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0027★記憶の違和感
しおりを挟む煌牙が室内から転移で消えて十数分後。
陽翔は自分の部屋のベッドの上で目覚めて、首を傾げる。
「…っ……あれ? 僕……って、何時帰って来たんだっけ?」
そう無意識に呟き、自分の中の記憶の相互に、違和感を覚えて、陽翔は上半身をゆっくりと起こして、周囲を確認する。
「ふむ…ちゃんと僕の部屋ですね」
そう呟いてから、陽翔は再び首を傾げる。
〖おや? なんか記憶が微妙にへんですねぇ………。
たしか何時までも僕を連れて行こうとグズグズしていた万年バカップルの両親を、ゲートに送りだして…。
ん~……なんか…駐車場の方に向かったような気が………。
どうやら、その変から記憶があやふやですねぇ………〗
そんなコトを考えながら、時計を見れば、見送りして普通に帰って来たらこんな時間だろうと言う時間だった。
〖時計を見る限りでは、時間経過的には、なんらおかしいところは無いんですけどねぇ……。
だとするとぉ……これは、部屋に帰って来てホッとして、うたた寝をしちゃったんでしょうかねぇ…でも…なんかこう……重要なコトを忘れているような気が…まっ…いっかぁ。
はぁ~……本当に重要なコトならばその内思い出すでしょう。
なにより、万年バカップルの両親に構われない自由をゲットで、念願のひとり暮らしです。
きっと、二人が帰国するときには、僕の下に弟か妹が増えているコトでしょうねぇ………て言うか、増えて欲しいです〗
そう自己納得を無理矢理した陽翔は、大きく溜息を吐く。
「さて、万年バカップルでお互いしか見えていない、あの両親がちゃんと僕の生活費を入れてくれるかどうかだけが心配ですね」
そう口中で呟いた陽翔は、軽く頭を振って、うたた寝したコトで妙に纏わり付いている眠気を覚ます為に、眠気覚ましのコーヒーを求めてベッドから降り立つ。
「本当に、入学式の前に赴任先に旅立ってくれてありがたいです。
これで、あの万年バカップルな両親のセイで、僕が入学式でいらない恥じをかかなくてすみます」
陽翔はインスタントコーヒーを淹れて、冷蔵庫から牛乳を取り出し、タプタプとたっぷりと入れる。
コーヒー牛乳にしたソレを、陽翔はコクコクと飲みながら首を傾げる。
「はぁぁ~…美味しいですねぇ~…やっぱり、コーヒー牛乳は最高です。
なんかもの凄く喉が渇いていますから、呑み終わったら、もう一杯淹れてから、なにか晩ご飯を作らないとね」
陽翔は、妙な喉の渇きとは別に、自分の中のどこか満たされている気持ちに首を傾げつつ、新たにコーヒー牛乳を作った。
そして、今日の晩ご飯に取りかかるのであった。
勿論、食後は入学式の準備をするのは確かなコトだった。
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