上 下
164 / 173

0163★やっと、この世界のお金の価値を知りました

しおりを挟む


 リアがルリとグレンに前世の記憶があり、時空神様の恩恵によって、異世界ネットショッピングと言うモノで、今いる世界とは異なった前世の世界のモノを買えるという説明し終わった。
 そこに、リアに作ってもらって水球に浸かっていたカレンが声をかける。
 その声に反応して、リアは声の主であるカレンを振り返って小首を傾げる。

 あらあら……もしかして、私が出した水球のお水、全部を吸収したのかしら?
 ペットは飼い主に似るっていうけど……契約した精霊もそうなのかしらねぇ?
 葉っぱが生い茂った小枝から、契約してほっそりとした木の妖精さんの姿になって

 今は私の魔法で生成した水球を吸収して、ツヤピカプルンで少しふこっとした感じね
 で……ゲフンゲフン……まだちょっとふっくらしただけだけど………止めよう
 そういうコトは考えたら負けよ…ねぇ……はぁ~……じゃなくて今なんていったの?
 
 「リアお姉ちゃん……お金の価値の話しからズレちゃっているけどぉ……良いのぉ?」

 と、もう一度、カレンに言われて、リアはハッとする。

 そうよ、今度こそ、この世界のお金を聞かなきゃ……
 だって異世界ネットショッピングで、前世のモノを買い食いしたいもの
 いや、ちゃんとつつましくも、自炊はしていたけどねぇ……

 ただ、そこまでレパートリーがないのよねぇ~……
 休日には、ギョウムワンで簡単便利な冷凍食品を買い込んで来ていたし
 いや、ごはんはちゃんと炊飯器でほぼ毎日炊いていたけどね

 それに、買える時はスーパーユウヒでお惣菜シリーズを買っていたし
 残業続きになると、コンビニナインに駆け込んで、有り物を買って食べていたけど

 大概、お弁当は残って無くて、菓子パンで済ませていたからなぁ~……
 じゃなければ、カップラーメンのちょっとお高いのとか………
 その他にも、災害対策にちゃんと、非常食となるモノを一ヶ月分買い込んでたし

 カップラーメンを箱買いして、レンジでチンすれば良いのごはんパックも買い込んで
 缶詰なんかも色々と買い込んでいたのになぁ~………

 今更だけど、私が備蓄していたアレラ(非常食)はどうなったのかしら?
 ああ……こんな状況になって思い出すのは、前世の私が住んでいた地域のことよねぇ
 安全と水はタダって言われていた………懐かしいわぁ~……

 それに、我が前世の祖国は、食にうるさい民族って言われていたのよ
 嗚呼…やっぱり、スーパーユウヒ(他人が作った)のお惣菜シリーズが食べたいわ
 あのちょっと家庭的なお惣菜シリーズが好きなのよ………じゃない、お金よ

 リアは、ひとつ大きく溜息を吐いて、ルリとグレンを振り返って言う。

 「そうよ、こっちのお金の種類と価値を教えて欲しいのよ……前世の貨幣価値と対比して、どのくらいのモノを『異世界屋(買い取り専門店)』に入れたら、このタブレット……って…えっ? どうしたの? ルリ?」

 と、リアが時空神様からもらったタブレットを手に言いかければ、ルリが太く長いもふもふの尻尾の毛を逆立てていた。

 「リア、ソレ…どこから出したんだい? 異質な力を感じるよっ」

 その反応から、時空神様からもらったタブレットは、アーティファクトクラスの魔道具よりもよほど力を秘めているらしかった。

 「あははは……ルリ…反応し過ぎよ……だから、時空神様からもらったモノだから……そのへんのアーティファクトクラスよりも、もの凄く力を秘めていて当然なのよ……コレ(タブレット)で、あの冷凍された揚げ物なんかを買ったんだから……ほら、私の前世の……この世界とは異なった世界のモノを、時空を越えて手に入れる魔道具なんだもの……ルリが驚くほどの力を秘めていて当然でしょ……ね…」

 リアの言葉に、ルリは大きく溜息を吐いて頷く。

 「そうだったね………流石に、突然現れた、その魔道具(タブレット)から放たれた力に、柄にもなく警戒しちまったよ……で、ソレであの美味しいモノや…エールとは違う……ビールとか言う酒を買ったんだっけねぇ……入れ物も見たことないモノだったし……」

 ルリの反応に、グレンはちょっと考え込んで、成り行きを黙って見ているだけだった。
 そんな中、またまたカレンが指摘する。

 「リアお姉ちゃん…また、話しがズレているよぉ~……お金の種類が知りたいんでしょ……あと、価値だっけ?」

 カレンからの指摘に、リアは肩を竦めて、グレンに話しを振る。
 この中で、真っ当にこの世界の種類と貨幣価値を知って居そうなのが、グレンだけだった為に………・

 「そうね、カレン……指摘ありがとう……ってコトで、グレン、こっちのお金の種類と価値を教えてくれる?」

 「ああ………確かに、リアの持つ魔道具でしか買えないモノの為に、この世界のお金の種類と価値を、リアの前世の世界の価値を知らないとなぁ………それじゃ~……」

 と、グレンは、最新のお金事情を教えてくれた。
 地域によっては、石貨なるモノも一部存在しているらしいが、グレンの知る限りでは、この周辺で使う街や町は無いそうな。
 そして、教わったのは………。

