上 下
117 / 173

0116★もしかして管理キー手に入れちゃった?

しおりを挟む


 あははは………いや、そういうコトなのね
 本当に、ナナってとんでもないモノを拾って来たわねぇ………
 いや、野生だからこそ、世界の意思みたいなモノを受諾しているのかもしれないわね

 ようするに、この腕輪は、この管理室らしき空間の管理キーみたいなモノなのね
 でもって、私が登録されちゃったってコトなのね
 嗚呼………もしかして、あちこちに私が魔力を流し入れたからかなぁ………

 そうなると、いずれはヒロイン対決みたいなコトが待っているかも………
 出来るなら、前世持ちの『私は愛されヒロインなの』だから何しても許される
 みたいなモノとは、流石に争いたくないわねぇ………

 言葉の通じない、自分基準の人とは、絶対に関わり合いになりたくないわ
 それでも、この管理室や古代遺跡の権利? が、私に降って来たなら諦めるしかないのよねえ……はぁ~……
 権利には、義務も責任も付随するモノだものねぇ……はぁ~…マジで…頭が痛いわ

 ちょっと頭痛がするわというポーズを無意識にとってしまった後、リアは首を振る。

 「大丈夫よ、ルリ、グレン……ちょっと、困ったコトにはなったけどね」

 重い溜め息を吐いたリアに、ルリとグレンが心配そうな表情になる。

 「困ったコトって何だい? もしかして、その腕輪に魔力でも吸われているのかい? 一応、そういうのは、視えないけど………」

 勝手に嵌まった腕輪を確認するように視ながら言うルリの言葉に、肩を竦めてリアは答える。

 「うん……別に魔力を吸われているとかは無いよ………って言うか、なんでか、私が、ここの管理人登録されちゃったみたいなの………それで、コレ(腕輪)がそのキーみたいなのよねぇ……どうも、あちこちに魔力を流し入れたコトで、私が管理室の監視モニターを管理する、管理人って勘違いでもされたのかなぁ?」

 リアの言葉に、流石のルリやグレンも頭痛を覚えたらしく、二人ともにコメカミをクリクリする。
 が、ユナはそういうことを気にした様子は無く、瞳をきらきらさせて興奮したように言う。

 「すっごぉ~い…ここの奥の部屋とか洞窟奥の古代遺跡のマスターになったのぉ……それじゃぁ~…何時でも、ここに遊びに来れるんだぁ~………」

 培養ポッドのガラス面に浮かんだ、たぶんに神代文字と思われるモノを必死に覚えようとしていたユナは、もの凄く嬉しそうにキャッキャッと喜ぶ。
 リアはちょっと困ったような表情を浮かべつつも、楽しそうなユナの頭を撫でて頷く。

 「そうね……せっかく、あそこまで創造されているモノ(変異型エルフ)達を完成させてあげたいものねぇ………たとえ、人の手で作られたモノだったとしても、命にかわりは無いのだから……せめて、生きる喜びを与えてあげたいわ」

 そう、存在意義とかを…ね………生れて来た意味をあげたいわ
 悪戯に作り出されたモノで消えて行くなんて、可哀想過ぎるもの
 この考えが…他者からしたら、傲慢とも取られるコトかもしれないけどね

 それに、この洞窟の奥に在る古代遺跡も、どうせならちゃんと調べてみたいもの
 乙女ゲームに類似した世界かもしれないけど、せっかく転生したんだから
 そして、やっと私としての自由を手に入れたんだもん、楽しまないとね

 勿論、私としては、この世界に迷惑になるコトはするつもりはないけどね
 ただ、私以外の前世の記憶持ちとかが居て、勘違いさんが居たらどうしようもないんだけどね
 だって、ここはけして前世で遊んでいた乙女ゲームの世界ではないのだから

 良く似た世界であって、乙女ゲームのように好き勝手が許される世界じゃないもの
 ひとりひとりが、自分の意思を持って生きている世界なんだもん
 ラノベや乙女ゲームの主人公のつもりになっている、勘違いさんに好きにされていい世界じゃないものね

 そう『私は愛されキャラだから、なんでも思い通りになるのが当たり前』なんて思考を持つモノが居ないといいなぁ~……はぁ~……
 いや、もう既に私という存在(前世の記憶持ち)が居るんだから…………
 そんなモノは居ないって言えないのよねぇ……私って事例が存在するから

