妃や兄上達が
  黙っていれるとは思わない』

 『『でも、俺達は、姫に
  愛されているってわかる
  兄上より下だけど』』

 『『それでも、姫の愛は
  滅茶苦茶嬉しい』』

 『とにかく、姫の身辺に
  怪しい者は、絶対に
  近づけないようにしような』

 『ああ勿論だ』

 会話を終えた2人は、視線をエリカに向けて頷きあう。
 一方、守護騎士達はというと………。

 「イシュト、マルス、ゼファー
  レックス、ルイス

  姫が団長と一緒に眠ったら
  改めて、守護騎士候補と
  面接するぞ……良いな」

 「「「「「はっ」」」」」









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜

星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」 「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」 (レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)  美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。  やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。 * 2023年01月15日、連載完結しました。 * ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました! * 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。 * この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。 * ブクマ、感想、ありがとうございます。

処理中です...