 銅 貨(10円)
 大銅貨(100円に)
 小銀貨(1,000円)
 銀 貨(10,000円)
 大銀貨(100,000円)
 小金貨(1,000,000円)
 金 貨(10,000,000円)
 大金貨(100,000,000円)

 もの凄く幸いなコトに、10枚で上の貨幣になるようだった。

 良かったぁ~……なぁ~んだ……そうか、ちゃんと十進法なんだ
 いや、確かに乙女ゲームの時に、チラッとだけど見た気がするわね
 妹が、武器装備から、ポーションなんかを、課金しまくって買いまくっていたのよねぇ

 って……あれ? もしかしてもの凄く高いよねぇ……ポーション類って
 それも、種類によっては場所によって置いて無いモノもあったような気が……

 そう思ってから、リアはここ(大樹の木陰の休憩所)に来る前に助けた冒険者の男性と女性の会話を思い出す。

 確か、毒消のポーションを買いはぐったって言ってたわよねぇ……
 もしかしたら、買いに行ったけど無かったのかもしれないわね
 それで、他に買いに走る前に依頼を引き受けちゃったってところかしらねぇ

 記憶にある妹の行動に苦笑いしたっけ
 イベント攻略の為って、やたらと毒消しや麻痺解呪のポーション買ってたものね
 あれって、いくらぐらいだったっけか?

 売っている場所や、薬師なんかの数によって、値段の変動があったのよねぇ
 場所によっては、倍値するところも……そうダンジョン前とか………
 そう言えば、ダンジョンの中でなんて、高いところだと5倍くらいしていた?

 いや、それは別のゲームだったかしら? やだわぁ~……いくらだったっけ?
 じゃなくて、現実の今の相場を聞かないとダメでしょ
 ポーションに下級・中級・上級ってあった気がするし………はぁ~……

 でも、取り敢えず、お金の種類が判っただけでも良いわ
 肝心なところが記憶に無いのは困りものだけどねぇ……無いよりましの前世知識
 あの乙女ゲームのタイトルを思い出せば、少しは上手く立ち回れるかもしれないのになぁ~……

 いや、かならずしも、乙女ゲームのシナリオ通りに進むわけじゃないしね
 選択によってシナリオが変わる分岐が、いくつもあるヤツだったような気がするのよねぇ………
 そして、私(元は別の世界の魂)という、ある意味での異物が存在しているし

 その上で、時空神様からの…もの凄く贔屓ひいきされたような加護とかもらっちゃっているしね
 色々とやらかししているけど、今のところ、私を害するモノとは遭遇していないわね
 
 
 


 
 
 

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜

カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。 その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。 落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。

いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!

町島航太
ファンタジー
 ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。  ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。

前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】

迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。 ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。 自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。 「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」 「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」  ※表現には実際と違う場合があります。  そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。  私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。  ※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。  ※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

双子の姉がなりすまして婚約者の寝てる部屋に忍び込んだ

海林檎
恋愛
昔から人のものを欲しがる癖のある双子姉が私の婚約者が寝泊まりしている部屋に忍びこんだらしい。 あぁ、大丈夫よ。 だって彼私の部屋にいるもん。 部屋からしばらくすると妹の叫び声が聞こえてきた。

今度は悪意から逃げますね!

れもんぴーる
ファンタジー
国中に発生する大災害。魔法師アリスは、魔術師イリークとともに救助、復興の為に飛び回る。 隣国の教会使節団の協力もあり、徐々に災害は落ち着いていったが・・・ しかしその災害は人的に引き起こされたものだと分かり、イリークやアリス達が捕らえられ、無罪を訴えても家族までもが信じてくれず、断罪されてしまう。 長期にわたり牢につながれ、命を奪われたアリス・・・気が付くと5歳に戻っていた。 今度は陥れられないように力をつけなくちゃ!そして自分を嵌めた人間たちや家族から逃げ、イリークを助けなければ! 冤罪をかけられないよう立ち回り、災害から国民を守るために奮闘するアリスのお話。え?頑張りすぎてチートな力が? *ご都合的なところもありますが、楽しんでいただけると嬉しいです。 *話の流れで少しですが残酷なシーンがあります。詳しい描写は控えておりますが、苦手な方は数段飛ばし読みしてください。お願いします。

【完結】結婚してから三年…私は使用人扱いされました。

仰木 あん
恋愛
子爵令嬢のジュリエッタ。 彼女には兄弟がおらず、伯爵家の次男、アルフレッドと結婚して幸せに暮らしていた。 しかし、結婚から二年して、ジュリエッタの父、オリビエが亡くなると、アルフレッドは段々と本性を表して、浮気を繰り返すようになる…… そんなところから始まるお話。 フィクションです。

処理中です...