 できれば、そういうモノ達とは、関わり合いになりたくないなぁ~………
 いや、それがもう無理っぽいのは、理解(わか)っているけどね
 だって、乙女ゲームでのイベントとかアイテム…存在していたし

 もっとはっきり言っちゃえば、既に私はいくつか手に入れちゃっているしね
 称号にも『ヒロイン枠に、大きく踏み入りし者』なんてモンが付いちゃっているしねぇ
 嗚呼、もっとちゃんと前世の記憶があって、乙女ゲームの内容を覚えていたら良かったのに

 そしたら、回避するコトだって可能性としてあったのよねぇ……はぁ~……
 攻略対象やヒロインの顔とか経歴とか、やり込みした人みたいに覚えてたら良かったんだけどねぇ………
 乙女ゲームを楽しんでいた会社の同僚や、妹みたいに、誰それが推しなのよぉ…

 私に推しなんてキャラは居なかったから、ほとんど記憶に無いのよねぇ
 戦闘とかイベントのいくつかを、妹の代わりに攻略しただけだもの
 内容を知らないから、妹が見せてくれたモノの断片的な記憶だけだものね
 
 嗚呼、頭が痛いと思いつつ、リアは自分の腕に勝手に嵌まった腕輪を見下ろして嘆息する。

 この腕輪が、本当に管理キーみたいなモノだっていうなら、ココを封鎖したいわ
 遺跡の中に在るだろう、転移魔法陣とかも全て稼働停止したい
 取り敢えず、魔力が入らなくなるまで流し入れて、思考で命令してみましょうかね

 リアは、大きく溜息をひとつ吐いた後に、手首に勝手に嵌まった腕輪へと、魔力と共に命令を込めてみる。

 『……陣…ノ…稼働…停止命令…受諾シマシタ……コレヨリ…封鎖サレマス……』

 というモノが脳裏に流れ、リアは自分で命令をしておきながら驚く。

 嘘っ…マジ………本当に、転移魔法陣は稼働停止されたの?

 そう思うリアの思考に答えるように、洞窟の奥の方から、ドシンッズシンッという連続音と共に、洞窟に大きな岩壁が出現していた。
 ちょうどリア達が居る場所のほんの二メートルほど後ろにも、岩壁が出現し、通路となっていた洞窟を塞ぐ。

 「あらあら……本当に、管理キーだったみたいねぇ………ここの封鎖を願いながら魔力を流し入れたら、洞窟が封鎖されたわ」

 リアの言葉に、ルリは首を振る。

 「これは、きっとリアの天運とかいうヤツかもねぇ……たまにそういうモノが現われるって聞いたコトあるよ………必ずしも、人族に現われるわけじゃないけど……時代の歯車を回すモノっていうのが存在するらしいからね」

 ルリの言葉に、リアは、はぁ~っと大きく溜め息を吐いて肩を竦める。

 「まぁ…そういう星の下に生れたっていうんならしょうがないかなぁ………これが必要なことだっていうんなら、なるようにしかならないだろうしね……取り敢えず、この洞窟を出ようか………ここを攻略するには、今の私達には無理だろうからね」

 リアの言葉に、グレンも頷く。

 「ああ、そうだな………俺達がリアの元に集まったのも意味があるかもしれない…な…というか、リアに買い取ってもらえてラッキーだったよ…本気でさ」

 グレンの言葉に、ちょっと……いや、かなり、抵抗のあったリアはこころからホッとする。

 「そう言ってもらえると嬉しいかな……こんな…デ…ゲフンゲフン……ぽっちゃりの私が主人だと、他国の都市とかに行ったら、絶対に馬鹿にされるだろうから、頑張って痩せる努力するからね……どうやら、魔法を使えば使っただけ痩せられるみたいだしね」

 リアの言葉に、グレンが頷く。

 「ああ、魔法は魔力の他に生命エネルギーというモノも同時に使用されるって、昔習ったコトがあるな……だから、どんなに魔力量が多くても、身体が弱い華奢な者では大規模な魔法は使えないって………実際、俺の遠縁に容姿端麗で血統も良いし魔力量も多い……けど、魔法が使えない病弱な者が居たぞ」

 へぇ~…そういうモノなのねぇ………ラノベとかアニメには無かった設定よねぇ
 いや、小説やアニメやゲームなんかは、所詮は空想で作られた世界だからかな?
 実際には、そういう制約も存在するのねぇ………

 「そうなんだぁ~……あとで、もっと色々と教えてね……私は、自由になるまで、ある意味で籠の鳥……だったから………」

 いや、境遇を考えたら、畜舎の豚だったわねぇ………流石に、それは言えないけど
 
 

