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0151★本当に、異世界ネットショッピングができるみたいです

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 時空神様の居場所から、元居た場所に送り戻されたリアは、そのままストンッと眠りの園で幸せに浸り、充分な休息をとったコトで自然と目覚める。
 意識が現実世界で目覚めたリアは、ぼぉ~っと自分に起こったコトを思いめぐらせる。

 えぇ~とぉ……アゼリア王国貴族学院の講堂での卒業パーティーで、私を追放した後の顛末を診せてもらったのよねぇ
 いや、フローラ嬢やエイダン王太子とその愉快な取り巻き達の自業自得は、それなりに面白かったわよ
 私は、こころ正しき聖女様じゃないから……って…あれ?

 そうこころの中で呟いてから、時空神様に送り返される時に、最後の最後で盛大な爆弾を落とされたコトを思い出す。

 あっ……そう言えば、大聖女って…最後に時空神様に言われたわ
 あまりに衝撃で、ちょっと忘れてた……って嘘です…ちゃんと覚えてます
 ただ…もの凄い衝撃だっただけです

 うぅ~ん…これって…メガトン級? いやテラトン級? ってヤツ
 マジで、とんでもないインパクトで…言われた時に目が点になったわよ
 じゃないっ………どんなに現実逃避したって、時空神様が、私に向かって、大聖女・・・って言ったコトにかわりないじゃないのっ

 えってぉ? それって、逃避しても、やっぱり私のコトだよねぇ(脂汗)
 だって、時空神様にそう言われちゃったし(ダラダラ)
 えぇぇ~ん(号泣)………私の立ち位置が、崩壊しちゃったんですけどぉ(滝汗)

 悪役令嬢でもなく、あのフローラ嬢相手の当て馬でもない
 そして、モブですら無い、私
 もしかしなくても、マジで立ち位置が、本当に大聖女・・・ってコトなの?

 いや、あの龍帝陛下に関わった時から…もしかしてヤバいことしちゃった?
 とはちょっとは思ったけど…けどぉ………どおしよぉぉぉぉぉ~……噓でしょぉ~……
 いや、確かに自分でもね…だいぶ…やらかした感はあったけどね

 前世を思い出したセイで、ちょっと知っている乙女ゲームと似た感じだって思って……
 知識チートなるモノを、ちゃっかりしちゃった自覚はあるわよ
 でも、流石に大聖女は無いでしょぉ~……だって、聖女の更に上の大聖女だよ

 だって、おデ……ゲフンゲフン……私ってば、こんな姿なんだよぉ
 結局は、食べ過ぎて、こんなみたことないほど見事な大墫の姿になったのは、自分
 いや、確かに神官様達に記憶を消されていたセイもあるけどね

 たとえ、それが神官様達や大神官長様の親切によるものが起因していようと、食べて太った事実は変わらない
 自分でいうのもなんだけど………オークもかくやって姿だったんだよ
 今は、浄化強制する魔道具を外されて、健康な生活を取り戻したから、ちょっと痩せられたけどね

 そんなコトを考えて内心でわたわたしつつも、リアはゆっくりと今の自分の状況を確認する。

 取り敢えずは、時空神様に大聖女呼ばわりされたことはちょっと横に置いておいて…と
 確か、異世界通販……前世の世界のモノを購入できるっていうタブレットをもらったのよね
 そう、異世界ネットショッピングが出来る半透明の私しか見れないタブレット

 リアは、時空神様にもらったタブレットを探してキョロキョロと辺りを見回す。
 そうして、自分が何時もの毛皮で出来たラグの上で寝ているコトに気付く。

 ああ…本当に…なんか帰って来たわぁ~って思うわぁ~…
 もう、私の帰るところは、グレンやルリやユナが居る場所なのよね
 きっと、まだ私を探している血統上の親類縁者とかいるでしょうけど……ごめんね

 前世なんてモノをなまじ思い出しちゃったコトで、こちらの世界の本来の血縁者に興味が無いのよねぇ
 だって、今の私のそういう意味での身内って感じられる相手って、グレンであり、ルリであり、ユナだもの
 それに可愛いレオやグリにナナだっているしね………だからね、そっちはもう考えないコトにするわ

 それよりも、時空神様にいただいた、異世界ネットショッピングが出来るタブレットよ
 腕輪型アイテムボックスに、勝手に収納されているわけでもなさそうだし………
 ラノベあるあるだと……どういう展開があったけ?

