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本編

3話

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「それで、ユリア公爵令嬢。なぜあなたが私の真名を知っているのかしら?」

みなさんこんにちは。

現在美少女に尋問されるという夢のようなシチュエ(((((

美少女に尋問を受けています。

相手は乙女ゲーム「マジワル」の主人公で聖女のセリア・ルベールさんです。

なぜ元がつくかと言うとさっき俺と国外追放させられたから。

なぜこうなっているかと言うと彼女の真名を思わず呟いたから。

いや俺馬鹿じゃん!!

「私は私の真名を3人にしか教えていません。」

緊張で固まってる俺をおいて、セリア、いやラナは喋りだした。

「そしてその3人はもうすでに亡くなって、また全員言いふらすような人ではありませんでした。」

亡くなっている、の部分を話す時、ラナは顔を悲しそうに歪めた。

そしてその3人とは前世の俺のことだろう。

その言葉だけでどれだけ俺が信頼され、愛されていたかを実感できる。

「なので、私は知りたいのです。どうしてあなたがその名前を知っているのか。」

うーん。

困った。

どうしよう。あ、そうだ。前世の俺の知り合いで、もしものときのために守ってくれと頼まれたって嘘いえばいいんじゃね?

前の俺は知り合いは少なかったけど、前世とかよりは信じやすいはずだし。

「えっと、それはですね、」

令嬢言葉に気をつけて、俺は話そうとしてたんだけど、出来なかった。

なぜかラナの金色の瞳を見ていると、嘘がつけない。

「先に言っておきますが、嘘をつこうとしても無駄です。私のスキル「真実の瞳」の前では誰も嘘をつくことができませんので。」

わぁ、なんてこった。

これは真実を言わないといけないパターンだな。

というか今思ったんだけど、彼女に話すデメリットてっ無くない?(ラナは口固いし)

それにメリットは結構ある。じゃあ話すべきじゃん。

「セリア、いえラナ様。今から話すことはとても信じられないと思います。ですが、わたくしの話を聞いてください。」

前世の事、前の3回の人生のこと、元勇者なこと、そしてその力のこと。

「そうだったんですね......って、え!?」

「ふっ、ふふ、あっははははっ!!!」

そう、ラナは外では真面目で落ち着いてるんだけど、本当は少し天然を含んでるし、子供っぽい。

だから笑ったことは許して。

「えっと、あなた?の言うことをまとめると、あなたは私の師匠で友人で恋人ってことですよね?」

「うん、そうなんだよ。ってか信じるの?」

「うん。さっき言ったでしょ。このスキルの前では嘘をつけないって。」

そういえばそうだったな。

それにだいぶ砕けた口調で接してくれてる。

「ねぇねぇ、これからはなんて呼べばいいの?」

「ユートでいいよ。実のところ、最初の人生も名前が優斗ゆうとだったんだよ。」

「そうなんだ!すごいね!」(満面の笑顔)

え、なにこの子天使?

やばい、めちゃくちゃ可愛い。

「ん?どうしたの、ユート?」(首を傾ける)

あああああー

え、なんで君そんなに可愛いの?俺のこと殺すき?

え、天使かな?ここは天国なのかな?(キャラ崩壊アンド語彙力低下)

「落ち着け、ユート殿」

「ラナが可愛いのは分かるけど、少しは落ち着きなさいよ。」

「深呼吸ですよ。」

「そうだ!ラナが困ってるだろ!」

「まぁ気持ちは分かるけどねぇ~」

「たしかに......」

「ルナ可愛いから仕方ないにやぁ~」

「そうだワンッ。」

「おいおまえら、ユート殿が困ってるだろう。」

どこからかともかく声が、それも一つではなくたくさんの声が聞こえるというホラー現象が起きてる。
ちょっと怖い。

「みんな、人がいるときには出てきちゃだめって言ったよね?」

「ラナ、知り合い?」

「うん、ユートにだけ教えてあげる。みんなでてきて。」

ラナの声に応じて、宙に浮いてる6人の美男美女と、三匹の魔物が現れた。

「はじめましてじゃな、ユート殿。わしは土の大精霊、ノームだ。よろしく頼むよ。」

「私はウンディーネ。水の大精霊よ。よろしくね。」

「私はシルフで、風の大精霊です。よろしくおねがいしますね。」

「俺は火の大精霊、サラマンダーだ!ちなみに特技はとかげに変身できるとこだな!!」

「はじめまして!、ユート君。光の大精霊、ウィルちゃんだよ!!よろしくね!」

「シェイド...闇の大精霊...よろしく...」

「私はナナよ。特技は魔法かしらね。」

「僕はジン!!種族は白フェンリルだよ!!よろしくね、ユート!!」

「我はユイだ。今日は急に押しかけてすまなかったな。」

──────────────────

(???目線)