 



 
 
 


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

あなたが幸せならそれでいいのです

風見ゆうみ
恋愛
流行り病にかかった夫の病気を治すには『神聖な森』と呼ばれている場所にしか生えていない薬草が必要でした。 薬草を採ってきたことで夫の病気は治り、今まで通りの生活に戻るはずだったのに、夫に密かに思いを寄せていた私の親友が、自分が採ってきたと嘘をつき、夫もそれを信じてしまったのです。 わたしが採ってきたと訴えても、親友が採ってきたと周りは口を揃えるため、夫はわたしではなく、親友の意見を信じてしまう。 離婚を言い渡され、追い出された私は、実家に帰ることもできず、住み込みで働ける場所を探すことにしました。 職業斡旋所に行ったわたしは、辺境伯家のメイドを募集している張り紙を見つけ、面接後、そこで働けることに。 社交場に姿を現さないため『熊のような大男』(実物は違いました!)と噂されていた辺境伯の家での暮らしになれてきた頃、元夫の病気が再発して―― ※独特の世界観であり設定はゆるめです。

●婚約破棄ですって…!!でしたら、私に下さい!!●

恋愛
セイラ・エトワール辺境伯令嬢はつい先日16歳を迎えた。   本日デビュタントのものだけが着ることを許された純白のドレスに身を包みながらも、セイラはどこか浮かない顔をしている。 そんなセイラがなぜ浮かない表情を浮かべていたのか……いないのです。 そう.…見た目は麗しい淑女であり、引く手数多であろうと思われる彼女だが実際は恋愛経験ゼロ!! それならばと両親が躍起になって婚約者を探すが、それでも見つからないのだ…!! このままでは一生独身を貫くことになるのでは!?と危惧した父親が今回のデビュタントにて良い縁を結んでこられなければ、セイラを領地の修道院に入れると…!! のんびりスローライフを送りたいセイラはそれでも良いかもの楽観視するが、娘の現状を嘆いた母が泣きながらセイラを説得するため、渋々王宮へとやってきたのだ。 これからどうするか…と料理をつまんでいると、会場の奥から甲高い大きな声が響き渡ってきた。 遠くて話の内容がよく聞き取れなかったけど…王女様と見覚えのない金髪の優男が寄り添っている。 その2人の前には顔は見えないが黒髪の青年が絶望した空気を背負いうずくまっているのが見えた。 えっ!!いま婚約破棄とおっしゃいました!? でしたら、私のところに連れて帰っても問題ないのでは!? その青年、私に下さい!! 全て声に出ていたのか王女様と金髪と黒髪の青年は驚いた様子でセイラを見ていた。 そんな何を言い出すか分からない破茶滅茶な行動の辺境伯令嬢が巻き起こすドタバタラブストーリー!!

茶番には付き合っていられません

わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。 婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。 これではまるで私の方が邪魔者だ。 苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。 どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。 彼が何をしたいのかさっぱり分からない。 もうこんな茶番に付き合っていられない。 そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。

あなたがわたしを本気で愛せない理由は知っていましたが、まさかここまでとは思っていませんでした。

ふまさ
恋愛
「……き、きみのこと、嫌いになったわけじゃないんだ」  オーブリーが申し訳なさそうに切り出すと、待ってましたと言わんばかりに、マルヴィナが言葉を繋ぎはじめた。 「オーブリー様は、決してミラベル様を嫌っているわけではありません。それだけは、誤解なきよう」  ミラベルが、当然のように頭に大量の疑問符を浮かべる。けれど、ミラベルが待ったをかける暇を与えず、オーブリーが勢いのまま、続ける。 「そう、そうなんだ。だから、きみとの婚約を解消する気はないし、結婚する意思は変わらない。ただ、その……」 「……婚約を解消? なにを言っているの?」 「いや、だから。婚約を解消する気はなくて……っ」  オーブリーは一呼吸置いてから、意を決したように、マルヴィナの肩を抱き寄せた。 「子爵令嬢のマルヴィナ嬢を、あ、愛人としてぼくの傍に置くことを許してほしい」  ミラベルが愕然としたように、目を見開く。なんの冗談。口にしたいのに、声が出なかった。

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

いらないと言ったのはあなたの方なのに

水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。 セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。 エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。 ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。 しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。 ◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬 ◇いいね、エールありがとうございます!

処理中です...