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0074★姿見型の魔道具は凄かった

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 朝食がほぼ出来ているのを見て、セシリアはちょっとだけ苦笑する。

 あははは………だいぶ寝坊しちゃったみたいだわ
 取り敢えず、朝食のお供えしちゃおう
 腕輪型アイテムボックスに収納した出来立てあるしね

 などと思って、さて出そうかなと言うところに、母ウクダがタタッと来て、セシリアにスリスリする。
 お乳を搾ってもらって、ご飯をもらおうとしているのが明白なので、セシリアはクスクスと笑う。

 自然に笑うコトができるようになったと、自分でも感じられるくらいに自然と笑みが浮かぶ。
 セシリアは笑って、一緒に馬車から出できたユナに、空いている壷がどの程度残っているかを確認する。

 あらあら……空の壷…かなり無くなっているのねぇ
 もしかして、お乳をストックするための瓶を自作しないとダメかしら………
 一応、ガラスを作る為の知識はあるけど……面倒なのよねぇ

 既存のモノで、なにか良い入れ物ってないかしらねぇ~……
 取り敢えず『夢の翼』が買い込んでくれた水入りの壷の水を消費しようかな
 みんな結構な魔力持ちだから、お水に困るコトなさそうだしね

 ストックされている壷の水は、軍馬達に飲ませて上げても良いわね
 お母さんウクダにも、たっぷりと飲ませて上げても良いだろうしね
 私達を追い駆けていた盗賊集団? は、追い駆けて来れないはずだし

 母ウクダのお乳を搾りきり、たっぷりのご飯を提供したセシリアは、テーブルにセットされた朝食を見ながら言う。

 「肉じゃがコロッケとポテトサラダのコロッケはいる?」

 「「「食べるっ」」」

 グレン、ルリ、ユナの声が重なる。

 「了解……あと、ソーセージはどうしようか?」

 「欲しいっ」

 「あれは美味しかったから食べたいねぇ」

 「うん…とっても美味しかったから食べたい」

 グレン、ルリ、ユナの順に夕食時に味わったソーセージの味を思い出してうっとりしているのを見て、クスクスと笑いながら、セシリアはテーブルに焼き立てを出す。

 勿論、時空神様用に、コロッケ二種とソーセージの全種にパンケーキ等を用意する。
 そして、お乳がたっぷりあるので、簡単ミルクセーキもどきもそえる。
 勿論、蜂蜜で甘くして、ちゃんと冷やしたモノを用意する。

 はぁ~……なんか…コーヒー飲みたくなっちゃったわ
 とは言っても、見かけたコトないのよねぇ……
 紅茶はあるのに………コーヒーや緑茶は無いのよねぇ

 果実水は、そこそこポピュラーだけどねぇ~……
 あとは、ハーブティーもどきぐらいなのよねぇ
 この際、タンポポコーヒーでも良いからのみたいなぁ……はぁ~……

 そんなコトを考えながら、セシリアが起きる前に用意された野菜スープとパンなども一緒にお盆に乗せて、祭壇代わりのテーブルに供える。
 そして、お祈りをして、ちゃんと時空神様が受け取るのを確認してから、セシリア達は朝食の席へと着く。

 母ウクダのつまみ食いが発覚してからは、ちゃんと受け取ったコトを確認してから、自分達の食事をするコトにしたセシリア達だったりする。

 わき合いあいと、朝食を食べながら、セシリアは今日は周辺の探索と、昨日見付けて持って来た、姿見型の魔道具の確認をするコトを提案する。
 勿論、今後壷が足りなくなる懸念がある為、軍馬達への水は買った水壷を仕様するコトも同時に提案したのだった。

 母ウクダのお乳に余裕があるコトを知って、ユナは時空神様に捧げたミルクセーキもどきを飲みたいとおねだりしたコトは言うまでもない。
 当然、グレンもルリもお相伴に預かったのは同然のコトだった。

 ご飯を食べて、周囲を楽しそうに探検していた子ウクダ達とレオとグリも、好奇心からちょうだいをしたのも確かな事実だったりする。
 可愛らしくお愛想する子供達にあっさりと負けたセシリアは、勿論、さっさと作って提供したのは言うまでも無かった。

 ちなみに、蜂蜜がもたらす危険を懸念したら、ルリに笑われたのは言うまでもない。
 ひ弱な人族と違って、魔獣でもないウクダの子供が食べても平気だとのコトだった。

 まぁ~…大丈夫だって言うんなら、いっか……
 それよりも、まずは姿見型の魔道具の確認をしちゃおう

 そう思って、セシリアが腕輪型アイテムボックスの収納から出して確認しようとしたところに、ルリが声をかけた。

 「ところでリア、今日の予定って探索するんだろう」

 確認のように言われたセシリアは、ルリの言葉に頷く。

 「うん…ちょっと急ぎ過ぎた感じだから…ちょっとここで、気晴らしの探索しようと思うんだけど……何かあるの?」

 小首を無意識に傾げて言うセシリアに、クスクスと楽しそうに笑いながら、ツイッと指さしながら言う。

 「こっから見えるあの丘に、妙な洞窟みたいなモンがあったんだよね。中までは確認してないけれど……遺跡っぽかったよ……どうだい、洞窟探検してみないかい」

 そのルリの言葉に、ワクワクとこころ踊るが、幼い子ウクダやレオやグリのコトを考えて、セシリアは躊躇する。
 短時間、子供達が眠っている間程度なら、多少馬車から離れても、隠蔽結界が張ってあるので大丈夫だと思えるのだが、長時間離れるコトに躊躇する。

 悩むセシリアに、それじゃぁ昨日見付けた姿見型の魔道具に子供達を入れられないか確かめて、大丈夫だったら探検に行こうと提案する。

 「なら、あたしが、その姿見の魔道具の中に入って、腕輪型のアイテムボックスに収納できるか確認するって言うのはどうだい?」

 ルリの提案に、セシリアはそれが可能かどうかを検討する。

 「なに、あたしはちょっとやそっとじゃ死なないよ。これでも、魔獣だからね」

 と、胸を張って言うルリに、グレンが言う。

 「だったら、孕みのルリより俺のが良いんじゃないか?」

 「それこそ、馬鹿をおいいじゃないよ。アンタの魂はかなりガタがきているんだよ。リアの魔力で落ち着いているけど、異空間に入るのは良くないだろ」

 と、なかなか結論がでなかったが、結局、ルリとグレンの2人で姿見の中の空間に入って確認するコトになった。
 結果は、ぜんぜん大丈夫だと言うコトだった。

 「別に時間停止した感じもなかったよ。グレンの魂にも影響なかったしね。これで、子供達に母ウクダに軍馬達まで入れられるよ」

 「そう言えば、中庭っぽい感じになっている空間もあったぞ。囲いがあって馬小屋みていなのもあったから、そういう使い方していたんじゃないかな」

 グレンとルリの報告から、子供達に母ウクダや軍馬達を姿見型の魔道具の中へと入れるコトに決定したのだった。

 「ふぁ~…姿見型の魔道具って凄いわ……なんか…もの凄くご都合主義なんだけど……コレも時空神様の恩恵なのかしら? たぶんに、アーティファクトなんだろうけど……古代には、こういう魔道具がありふれていたのかなぁ? なら、あの妖精のブーツみたいなモノないかなぁ………」














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