ここで常識を知らないラナちゃん(めちゃくちゃ失礼)に変わって説明すると、
ここにいる全員、異常なのである。

まず現れ方からそもそもやばい。

彼らは次元の隙間で、ユートを観察していたのだが、まず次元の隙間というのは聴覚と視覚がなくなるため普通の人はあっという間に発狂する。
しかもそんな簡単に見つけ出したり、ましてや生み出すことはできない。

そして2つ目にやばいのはこの「大精霊」という単語だ。

精霊とは普段は滅多に人前に出ることはなく、魔法と同じ6属性に分けられてる。

精霊というだけでものすごいのだが、大精霊は特別で、世界に6人しかいない。

まぁ流石に精霊の頂点にいる精霊王はいないようだけど。(フラグ)

「あ、でも今は聖霊王アルカディアスさんはいないらしいです。なんか仕事が忙しいらしくて。」

してた。(見事なフラグ回収)

まぁ気を取り直して次!!

ナナの種族、猫又王バステトは猫又グリマルキンの上位種。
ちなみにバステトが種族名で、猫又王はあだ名のようなもの。

グリマルキンはランクEの弱い魔物だが、バステトになるとランクが一気にAにまで上がる。

また彼女は魔法に関して非常に優れているため、ランクはS、またはSSに分類される。

そして白フェンリルのジン。

フェンリルはもともと伝説級の魔物なのだが、ジンはその希少種。つまりはどういうことかって?最強やばいってことだよ。

そして最後に一番やばいのがユイ。

彼は龍神なんだよね。

ちなみに竜と龍の違いは、龍が竜の上位種ってとこ。

そしてユイは同時に神でもある。(亜神だがそれでもだ。)

詰まるところ全員やばい。

というかこんな伝説級、神話級を契約せず話し合いだけで従わせれるってとこがそもそもやばい。
どんなチート持ちなの?ラナちゃんは。

で、そんな奴らが現れたならユートは気絶でもする......

「ご紹介ありがとうございます!!俺はユートと言います。よろしくおねがいします、皆さん!!」

はずがなかった。

そう、この男もラナちゃん以上に常識というものを投げ捨てている男だ。

そんなやつがこれほどのことで倒れるはずもない。

「お、おう。ユートと言ったか。俺はサラマンダーだ。敬語も外していいぞ。」

「そうか、分かったよ。よろしくな、サラマンダー。」

しかも大精霊とタメ口で話し始めた。

何こいつ怖っ。

「それでユート殿。お詫びと言ってはなんなんだが、我々全員と契約してくれないか?」

「ん?どういうことだ?」

「我々はラナとは契約できない。ラナは精霊術師やテイマーではないからの。我々はラナとの結びつきが弱いのだよ。勿論ユート殿にも利がある。我々の力を一部受け取れ、またともに戦うこともできる。どうだ、Win-Winではないか?」

おい、ユイ、お前なにやってんだよ!?

こいつに力をこれ以上渡したらどうなるか......

「たしかに。ラナを守るためにも力はあったほうがいいしな。」

ナイスユイ。 

もっとやれ。

「それじゃあやるわ。」

ん、誰と契約するか決めたのか?

「いや誰って皆とだけど。」

いやいや、いくらユートだからって流石に無理ある

「はい、出来たぞ。」

「「「「「「「「「[えええええええええええええ!!!!]」」」」」」」」」 

「な、なんだよ。そんなに驚くことか?」

「そりゃそうだろ、テイマーや精霊術師が契約できるのは一度に一人、良くて2人だ。それが9人、しかも俺達を......」

「やめようよ。きっと彼には常識が通用しないんだよ。」

「???」

「たしかにな。」

「そんなことより、皆さんでお話しましょうよ。」

「たしかに!!俺もみんなや、ルナの話が聞きたいや。」

こうして全員は和気あいあいと雑談を始めた。

誰かがこうしてみていることも、ユートがこのことで話題になり、大きな歯車が回されたことに、ユートは知る由もなかった。
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