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0068★前世に思いを馳せて溜め息

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 適度な間隔でクリクリとねじり、セシリアは小腸で大量のソーセージのモトを作り上げた。
 そして、大量に出来上がったモノを観察しする。

 流石、1頭分の小腸よねぇ~……かなり長さあったし
 サイガって見た目からして草食系だもんねぇ…ウシに近いのかな?
 うふふふ……でも、思っていた以上の量ができたわ

 大腸の方は、小さく切ってホルモンとして楽しんでも良いわねぇ
 3種類ぐらいつけ汁の調味料を作って、壷に入れておこう
 フライパンで焼いてジューシーさたっぷりで食べても良いのよねぇ

 お味噌もどきもあったから、もつ煮込みなんかも美味しいかなぁ~
 はぁ~……前世が恋しいわぁ~……
 お一人様で、カセットコンロでが懐かしいわ

 じゃなくって、今はこの大量に作ったソーセージを茹でないとね
 茹でて冷風シメした後に、燻製すると更に美味しくなるのよねぇ
 ただ、この量をナベや寸胴で茹でるのは、どう考えても大変よねぇ

 セシリアは、大量のソーセージを茹でる時間と温度の管理が面倒だと思い、目の前の空間にすべてを浮かべて、さっさとボイルするコトにした。
 巨大水球を、ソーセージ用に作り上げて、加熱して温度を上げて行く。

 確か、ソーセージって70度~75度で20分ぐらいだったかなぁ~……
 いやぁ~…牧場体験って本当に役に立つわぁ~…ビバ前世だわぁ~…
 本当に、色々なコースを楽しんで体験しておいて良かったわぁ~

 そんなコトを思いながら、セシリアは温度キープをして茹で上がったソーセージを取り出す。
 そして、水球として残ったソーセージのゆで汁の一部を、夕飯のスープにする為に寸胴に入れる。

 残りのゆで汁は壷に入れて、腕輪型アイテムボックスに収納した。
 後で、ご飯をゆっくりと作る暇が無い時ようのスープストックして取って置くコトにしたのだ。

 そして、大腸の方は洗浄と浄化を終えた後に、ぶつ切りにして半分をそのまま壷に入れて腕輪型アイテムボックスにそのまましまう。
 残りを三等分にして、それぞれ甘辛ダレと塩ダレと、ニンニン強めのピリ辛ダレをまぶして、それぞれを壷へと放り込んで、腕輪型アイテムボックスに収納する。

 本当に、この腕輪型アイテムボックスは便利よねぇ~……
 巾着型のマジックポーチも、ユナに持たせたから助かるわぁ
 また、ダンジョンの宝箱でこういう収納系魔道具が出ないかなぁ~………
 って…アーティファクトは、ダンジョンに入らないとゲット出来ないモノだからねぇ
 まぁ…入ったからって、かならずしも良いモノがゲットできるモノでもないけどね

 それでも、余裕あるならダンジョン入りたいわねぇ
 大街道から逸れたから、追い駆けて来た者達もまけたとは思うし
 第一に、アゼリア王国からの追跡者はまだ出てなさそうだから………

 そんなコトを考えつつ、セシリアは茹で上がったソーセージを、氷と風の混合魔法できゅっとシメて、大半を腕輪型アイテムボックスに収納してしまう。
 料理は作れる時に作って、ストックして置くという主義のセシリアだった。

 前世でも、休日には良く冷凍食品を作ったわよねぇ~……
 今は、よく食べるグレンやルリがいるから作れる時に作っておかないとね
 それに、時空神様も捧げると喜んでくれているようだし

 お陰で、ちょこちょことアゼリア王国での出来事を観せてもらえるしね
 今後、どういう方針をとるか事前に観れるのは助かるしね
 私の立ち位置も、第三者から観たらどんな風に映っていたか判るから……

 そんなコトを考えながら、ユナに野菜を出してもらい、ボイルスープに皮を剥いて次々と投入する。
 勿論、お肉大好きのグレンやルリの為に、フライパンで小ぶりのブロック肉の表面を軽く焼いてから、野菜が煮えたところに投入して、ポトフ風の野菜スープを作り上げる。