 しばし考えて、いくつかの想定をしてリアは頭を抱える。

 うわぁ~………もしかして、あの恥ずかしいセリフを言って確認しないとダメなの?
 あの『ステータスオープン』とか言うヤツ………って…いや…まって……違うわ
 見たいのは…自分のステータスじゃなくて、タブレットの画面よ

 こころの中でしばし悶えたリアは、ほとんど声を出さずに唱えてみた。

 「……タブレット…オープン……」

 そのキーワードと同時に、リアだけが聞こえるピロンッという微かな、鑑定魔道具とよく似た音が聞こえ、目の前にタブレット画面が現われる。

 う~ん…ちょっと画面が見づらいわねぇ…もうちょっと大きくしたいわねぇ
 操作方法は、前世のタブレットと変わらないようねぇ……
 ありがたいのは、画面を触った感覚がちゃんとあることね

 リアは、無意識にタッチパネルをピンチアウト(画面の拡大)をして見やすくする。
 前世のタブレットに似ていて非なるモノを何とか操作しながら、現在の使用できる金額を確認する。

 あらあら……200万円以上が有ったのねぇ~……端数はお財布に入っていた分かな?
 ヤヤコにパウパウにも1万円前後入れていたしねぇ……ポイントでも買えるのかな?
 どれどれ……って、あら良く見たら……単位が違うわ……円じゃなくてP?

 ってことは、こちらから買う時は、ポイントって扱いなのね
 前世の世界のモノを買う為のレートが1円=1Pってコトかしらね?
 取り敢えず、タブレットに入っているお金の確認は出来たわ

 リアは、時空神様からもらったタブレットの存在を確認した後、そのまま作業を終了させる。

 取り敢えず、このタブレットは、いざっていう時の保険みたいなモノよね
 お金も一応入っているけど、どっかのウェブ小説みたいに100倍とかにはならなかったようね
 ちゃんと起きたら、毛皮とかの買い取りしてもらえるかを確認しないとね

 そんなコトを考えつつ、リアは完全に意識が目覚めてしまったので、周囲を見回しつつ、ソッと起き上がる。
 側には、リアに負担を掛けないように、ルリとユナが寄り添って眠って居た。
 そして思い出すのは、シャドウハウンド達にいたるまで、馬車の外に出て騒いでいたコトだった。

 「やだっ…寝落ちして…みんなを戻してなかったわ……大丈夫だったかしら?」

 って、あらあら………なぁ~んか、ぎゅうぎゅう感があると思ったら………
 ルリってば、前世の猫のメインクーン種並の大きさにまで小型化していたのね
 その他にも、クインやアクアが、シバ犬並に小さくなって、丸まっているわね

 ふむ……こうして見ても、グレンの姿が無いわね
 もう外に出て、軍馬達のお世話でもしているのかしら?
 本当に、グレンって勤勉よねぇ~……じゃなくって、他のシャドウハウンド達は外?

 流石に幼体のユナは、まだそういうコトが出来ないので、何時も通りの姿だった。
 リアは、最小にまで小型化して、丸まって眠るルリへと手を伸ばし、その肩口をトントンして声を掛ける。

 「ルリ…ルリ…起きてくれる?」

 リアの言葉と、肩口を触れる手の感触に、ルリはムクッと起き上がってブルッと身体を震わせ、一瞬で人化する。
 長く太いモフモフの尻尾を優雅に振りながら、ルリはふわっと笑って言う。

 「おはよう、リア…起きたのかい」

 「うん…おはよう、ルリ……その…昨日…クインやアクアの仲間とかナナと子供達を姿見の中に戻すの忘れちゃったんだけど……大丈夫だった?」

 リアの問いかけに、ルリはクスッと笑って頷く。

 「ああ、大丈夫だよ…ほら、ナナは子供達を抱えてちゃっかり馬車の中で寝ているよ。アタシが小型化していたのは、その為だよ。スペースに余裕を持たせる為だからね。グレンは外に残ったシャドウハウンド達の為に、外で寝るって言ってたけどね」

 小さなあくびをして、クッと伸びをすれば、クインやアクアも起きて身体を軽く振るう。
 



 


 
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