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0163★やっと、この世界のお金の価値を知りました
しおりを挟むリアがルリとグレンに前世の記憶があり、時空神様の恩恵によって、異世界ネットショッピングと言うモノで、今いる世界とは異なった前世の世界のモノを買えるという説明し終わった。
そこに、リアに作ってもらって水球に浸かっていたカレンが声をかける。
その声に反応して、リアは声の主であるカレンを振り返って小首を傾げる。
あらあら……もしかして、私が出した水球のお水、全部を吸収したのかしら?
ペットは飼い主に似るっていうけど……契約した精霊もそうなのかしらねぇ?
葉っぱが生い茂った小枝から、契約してほっそりとした木の妖精さんの姿になって
今は私の魔法で生成した水球を吸収して、ツヤピカプルンで少しふこっとした感じね
で……ゲフンゲフン……まだちょっとふっくらしただけだけど………止めよう
そういうコトは考えたら負けよ…ねぇ……はぁ~……じゃなくて今なんていったの?
「リアお姉ちゃん……お金の価値の話しからズレちゃっているけどぉ……良いのぉ?」
と、もう一度、カレンに言われて、リアはハッとする。
そうよ、今度こそ、この世界のお金を聞かなきゃ……
だって異世界ネットショッピングで、前世のモノを買い食いしたいもの
いや、ちゃんとつつましくも、自炊はしていたけどねぇ……
ただ、そこまでレパートリーがないのよねぇ~……
休日には、ギョウムワンで簡単便利な冷凍食品を買い込んで来ていたし
いや、ごはんはちゃんと炊飯器でほぼ毎日炊いていたけどね
それに、買える時はスーパーユウヒでお惣菜シリーズを買っていたし
残業続きになると、コンビニナインに駆け込んで、有り物を買って食べていたけど
大概、お弁当は残って無くて、菓子パンで済ませていたからなぁ~……
じゃなければ、カップラーメンのちょっとお高いのとか………
その他にも、災害対策にちゃんと、非常食となるモノを一ヶ月分買い込んでたし
カップラーメンを箱買いして、レンジでチンすれば良いのごはんパックも買い込んで
缶詰なんかも色々と買い込んでいたのになぁ~………
今更だけど、私が備蓄していたアレラ(非常食)はどうなったのかしら?
ああ……こんな状況になって思い出すのは、前世の私が住んでいた地域のことよねぇ
安全と水はタダって言われていた………懐かしいわぁ~……
それに、我が前世の祖国は、食にうるさい民族って言われていたのよ
嗚呼…やっぱり、スーパーユウヒ(他人が作った)のお惣菜シリーズが食べたいわ
あのちょっと家庭的なお惣菜シリーズが好きなのよ………じゃない、お金よ
リアは、ひとつ大きく溜息を吐いて、ルリとグレンを振り返って言う。
「そうよ、こっちのお金の種類と価値を教えて欲しいのよ……前世の貨幣価値と対比して、どのくらいのモノを『異世界屋(買い取り専門店)』に入れたら、このタブレット……って…えっ? どうしたの? ルリ?」
と、リアが時空神様からもらったタブレットを手に言いかければ、ルリが太く長いもふもふの尻尾の毛を逆立てていた。
「リア、ソレ…どこから出したんだい? 異質な力を感じるよっ」
その反応から、時空神様からもらったタブレットは、アーティファクトクラスの魔道具よりもよほど力を秘めているらしかった。
「あははは……ルリ…反応し過ぎよ……だから、時空神様からもらったモノだから……そのへんのアーティファクトクラスよりも、もの凄く力を秘めていて当然なのよ……コレ(タブレット)で、あの冷凍された揚げ物なんかを買ったんだから……ほら、私の前世の……この世界とは異なった世界のモノを、時空を越えて手に入れる魔道具なんだもの……ルリが驚くほどの力を秘めていて当然でしょ……ね…」
リアの言葉に、ルリは大きく溜息を吐いて頷く。
「そうだったね………流石に、突然現れた、その魔道具(タブレット)から放たれた力に、柄にもなく警戒しちまったよ……で、ソレであの美味しいモノや…エールとは違う……ビールとか言う酒を買ったんだっけねぇ……入れ物も見たことないモノだったし……」
ルリの反応に、グレンはちょっと考え込んで、成り行きを黙って見ているだけだった。
そんな中、またまたカレンが指摘する。
「リアお姉ちゃん…また、話しがズレているよぉ~……お金の種類が知りたいんでしょ……あと、価値だっけ?」
カレンからの指摘に、リアは肩を竦めて、グレンに話しを振る。
この中で、真っ当にこの世界の種類と貨幣価値を知って居そうなのが、グレンだけだった為に………・
「そうね、カレン……指摘ありがとう……ってコトで、グレン、こっちのお金の種類と価値を教えてくれる?」
「ああ………確かに、リアの持つ魔道具でしか買えないモノの為に、この世界のお金の種類と価値を、リアの前世の世界の価値を知らないとなぁ………それじゃ~……」
と、グレンは、最新のお金事情を教えてくれた。
地域によっては、石貨なるモノも一部存在しているらしいが、グレンの知る限りでは、この周辺で使う街や町は無いそうな。
そして、教わったのは………。
銅 貨(10円)
大銅貨(100円に)
小銀貨(1,000円)
銀 貨(10,000円)
大銀貨(100,000円)
小金貨(1,000,000円)
金 貨(10,000,000円)
大金貨(100,000,000円)
もの凄く幸いなコトに、10枚で上の貨幣になるようだった。
良かったぁ~……なぁ~んだ……そうか、ちゃんと十進法なんだ
いや、確かに乙女ゲームの時に、チラッとだけど見た気がするわね
妹が、武器装備から、ポーションなんかを、課金しまくって買いまくっていたのよねぇ
って……あれ? もしかしてもの凄く高いよねぇ……ポーション類って
それも、種類によっては場所によって置いて無いモノもあったような気が……
そう思ってから、リアはここ(大樹の木陰の休憩所)に来る前に助けた冒険者の男性と女性の会話を思い出す。
確か、毒消のポーションを買いはぐったって言ってたわよねぇ……
もしかしたら、買いに行ったけど無かったのかもしれないわね
それで、他に買いに走る前に依頼を引き受けちゃったってところかしらねぇ
記憶にある妹の行動に苦笑いしたっけ
イベント攻略の為って、やたらと毒消しや麻痺解呪のポーション買ってたものね
あれって、いくらぐらいだったっけか?
売っている場所や、薬師なんかの数によって、値段の変動があったのよねぇ
場所によっては、倍値するところも……そうダンジョン前とか………
そう言えば、ダンジョンの中でなんて、高いところだと5倍くらいしていた?
いや、それは別のゲームだったかしら? やだわぁ~……いくらだったっけ?
じゃなくて、現実の今の相場を聞かないとダメでしょ
ポーションに下級・中級・上級ってあった気がするし………はぁ~……
でも、取り敢えず、お金の種類が判っただけでも良いわ
肝心なところが記憶に無いのは困りものだけどねぇ……無いよりましの前世知識
あの乙女ゲームのタイトルを思い出せば、少しは上手く立ち回れるかもしれないのになぁ~……
いや、かならずしも、乙女ゲームのシナリオ通りに進むわけじゃないしね
選択によってシナリオが変わる分岐が、いくつもあるヤツだったような気がするのよねぇ………
そして、私(元は別の世界の魂)という、ある意味での異物が存在しているし
その上で、時空神様からの…もの凄く贔屓されたような加護とかもらっちゃっているしね
色々とやらかししているけど、今のところ、私を害するモノとは遭遇していないわね
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