 長期保存用の黒パンを薄めにスラスイして、軽く炙った後にバターを塗る。
 ニンニクと良く似た匂いがするニンニンをすり潰してガーリックバターを塗ったモノも用意する。

 ニンニクもどきの名前がニンニンって言うのが笑ったわぁ~……
 本当に、良く似た名前で、食感や味もほとんど変わらないの多いから助かるわ
 調味料もある程度は揃っているから、ご飯が美味しいのよねぇ

 ロマリス王国の1番外側の防護壁の中で食べた料理は、そこそこ美味しかった
 アゼリア王国で私が食べていたご飯なんて……残り物だったし………
 まぁ……どうせ、魔道具のセイで美味しいって感じる余裕なんて無かったけどさ

 私に浄化の為の魔道具を着けさせたくせに、ろくなモノ食べさせてくれなったのよねぇ
 まぁ…悍ましい魔道具に寄る負荷のセイで…味覚が麻痺していたけどね
 冗談抜きで、ほとんど味も分からなくなっていたしねぇ……はぁ~……

 でも、前世での飽食に満ちた食べ物のコトを思い出しちゃうとねぇ……
 安価でもそこそこ、出せば出しただけ美味しいモノが食べれた世界だったから……
 入り込んだ不法入国者のセイで治安が悪くなっても、それでも安全な国だった

 頭から尻尾まで、どこの都市でも一定価格の定価という名の値段で物が買えた
 武器なんてモノが必要のないくらい、平和な国だった
 不慮の事故にあっても『運が無かった』と言われるぐらい治安が良かった

 識字率が高く、一般小市民でも小説やマンガなどを書けるぐらいの高水準な知識
 男尊女卑はたしかに存在していたけど、それでもちゃんと女性でも就職出来た国
 嗚呼…懐かしい…恋しい…今は遠い…遥か夢のような国……はぁ~むなしいわぁ

 セシリアは、そんな前世のコトを考えながら、ストックしておいたポテトサラダと肉じゃがを使って、二種類のコロッケを作るコトにする。

 ここに、かぼちゃが有ったら、かぼちゃのコロッケも作りたかったわねぇ
 ホクホクからしっとりまで種類が豊富で…それぞれ美味しいのよねぇ
 まぁ…今回は肉じゃがを潰して作ったモノと、ポテトサラダで作るけど

 それぞれを小判型に形成して、卵の実やパン粉などをまぶして、油を噴霧して、こんがりキツネ色に揚げる。
 勿論、皆に好評なポテトフライにカラアゲ、それに甘辛照り焼きチキンも用意する。

 うふふふ……そして、やっと作ったソーセージはフライパンでコロコロして塩コショウ
 あとは、粒マスタードに似た木の実も有ったはずだから、ソレもそえてぇ~……
 はぁ~……ケチャップや中農ソースとか欲しいわねぇ……

 前世由来の調味料は、作るには時間と手間暇がどうしてもかかるのよねぇ
 そうすると、拠点とか見付けて落ち着いてからじゃないと無理よねぇ
 アゼリア王国がどの程度、本気で私(=浄化の生贄)を探すかにもよるのよねぇ

 だいたい、龍帝陛下に対して、あんなコトした者の正体も不明だし
 陽の精霊王の堕落した神子が、その後にどうなったかもわからないのよねぇ
 だいたいにおいて、生死不明だし……生きている可能性は高いけど

 そういうのも、いつか観せてもらえるかなぁ?
 まぁ…知らなくてもかまわないんだけどね
 私に、関わりさえ無ければどうでも良いっていうのは本音だしね

 あとは、私の立ち位置よねぇ…妹の知識が欲しいわぁ~……
 乙女ゲームなんて、一部…それも戦闘メインしかしたコトないし
 攻略対象どころか、どんなモノがあったか知らないんでキツイわぁ

 乖離した思考を置き去りに、前世での慣れた作業によって、セシリアは次々と料理を仕上げて行く。
 そうして、いくつもの料理を完成させたセシリアは、用意された時空神様の為の仮の祭壇であるテーブルに出来上がったばかりの料理の数々を乗せて、ぶどう酒もそえて祈る。
 勿論、グレンやユナ、そして何時の間にか帰って来たルリも祭壇の前で跪いて一緒に祈るのだった。









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